ソルデムとは

ソルデムは体の水分や体液を調節する点滴剤です。

ソルデムのように水分(生理食塩水)や電解質、ブドウ糖などが含まれている点滴剤を電解質輸液といい、ソルデムはその濃度が血液よりも低く設定されているので「低張電解質輸液」に分類されています。

ソルデムにはソルデム1輸液、ソルデム2輸液、ソルデム3輸液、ソルデム3A輸液、ソルデム3AG輸液、ソルデム3PG輸液、ソルデム6輸液があり、原因や疾患など目的に合わせて使い分けています。

電解質輸液の種類

薬剤を構成する生理食塩水の割合や電解質・ブドウ糖の含有量などによって開始液、脱水補給液、維持液、術後回復液に分類されます。それぞれの特徴や適応は次のとおりです。

●開始液:ソルデム1輸液……症状の原因や疾患が分からない場合にまず使用します。

●脱水補給液:ソルデム2輸液……体内の電解質バランスが崩れている低張性脱水に使用します。

●維持液:ソルデム3輸液など……体内の水分が不足している高張性脱水(いわゆる脱水症状)に使用します。

●術後回復液:ソルデム6輸液……手術後の尿量が少ないときや高カリウム血症、腎障害の方にも使用できます。

ソルデムの効能・効果

熱中症による脱水状態、食中毒の下痢や出血による脱水・失血状態、手術などによる失血状態などにおける体内の水分不足、電解質バランスの調節などに効果があります。

成人では体重の55~60%が水分でできていますが、人体は水分のほかに細胞の機能を発揮・維持するためにカリウムやナトリウムなどの電解質を必要とします。体内の水分や電解質が不足したりバランスが崩れると人体は正常な活動ができなくなり、吐き気や嘔吐、めまいなどの症状があらわれます。ソルデムはこのような症状が現れている方で、口からの水分摂取が難しいケースなどでの水分や電解質の補給に使用されます。

ソルデムの効果の違いは次のとおりです。

ソルデム1輸液(開始液)

脱水症状や症状の原因が分からない場合の水分・電解質の初期補給、手術前後の水分・電解質の補給に効果があります。

カリウムを含まないので、血中のカリウム濃度が高い人にも使用できます。

ソルデム2輸液(脱中見出し水補給液)

カリウムなどの電解質をソルデム1輸液​より総合的に多く含んでいるので、電解質のバランスが崩れているケースの脱水症状や水分・電解質補給に効果があります。

ソルデム3輸液・3A輸液(維持液)

水分・電解質のバランス維持に効果があり、500mLバッグ4つで1日に必要な水分・電解質を補給できます。障害や意識がないなど口からの水分補給が難しい人に使用されます。

ソルデム3AG輸液(維持液)

ソルデム3輸液・3A輸液よりもブドウ糖を多く配合しています。水分・電解質の補給・維持のほか、ブドウ糖によるエネルギーの補給効果もあります。

ソルデム3PG輸液(維持液)

ソルデム3AG輸液よりも、さらに多くブドウ糖を配合しています。また、マグネシウムを含まないため、腎疾患による腎機能障害やマグネシウムを使用中の人にも使用できます。

ソルデム3AG輸液と同様、水分・電解質の補給・維持、エネルギー補給に効果があります。

ソルデム6輸液(術後回復液)

手術後の水分・電解質の補給に効果があります。

手術後は出血などにより体内で循環する血液の量が減っているため、輸液で補う必要があります。輸液を使用する目安として、尿量が1時間中に体重1kgにつき0.5mL(例:体重50kgでは1時間あたり25mL)以上になるまでは輸液を使用します。

また、カリウムを含まず、ナトリウムの量も少なくなっているため、高カリウム血症や腎障害のある人にも使用できます。

ソルデムを使えない人

ソルデム1輸液

乳酸血症の方は症状が悪化する可能性があるため使用できません。

ソルデム2輸液・3輸液・3A輸液 ・3AG輸液 

乳酸血症の方、高カリウム血症の方は症状が悪化する可能性があるため使用できません。また、乏尿、アジソン病、重症熱傷、高窒素血症のある方は、高カリウム血症を引き起こしてしまう可能性があるため、使用できません。

ソルデム3GP輸液

乳酸血症の方、高カリウム血症の方は症状が悪化する可能性があるため使用できません。

乏尿、アジソン病、重症熱傷、高窒素血症のある方は、高カリウム血症を引き起こしてしまう可能性があるため、使用できません。

また、高リン血症、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症のある方は、高リン血症や低カルシウム血症が悪化したり、引き起こしたりする可能性があるため使用できません。

ソルデム6輸液

麻酔を使用した方の手術後などで、意識が戻るまでの水分補給に使用されるケースが多い薬です。カリウムを含んでいないので、手術後に腎機能の低下がみられる方や高齢者、6歳未満の子ども(新生児・乳幼児)などに適していますが、基本的にはどなたでも使用できます。

ソルデムの副作用

ソルデムに副作用はほとんどありませんが、まれに次のような副作用が起こることがあります。

【大量または急速な点滴を行った場合】

脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫といった障害が起こるおそれがあります。

【ソルデム3PG】

血管痛や血栓静脈炎などの障害が起こるおそれがあります。

【ソルデム2】

1歳未満の子どもに対して1時間に100mL以上使用した場合、高カリウム血症を起こすおそれがあります。

製品名 起こりうる副作用
ソルデム1 脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫
ソルデム2 脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、アルカローシス、高カリウム血症、高カリウム血症(1歳未満)
ソルデム3・3A・3AG 脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、水中毒、高カリウム血症
ソルデム3PG 血管痛、血栓静脈炎、脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、水中毒、高カリウム血症
ソルデム6 脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、水中毒

ソルデムのカロリーとアシドーシス

ソルデムにもブドウ糖が含まれているため多少のカロリーを含んでいますが、血液の酸性度が高くなるアシドーシスを引き起こすほどのカロリーではありません。

アシドーシスは、輸液の中でも「高カロリー輸液」に分類される点滴の使用時に起こるおそれがある重篤な副作用の一つです。アシドーシスは重症感染症、腎不全などの合併症を起こし全身状態が悪化するリスクがありますが、ソルデムの使用でアシドーシスのリスクは低いでしょう。

製品名 200mL 500mL 1000mL
ソルデム1 20.8kcal 52kcal
ソルデム2 11.6kcal 29kcal
ソルデム3 21.6kcal 54kcal
ソルデム3A 34.4kcal 86kcal 172kcal
ソルデム3AG 60kcal 150kcal
ソルデム3PG 80kcal 200kcal
ソルデム6 32kcal 80kcal

おわりに

ソルデムはさまざまな場面で使われる機会の多い点滴剤です。ブドウ糖を含んでいるので多少のカロリーはありますが、体重の増加につながるほどではありません。過度に気にせず病気の治療に専念してください。