アミノレバンとは

アミノレバンは、アミノ酸の代謝異常などが原因で引き起こされる肝性脳症をともなう慢性肝不全の方の栄養状態を改善するために開発された栄養剤です。

アミノレバンは糖質やたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの成分を含みます。慢性肝不全の方の栄養状態が低くなる傾向を考え、これらの成分に微量の元素が加わり構成されています。

肝性脳症(かんせいのうしょう)は肝臓の機能障害によって引き起こされる、意識障害をはじめとするさまざまな精神神経の症状のことを指します。

錯乱や眠気、時間などがわからなくなる見当識障害などの症状が現れることがあります。

肝性脳症をともなう慢性肝不全はさまざまですが、その中でも慢性的に病気が進行する肝硬変などがあてはまります。

眼球や皮膚が黄色く染まる黄疸(おうだん)や腹部が張る腹水など、一般的に肝不全と疑われる症状が前触れとして現れることが多くあります。

アミノレバンの効果

アミノレバンは「分岐鎖アミノ酸」を増やす作用があるのに加え、慢性肝不全の方の栄養状態の低さを考慮し、改善するための栄養成分も含まれています。

アミノレバンは主に以下のような効果があります。

・「分岐鎖アミノ酸」と「芳香族アミノ酸」のフィッシャー比を改善します。
・脳内アミンの代謝異常を改善します。
・フィッシャー比を改善することにより神経伝達物質の元となる「芳香族アミノ酸」を相対的におさえる作用もはたらき、肝性脳症の症状が改善されます。
・慢性肝不全の方の栄養状態を肝性脳症を誘発することなく改善します。

人間の体の約20%はたんぱく質でできているといわれ、内臓や皮膚、筋肉などのもとになるたんぱく質を構成している成分が20種類のアミノ酸です。

また、体の中には20種類のアミノ酸以外に、血液中や体内を循環している「遊離アミノ酸」というアミノ酸があり、これらはたんぱく質の成分の代わりになる作用をもつアミノ酸でもあります。

肝硬変などの慢性肝不全の方は、アミノ酸の代謝異常によって血液中の遊離アミノ酸の濃度が安定せず、筋肉を作るのに欠かせない「分枝鎖アミノ酸」と「芳香族アミノ酸」のフィッシャー比が低くなる傾向があります。その低くなったフェッシャー比をアミノレバンは改善します。

アミノレバンの副作用

アミノレバンを使用した時に報告されている副作用は以下の通りです。

・発疹、かゆみなどの皮膚症状
・腹痛や胸やけ、下痢など
・高アンモニア血症、低カリウム血症、血糖値の上昇など

また、特に注意しなければならない副作用として低血糖があります。

低血糖は、体のふるえや動悸(どうき)などの症状に加え、冷や汗をかいたり気分が悪くなるという症状なども現れることがあります。

副作用と思われる症状が現れた場合は、医師の診療を受けてください。

アミノレバンの剤形

アミノレバンには、

粉末タイプの「アミノレバンEN配合散」

点滴静脈注射液の「アミノレバン点滴静注」があります。

この二つのタイプのアミノレバンをそれぞれ説明していきたいと思います。

アミノレバンEN配合散

アミノレバンEN配合散は白色〜淡い黄色の粉末状タイプの薬で、1包50g入っています。また、アミノレバンEN配合散の薬価は1g/9.61円となります。(2017年9月現在)

アミノレバンEN配合散の飲み方は、1包50gのアミノレバンEN配合散を約180mlの水かお湯に溶かして飲みます。この際に、アミノレバンEN配合散が加えられた溶液量は約200mlとなり含まれるカロリーも約200kcalとなります。(200kcal/200ml)

アミノレバンEN配合散は独特の味とにがみがあるため、水の量を増やし薬の濃度を下げたり、専用のフレーバーに混ぜて飲んだりすることもあります。

また、アミノレバンEN配合散の溶液を作るための専用溶解容器もあります。

アミノレバン点滴静注

アミノレバン点滴静注は点滴タイプの薬です。薬価は500mlのものが748円、200mlのものは382円です。(2017年9月現在)

アミノレバン点滴静注は通常15歳以上の成人には、1回で500〜1000mlを点滴静注します。

点滴で薬を注入する速度と時間は通常15歳以上の方であれば、500mlあたり180分〜300分を基準にして注入していきます。年齢や症状などによって調整されます。

点滴静注(点滴静脈注射)とは、大量の薬液を静脈内に持続的に投与する方法で、薬を持続的に注入する「持続注入」と1日のうちの決まった時間帯にのみ薬を注入する「間欠的注入」の方法があります。

アミノレバン専用フレーバーについて

独特な味やにがみがあるアミノレバンEN配合散を飲みやすくする専用のフレーバーをご紹介します。

フレーバーは「ヨーグルト味」「パイナップル味」「コーヒー味」「フルーツ味」の4種類のフレーバーから選ぶことができ、現在のフレーバーはカロリーもおさえられ飲みやすくなっています。

フレーバーの内容量は全て1包3gとなっています。以下がフレーバー1包ごとに含まれる主な成分の量です。

フレーバー エネルギー たんぱく質 脂質 糖質 食物繊維 ナトリウム
ヨーグルト味 8kcal 0.2g 0g 2.4g 0.1g 99mg
パイナップル味 6kcal 0g 0g 2.8g 0g 43mg
コーヒー味 10kcal 0.2g 0.5g 2.1g 0.1g 14mg
フルーツ味 6kcal 0g 0g 2.8g 0g 39mg

フレーバー4種類の賞味期限は全て2年となっています。

アミノレバンEN配合散の溶液を作る時は、フレーバーを専用の容器に一緒に入れてよく溶かしてから飲みます。

アミノレバンEN配合散専用のゼリーの素もある!

アミノレバンEN配合散は専用のフレーバーだけではなく、専用のゼリーの素を使用することもできます。好きな味のフレーバーのゼリーを作ることができます。

アミノレバンEN配合散ゼリーの作り方の手順は以下の通りです。

①専用の容器にお湯を入れて、容器を温めます。
②容器内のお湯を捨て、新しく熱湯を専用容器の50の目盛りまで入れたあと、「ゼリーの素」を1袋入れます。
③容器のフタをしっかり閉めてお湯を回転させるように混ぜます。
④水を専用容器の100の目盛りまで入れ、アミノレバンEN配合散1包と好きな味の専用フレーバーを入れ、フタをしてよく混ぜます。
⑤作ったゼリー液を容器に移し、冷蔵庫で冷やして固まったら早めに使用してください。

おわりに

アミノレバンは五大栄養素も含まれ、カロリーもしっかりとることができます。しかし、薬に含まれるカロリーをよく把握し、食事の量を調整しカロリーオーバーにならないようにすることも大事です。

また、独特の味とにがみがあるアミノレバンEN配合散を飲むのが苦手な方は、さまざまな種類の味があるアミノレバン専用フレーバーもあるので、そちらも活用してみると良いでしょう。