タルクとは

タルクとは鉱物であり、鉱石を粉砕し粉末状にすることで、滑らかさ、油脂感などの特性を現すものです。

硬度が低く最も軟らかい鉱物で、耐熱性に優れており化学的にも安定しているため医薬品、化粧品、プラスチック、製紙、塗料などまで広く使用されています。

タルクの用途

タルクは加工され、さまざまな用途で使われています。

薬に使われるタルク

医薬品としては、においや味もない特徴を生かし、錠剤や粉剤などの固形製剤に、賦形剤(ふけいざい:かさや質量、固形製剤の形を保ち、薬を扱いやすくするための添加剤)や、滑沢剤(かったくざい:流動性を高くし滑りを良くして付着を防ぎ、薬の表面に光沢を与える添加剤)として、乳糖やデンプンなどと同じように製剤目的に使われています。患部に直接散布して使うこともあります。

注射剤としては、悪性胸水の再貯留抑制を目的に、粒子の大きさを調整した滅菌調整タルクが使用されることもあります。

またタルクは、膀胱や尿路の疾患において消炎作用、利尿作用などから応用されて漢方薬に使われることもあります。

化粧品・食品・工業製品などに使われるタルク

タルクは滑らかでサラサラな性質などから化粧品にも使われており、ボディーパウダー、ファンデーション、アイシャドウ、口紅などの表面処理として使われ、成分に含まれていることがあります。

食品にもガムベースや、くっつき防止など賦形剤・滑沢剤の目的で使用されることがあります。食品添加物として使用されることもありますが、食品添加物として使用する場合は、使用基準を守って使用することとなっています。

そのほかにも、製紙、塗料、プラスチック、セラミックス、ゴム、電子部品や、農業においての肥料の団結防止剤などにも使われています。

タルクの安全性

人体に有害なアスベストを含んだタルクが数十年前にベビーパウダーに使われていたことがあり、タルクもアスベストと同じく体に害がある物質として勘違いされがちです。ただし現在では、市販されているベビーパウダーなどにアスベストが使われていることはありません。

タルクとアスベストは成分が似ている鉱物ですが厳密には違います。タルクの成分は、マグネシウムとシリコンが、酸素と水酸基と結びついてできた含水ケイ酸マグネシウムというものです。タルク原石は世界各地にあり、産地によって色や形状、純度の高さなどが異なります。

タルクに発がん性はある?

WHOの組織である国際がん研究機関(IARC)では、アスベスト様繊維を含むタルクはタバコの喫煙などと同じく人に対する発がん性が認められています。しかし、タルクの物質そのものは、人に対する発がん性については分類できないものとしており、タルクが発がん物質である証明は不十分としています。

厚生労働省の化学物質のリスク検討会においても、タルクの有害性は比較的低いとしています。しかし、タルクが溶けないようなものであれば、一般的な粉じんと同じように、目や肺に入った場合は刺激や影響があるとしています。

目に入った場合は刺激痛があるので、水で速やかに洗い流してください。目の痛みや赤みがとれないときは医師の診断を受けましょう。

タルクを飲み込んだ場合は特に悪影響はありませんが、大量のタルクの粉じんを吸入した場合や、気分が悪くなったときは医師の診断を受けましょう。

アスベストとは

アスベスト(石綿)は、「せきめん」「いしわた」とも呼ばれ、天然の繊維状ケイ酸塩鉱物です。アスベストは、熱、摩擦、酸やアルカリにも強く丈夫であり、安定して変化しにくいという特性を持っていることから、さまざまな工業製品に使用されてきた物質です。

アスベストは、人の髪の毛の直径や花粉より小さいサイズであり、とても細い繊維のため肉眼で見ることはできません。飛散しやすい上に、飛散すると空気中に浮遊し、人に吸入されやすくなります。

アスベストの発がん性は?

アスベストの種類によって発がん性は異なりますが、物質として安定しているアスベストは吸い込むと体内から排除されにくいです。肺内に長く滞留することで炎症が起きます。肺の組織が長期間傷つけられることで、肺線維症、悪性中皮腫、肺がんなどを起こすおそれがあります。

アスベストの潜伏期間はとても長く、アスベストが体内に入ってから30~40年経過後に、悪性中皮腫や肺がんなどが起こることもあります。

アスベストは現在使用禁止

アスベストは現在、原則として製造や使用などが禁止されています。アスベストは存在することが問題なのではなく、飛び散ったり吸い込むことが大きな問題なのであり、現在は法律などで飛散防止や予防策などが決められています。

タルクを含む化粧品

ベビーパウダーにアスベストが現在でも含まれていると勘違いしている方も多く、タルクを成分として含んでいる製品を避けがちな方も多いようです。

タルクを意識して「タルクフリー」と表明している化粧品なども現在では多く販売されています。しかし、タルクにはっきりとした有毒性は認められていません。特別な害があると認められているのであれば、成分として使うことはアスベストと同様に禁止されているはずだからです。

タルクを含んでいるファンデーションなどの化粧品、ベビーパウダーなどは大手メーカーから販売されています。

ジョンソン ベビーパウダーシェーカータイプ

タルクを成分として含み、肌を清潔に保ちさらっと手軽に使えます。あせもを防ぎ、赤ちゃんの肌にもやさしいベビーパウダーとして使われています。

おわりに

タルクは現在医薬品だけでなく、食品の添加物や化粧品などの日用品にも成分として広く使われています。タルクについて間違った情報を持っている方が多いのが現状です。正しい知識を得ることで、健全な日常生活をおくる参考にしてみてください。