低用量ピルは女性の味方
「低用量ピル」は正しい使い方をすれば、ほぼ完全な避妊することができます。
また、妊娠したくなったら服用をやめれば妊娠準備に入ることができ、月経周期を安定化することもできるなど、現在社会の女性のライフスタイルにもよく合った避妊方法として浸透してきました。
現在日本国内ではアンジュ、トリキュラー、ラベルフィーユ、マーベロン、シンフェーズ、オーソ、ファボワールといった低用量ピルが婦人科などでの処方が可能です。
低用量ピルは大きくわけて「1相性タイプ」と「3相性タイプ」といったものがあります。
関連記事:1相性ピルと、3相性ピルの特徴とそれぞれのメリット・デメリット
今回は3相性ピルのひとつである「アンジュ(アンジュ21錠、アンジュ28錠 / ANGE 21、ANGE 28)」について、飲み方とよくある困った時の対応方法を解説していきます。
関連するほかの低用量ピルの情報
低用量ピル・アンジュ(アンジュ21錠/アンジュ28錠 )とは
低用量ピル・アンジュは避妊の効能効果をもった経口避妊剤で、正しく使うことでほぼ完全な避妊(※1)を実現することができるものです。
ただ、飲み忘れなどによる失敗率が9%(※2)ほどあるという報告もあり、飲み忘れの防止や避妊効果を下げる可能性のある薬や食べ物との併用に注意するなどのケアが大切になります。
特にアンジュは3相性ピルと呼ばれるタイプの低用量ピルで、女性本来の自然なホルモンバランスに近くなるように成分が3段階に変化するようになっています。
3相性ピルは、子宮内膜が安定するため不正出血が起こりにくいなどのメリットがある反面、毎日飲む順番を守る必要があるなど飲み間違いに注意が必要です。
飲みまり外を防ぐため、薬のシートには以下のように飲み始めの初日から毎日の飲む順番が記された数字が記載されています。
アンジュ21とアンジュ28の違い
アンジュには「21錠入り(アンジュ21)」のものと「28錠入り(アンジュ28)」のものがあります。
アンジュ21は、21日間連続で1シートを飲み終わったら「7日間薬を飲むのを休んでから」、次のシートの1日目から飲み始めるというサイクルで服用します。
この薬をのまない7日間(休薬期間:きゅうやくきかん)の間に、見かけの月経(消退月経)がやってきます。
アンジュ28は、アンジュ21とまったく同じ21錠の錠剤に、薬の成分の含まれていない偽薬(プラセボ錠)が7錠加わって、合計28錠になった薬です。
最後の7錠分には成分が入っていないので28日間飲み続けても7日間しっかりと休薬をしたことになり、アンジュ21と同様の効果が得られます。
アンジュ28は、28日間連続で1シートを飲み終わったらそのまま次のシートの1日目からまた飲み始めるというサイクルで服用します。そのため、休薬期間も含めて錠剤をずっと飲み続けることになるので飲み忘れを防止しやすくなります。
初心者の方や休薬期間の飲み忘れが心配な方にはアンジュ28がおすすめで、少しでも飲む錠剤を減らしたいという方にはアンジュ21がおすすめといえるでしょう。
アンジュの飲み方
アンジュ21とアンジュ28はいずれも28日間で1サイクルという使い方の薬ですが、最後の7日間(休薬期間)の飲み方が異なります。
アンジュ21と、アンジュ28それぞれの飲み方をチェックしていきましょう。
アンジュ21錠の飲み方・用法用量・服用方法
アンジュ21は赤褐色の錠剤6錠、白色の錠剤5錠、黄色の錠剤10錠からなる21錠タイプの薬です。赤褐色と白色と黄色の薬は、それぞれに含まれる有効成分の量が異なって(※3)います。
アンジュ21は「スタート」と書かれた「1」という数字の赤褐色の錠剤から飲み始めます。
毎日1錠ずつ番号順に飲み、赤褐色6日間→白色5日間→黄色10日間と連続で服用し、21日間で全て服用したら7日間薬を飲まない期間(休薬期間)を取ります。
7日間の休薬期間がすぎたら新しいシートの1日目(赤褐色)からまた21日間連続で飲み始め、このサイクルを2周目、3周目…と避妊が必要な期間分続けます。
アンジュ21を初めて飲み始める時は、生理の1日目(月経初日)に1錠目を飲み始めます。これにより初日から避妊の効果を得られます。
もし初めて飲む時に生理の1日目より開始が遅れてしまった場合は、飲み始めの最初の1週間はコンドームなど他の避妊法を併用する必要があります。
また、アンジュ21はなるべく毎日同じ時間に飲むことが大切です。毎日継続して飲みやすい時間帯に飲むようにしましょう。
なお、2シート目からは休薬期間の7日が開けたら休薬期間に生理(消退出血)が来なくても飲み始めます。
アンジュ21の飲み方カレンダーは以下のようになります。
アンジュ28錠の飲み方・用法用量・服用方法
アンジュ28はアンジュ21と同じ赤褐色の錠剤6錠、白色の錠剤5錠、黄色の錠剤10錠に加え、「赤色の偽薬(プラセボ錠)7錠」からなる28錠タイプの薬です。
アンジュ21と同じく赤褐色と白色と黄色の薬それぞれに含まれる有効成分の量が異なり、赤色の薬には有効成分が含まれていません。
アンジュ28は「スタート」と書かれた「1」という数字の赤褐色の錠剤から飲み始めます。
毎日1錠ずつ番号順に飲み、赤褐色6日間→白色5日間→黄色10日間→赤色7日間と連続で服用し、28日間で全て服用したらそのまま新しいシートの1日目(赤褐色)からまた28日間連続で飲み始め、このサイクルを2周目、3周目…と避妊が必要な期間分続けます。
つまり、アンジュ21と異なり、アンジュ28は薬を飲まない期間(休薬期間)を取らず、飲み続けるため飲み忘れを防止しやすくなります。
アンジュ28を初めて飲み始める時は、生理の1日目(月経初日)に1錠目を飲み始めます。これにより初日から避妊の効果を得られます。
もし初めて飲む時に生理の1日目より開始が遅れてしまった場合は、飲み始めの最初の1週間はコンドームなど他の避妊法を併用する必要があります。
また、アンジュ28も21と同様、なるべく毎日同じ時間に飲むことが大切です。毎日継続して飲みやすい時間帯に飲むようにしましょう。
なお、1シート目の28錠を飲みきったら偽薬期間に生理(消退出血)が来なくても2シート目を飲み始めて大丈夫です。
アンジュ28の飲み方カレンダーは以下のようになります。
アンジュと飲み合わせに注意が必要な食べ物・お薬
アンジュと飲み合わせに注意が必要な食べ物(サプリメント含む)や医薬品は以下のようなものが報告されています。
いずれも併用が禁止されているわけではなく、必ずしも一緒に使ってはいけないわけではないため、状況により一緒に処方される場合もあります。
アンジュの使用中にこれらの薬が必要となる場合は、担当の医師としっかり相談しながら対応方法を確認しましょう。
アンジュの効果や作用に影響が出るおそれのある飲み合わせ
1)テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン・アクロマイシン等)、ペニシリン系抗生物質(アンピシリン水和物・ビクシリン等)
病原菌(細菌)を殺すいわゆる抗生剤の一つです。アンジュとテトラサイクリン系やペニシリン系の抗生物質の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
これらの薬は腸内の環境に影響を与えることでアンジュの再吸収を抑えてしまい、アンジュの避妊効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
上記グループ以外の抗生物質もあるので、医療機関で抗生物質が処方される場合は念のためアンジュを服用していることを医師にも伝えておくと良いでしょう。
2)セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
セイヨウオトギリソウは薬ではありませんが、ダイエット関係のサプリメントや食品に含まれていることがあります。
セイヨウオトギリソウによりアンジュの代謝が進み、アンジュの避妊効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
3)リファンピシン(リファジン・アプテシン)
結核の治療に使われる薬の一つです。アンジュとリファンピシン(リファジン・アプテシン)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
リファンピシンによりアンジュの代謝が進み、アンジュの避妊効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
4)バルビツール酸系製剤(フェノバルビタール・フェノバール等)
てんかんの予防や、不安や緊張の治療に使われる薬の一つです。アンジュとバルビツール酸系製剤(フェノバルビタール・フェノバール等)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
バルビツール酸系の薬によりアンジュの代謝が進み、アンジュの避妊効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
不安や緊張の治療のお薬は他にも多数あるため、抗不安薬を使う場合は念のためアンジュを服用していることを医師にも伝えておくと良いでしょう。
5)ヒダントイン系製剤(フェニトインナトリウム・アレビアチン・ヒダントール等)
てんかんやけいれんの予防に使われる薬の一つです。アンジュとヒダントイン系製剤(フェニトインナトリウム・アレビアチン・ヒダントール等)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
ヒダントイン系のお薬によりアンジュの代謝が進み、アンジュの避妊効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
6)カルバマゼピン(テグレトール)
てんかんやけいれんの予防や、そううつ(躁鬱)の治療に使われる薬の一つです。アンジュとカルバマゼピン(テグレトール)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
カルバマゼピンによりアンジュの代謝が進み、アンジュの避妊効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
7)ボセンタン(トラクリア)
肺動脈性肺高血圧症の治療に使われる薬の一つです。アンジュとボセンタン(トラクリア)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
ボセンタンによりアンジュの代謝が進み、アンジュの避妊効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
8)モダフィニル(モディオダール)
眠気をとる薬で、ナルコプレシーや睡眠時無呼吸症候群の治療に使われる薬の一つです。アンジュとモダフィニル(モディオダール)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
モダフィニルによりアンジュの代謝が進み、アンジュの避妊効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
9)トピラマート(トピナ)
てんかんを予防する薬の一つです。アンジュとトピラマート(トピナ)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
トピラマートによりアンジュの代謝が進み、アンジュの避妊効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
10)HIVプロテアーゼ阻害剤〔ネルフィナビルメシル酸塩,リトナビル,ダルナビル,ホスアンプレナビル(リトナビル併用時),ロピナビル・リトナビル配合剤等〕、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(ネビラピン:ビラミューン)
HIVやエイズの治療に使われる薬の一つです。アンジュとHIVプロテアーゼ阻害剤、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
これらの薬はアンジュの避妊効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
11)HIVプロテアーゼ阻害剤(アタザナビル、インジナビル)、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エトラビリン)
HIVやエイズの治療に使われる薬の一つです。これらの薬はアンジュの血中濃度を高める可能性が報告されています。
12)フルコナゾール(ジフルカン)、ボリコナゾール(ブイフェンド)
真菌を殺す薬の一つです。アンジュとフルコナゾール(ジフルカン)やボリコナゾール(ブイフェンド)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
これらの薬はアンジュの血中濃度を高める可能性が報告されています。
13)テルビナフィン塩酸塩(ラミシール)
水虫やカンジダの治療に使われる薬の一つです。アンジュとテルビナフィン(ラミシール)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。月経異常の副作用があらわれたという報告があります。
飲み合わせ相手の作用に影響が出るおそれのある飲み合わせ
1)副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン・プレドニン・ステロイド等)
いわゆる「ステロイド」タイプの炎症をおさえる薬です。アンジュはステロイドの代謝を抑えると考えられており、ステロイドの作用が強まる可能性が報告されています。
2)三環系抗うつ剤(イミプラミン・トフラニール等)
うつ(鬱)の治療に使用される薬の一つです。アンジュとステロイドの飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
アンジュは三環系抗うつ剤の代謝を抑えると考えられており、三環系抗うつ剤の作用が強まる可能性が報告されています。うつの治療薬は三環系抗うつ剤以外の薬も多数あるため、アンジュの服用中は他の医薬品の使用を含めて相談が可能です。
3)セレギリン塩酸塩(エフピー)
パーキンソン病の治療に使用される薬の一つです。アンジュとセレギリン(エフピー)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
アンジュはセレギリンの代謝を抑えると考えられており、セレギリンの作用が強まる可能性が報告されています。パーキンソンの治療薬は三環系抗うつ剤以外の薬も多数あるため、アンジュの服用中は他の医薬品の使用を含めて相談が可能です。
4)シクロスポリン(サンディミュン・ネオーラル)
免疫抑制剤の一つです。アンジュとシクロスポリン(サンディミュンやネオーラル)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
アンジュはシクロスポリンの代謝を抑えると考えられており、シクロスポリンの作用が強まる可能性が報告されています。
5)オメプラゾール(オメプラール・オメプラゾン)
胃酸を抑える薬の一つです。アンジュとオメプラゾール(オメプラールやオメプラゾン)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
アンジュはオメプラゾールの代謝を抑えると考えられており、オメプラゾールの作用が強まる可能性が報告されています。
6)テオフィリン(テオドール・テオロング・スロービッド・ユニフィル・アプネカット)
気管支を広げて呼吸を楽にする薬の一つで、喘息や気管支炎の治療に使われます。アンジュとテオフィリン(テオドール・テオロング・スロービッド・ユニフィル・アプネカット)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
アンジュはテオフィリンの代謝酵素を阻害すると考えられており、テオフィリンの血中濃度が上がる可能性が報告されています。
7)チザニジン塩酸塩(テルネリン)
筋肉の緊張をほぐす薬の一つです。アンジュとチザニジン(テルネリン)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
アンジュはチザニジンの代謝酵素を阻害すると考えられており、チザニジンの血中濃度が上がる可能性が報告されています。
8)Gn-RH誘導体(ブセレリン酢酸塩・スプレキュア等)
子宮内膜症や支給禁止の治療に使われる薬の一つです。アンジュはGn-RH誘導体の効果を弱めてしまう可能性が報告されています。
9)血糖降下剤(インスリン製剤,スルフォニル尿素系製剤,スルフォンアミド系製剤,ビグアナイド系製剤等)
糖尿病の治療に使われる薬の一つで、血糖値を下げる薬です。アンジュと血糖値を下げるお薬(血糖降下剤)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
アンジュは血糖降下剤の効果を弱めてしまう可能性が報告されており、アンジュ服用中は特に血糖値の状態をしっかり観察しながら血糖降下剤の用量を調整するなどの注意が必要とされています。
10)ラモトリギン(ラミクタール)
てんかんを予防する薬の一つです。アンジュとラモトリギン(ラミクタール)の飲み合わせや併用には注意が必要とされています。
アンジュはラモトリギンの血中濃度を下げる可能性が報告されています。
11)モルヒネ
激しい痛みがあるときの痛み止めに使う薬の一つです。アンジュはモルヒネの血中濃度を下げる可能性が報告されています。
12)サリチル酸
皮膚の角質をやわらかくする薬の一つです。アンジュはサリチル酸の血中濃度を下げる可能性が報告されています。
13)テラプレビル(テラビック)
C型慢性肝炎の治療に使われる薬の一つです。アンジュはテラプレビルの効果を下げる可能性が報告されています。
14)アセトアミノフェン(カロナールなど)
解熱鎮痛剤のひとつです。アセトアミノフェンはアンジュの血中濃度を高める可能性が報告されているほか、アンジュによりアセトアミノフェンの血中濃度が低下する可能性が報告されています。
アンジュの副作用として報告されているもの
アンジュの主な副作用として、不正子宮出血、乳房痛、乳房障害、頭痛、悪心(気持ち悪さ)、吐き気、嘔吐などの胃腸の症状が挙げられます。
約10%〜15%の方がなんらかの副作用を挙げており(※4)、特にはじめてアンジュを服用した際は気持ち悪さなどの副作用が出やすいと言われています。
多くの方ではアンジュを2シート、3シートと使う中で体が慣れ副作用がなくなっていきますが、副作用が強かったりなかなか体に合わないようなときはアンジュを処方してもらった医療機関に相談し、ほかの低用量ピルへの変更などを含めて相談するようにしましょう。
アンジュと血栓症(けっせんしょう)について
アンジュの重大な副作用に血栓症(けっせんしょう)が報告されています。血栓症は文字通り血管内に栓ができてしまい血流が低下したり血管がつまる恐れのある病気です。
アンジュの副作用による血栓症の発生頻度は0.1%未満となっており、血栓症が起こる可能性はかなり低いですが、手足(下肢)に急激なしびれや痛みやむくみ、息切れ、胸の痛み、激しい頭痛、手足に力が入らなかったりマヒしたり、視力が悪くなったりといった、血栓症が疑われる症状があらわれた場合には直ちにアンジュを中止して医療機関で診断を受けるようにしてください。
よくあるアンジュのQ&A
アンジュの飲み忘れはどう対応したらいいの?
飲み忘れに12時間以内に気づいた場合は、気づいたときに飲み忘れた分の錠剤をすぐ服用します。次の錠剤はいつもと同じ時間に服用しましょう。
どの週の飲み忘れでも、12時間以内なら避妊効果は落ちないので、今後は気をつけて同じ時間に飲み続けていただければ大丈夫です。
飲み忘れから12時間を超え24時間以内に気づいた場合は、気づいたときに飲み忘れた錠剤をすぐに服用します。次の錠剤もいつもと同じ時間に1錠服用します。
基本的にはそのまま続けていただければ妊娠の可能性はほとんどなく避妊効果を期待できますが、できれば念のため2週間ほどコンドームなどの他の避妊法を併用すると安心です。
24時間以上飲み忘れた時や飛ばし飲みをしてしまった場合は避妊効果を期待できなくなるので、いったんピルの併用を止め次の月経(生理)を待ちましょう。
次の月経の初日から新しいシートの1錠目を服用していただければ避妊効果が戻ってきます。
アンジュの避妊効果はいつからあるの?
初めてアンジュを飲み始める場合や、休んでいたアンジュを再開する場合は、月経初日(生理日初日)に新しいシートの1錠目から飲み始めてください。月経初日からシートの1錠目を服用できた場合は初日から避妊効果を期待できます。
もし初日に1錠目が飲めなかった場合は、アンジュの服用7日目から避妊効果を期待できます。
アンジュの休薬期間(偽薬・プラセボ錠の期間)に生理が来ないけど続けていいの?生理は何日目に来るの?
休薬期間、偽薬・プラセボ期間に消退出血という出血が発生しますが、アンジュを服用し始めたばかりの頃はこの消退出血の量が少なかったりして出血がないという方もいます。
この場合も休薬期間、偽薬・プラセボ期間が終わったら続けて新しいシートを飲み始めて大丈夫です。
アンジュの副作用の頭痛や吐き気は治るの?
多くの方ではアンジュを2シート、3シートと使う中で体が慣れて、頭痛や吐き気といった副作用はなくなっていきます。
万が一副作用が強かったりなかなか体に合わないようなときは、アンジュを処方してもらった医療機関に相談し、ほかの低用量ピルへの変更などを含めて相談するようにしましょう。
アンジュでモーニングアフターピル(緊急避妊)はできるの?
アンジュを使う場合は黄色4錠で行うことが多いです。ただ、アンジュは緊急避妊用に作られた薬ではないので自己判断で行わず至急婦人科にご相談ください。
関連記事:イザというときのために知っておきたい緊急避妊(モーニングアフターピル)
アンジュ服用中の定期的な検診ってどうすればいいの?
18歳以上の方は定期的に「乳がん」「子宮頸ガン検診」を受けましょう。また、ピルを長期間使われている方は念のため定期的(3〜6ヶ月に一度程度)に血液検査や血栓症の問題がないかの検診をしておくと良いでしょう。
これらの検診は、ほとんどの婦人科・レディースクリニックで行うことができるので、ピルを処方してもらっている医療期間にそのまま相談するのが良いでしょう。
アンジュの個人輸入について
アンジュを個人輸入で購入した場合は、「服用方法」「飲み忘れ等の対処」「検査の手配」「ピルの確保」などの「全てが自己責任」になります。個人輸入サイトにも注意喚起されています。
病院で処方してもらった医薬品で重大な副作用が起きた時は医薬品副作用被害救済制度などで補償されることがありますが、個人輸入の医薬品などは補償の対象外になります。
基本的に、個人輸入ではなく国内の医療機関で正当なピルを使っていただくことをお勧めします。いざという時に相談できる医療機関を知っていることはアンジュを使う上で大切になってきます。
脚注・注釈
※1 アンジュの臨床成績(第三層臨床試験:676例・1年間の避妊失敗率)として、理想的な使用をすると妊娠率は0.3%で、99.7%が避妊に成功することが報告されている。
※2 アンジュの臨床成績(第三層臨床試験:676例・1年間の避妊失敗率)として、一般的な使用状況下では飲み忘れなどが発生し、年間の妊娠率が9%となり、年間通じての避妊成功率が91%となることが報告されており、理想的な使用の重要さが示唆されている。
※3 アンジュの錠剤1錠あたりに含まれる有効成分(レボノルゲストレルとエチニルエストラジオール)は以下のとおりカラーごとに異なる。
1錠あたりのレボノルゲストレル含有量
・赤褐色:0.050mg
・白色:0.075mg
・黄色:0.125mg
1錠あたりのエチニルエストラジオール含有量
・赤褐色:0.030mg
・白色:0.040mg
・黄色:0.030mg
※4 アンジュの承認時の副作用発現率は、29.42%(主な症状は消化器症状17.54%、子宮・乳房系症状7.83%、頭痛7.83%等)。
再審査終了時の副作用発現率は、12.18%(主な副作用は不正子宮出血4.15%、乳房痛1.24%等の生殖系及び乳房障害5.49%、悪心2.91%、嘔吐1.02%等の胃腸障害3.55%等)となっており、アンジュの承認時の臨床試験及び市販後の使用成績調査4,713例中693例(14.70%)に副作用が認められている。