ピタバスタチンとは

ピタバスタチンは成分の名前であり、正式にはピタバスタチンCa(カルシウム)といいます。

ピタバスタチンCaは、高コレステロール血症の薬であるリバロのジェネリック医薬品の製品名でもあります。ピタバスタチンCaの種類には、普通錠(1mg、2mg、4mg)と口の中で溶けるタイプのOD錠(1mg、2mg、4mg)があります。

ピタバスタチンは、次の疾患を持つ方に対して処方されます。

・高コレステロール血症
・家族性高コレステロール血症

高コレステロール血症とは、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値が高すぎる状態のことで、主に食事中の飽和脂肪酸のとり過ぎによって引き起こされる疾患です。

家族性高コレステロール血症とは、遺伝的な要因により、生まれつき血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値に異常がみられる疾患です。

ピタバスタチンの効果

ピタバスタチンカルシウムは、主に肝臓に作用し、体内のコレステロールを合成する酵素であるHMG-CoA還元酵素の働きを抑えます。

このコレステロールの合成を抑える作用により、肝臓に含まれるコレステロールの量が低下するため、肝臓が血液中からLDLコレステロールを取り込むようになります。その結果、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を下げる効果が得られます。

動脈硬化の予防効果は?

動脈硬化は、加齢による老化で動脈の血管が硬くなったり、動脈の内側にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)などが沈着することにより血管が詰まりやすくなった状態のことを指します。発症の原因は、喫煙・高コレステロール・高血圧・肥満・運動不足などによるものです。

動脈硬化により、心臓に負担がかかることで引き起こされる疾患には、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などがあります。症状の進行によっては、血管が破裂して脳出血などの命に関わる重大な疾患を引き起こすおそれもあります。

ピタバスタチンは、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、中性脂肪のバランスを改善して、高コレステロール血症による狭心症や心筋梗塞、脳梗塞のリスクを低下させます。

ピタバスタチンで痩せるって本当?

ピタバスタチンは、肝臓への作用から血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を大幅に下げる効果があります。しかし、その点のみに注目したダイエット目的での使用は大変危険です。

ピタバスタチンは、高コレステロール血症、家族性コレステロール血症の疾患に対してのみ処方される薬です。適切な症状に使用しないと、副作用のリスクが非常に大きくなることが考えられます。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を下げるには、適度な食事と運動、生活習慣の乱れを改善することが最も効果的です。

ピタバスタチンの安易なダイエットへの使用は避けてください。

ピタバスタチンの副作用

ピタバスタチンの主な副作用として、発疹、かゆみ、吐き気、胃の不快感、頭痛、しびれ、貧血、倦怠感などがあります。

また、採血などの臨床検査で報告された副作用として、γ-GTP、ALT(GPT)、AST(GOT)の上昇、CK(CPK)の上昇、テストステロンの低下といった肝臓、筋肉、ホルモンに関連する数値に影響を及ぼすことが示されています。

重大な副作用

発生の頻度は非常にまれですが、以下の疾患が重大な副作用として報告されています。

・横紋筋融解症:脱力感、筋肉痛、手足のしびれ・こわばり、赤褐色の尿
・ミオパチー:筋肉痛、筋力の低下、筋肉のこわばり
・免疫介在性壊死性ミオパチー:脱力感、筋肉痛、手足のしびれ・こわばり、筋力の低下
・肝機能障害:吐き気、嘔吐、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる、尿の色が濃くなる、かゆみ、全身の倦怠感
・黄疸(おうだん):皮膚や白目が黄色くなる、褐色の尿
・血小板減少:貧血、紫斑、歯ぐきの出血、鼻血、皮下出血
・間質性肺炎:発熱、せき、息苦しさ、呼吸困難、胸部X線異常

副作用と思われる自覚症状が現れた場合には、すみやかに担当の医師・薬剤師に相談してください。

横紋筋融解症について

ピタバスタチン使用の際に注意しなければいけない重大な副作用のひとつとして、横紋筋融解症があります。

横紋筋融解症は、筋肉の細胞が融解、壊死することにより、筋肉痛や脱力などが起きる疾患です。主にピタバスタチンをはじめとする高脂血症薬、ニューキノロン系の抗生物質などを使用した際に引き起こされます。

横紋筋融解症により、急性腎不全、呼吸困難、多臓器不全など命に関わる重大な疾患を併発するおそれがあります。

ピタバスタチン使用後に、筋肉痛、手足に力が入らない、尿の色が濃い(赤褐色になる)などの症状が現れた場合には、気づいた段階ですみやかに担当の医師・薬剤師に相談してください。

ピタバスタチンの用法・用量

錠剤・OD錠ともに、通常15歳以上の成人には、ピタバスタチンカルシウムとして1~2mgを1日1回で使用します。なお、年齢や症状によって量を調整して使用しますが、LDLコレステロール値の低下が不十分な場合には、最大で1日4mgまで増量できます。

肝障害のある方の場合は、ピタバスタチンカルシウムとして1日1mgから使用を開始し、最大で1日2mgまで増量できます。

OD錠は水なしで使用することができます。ただし、ピタバスタチンカルシウムは口の粘膜からの吸収では効果が得られないため、溶けた後は唾液か水でしっかりと飲み込んでください。

ピタバスタチンの使用上の注意

ピタバスタチンを使用できない方

過去にピタバスタチンやその製剤の成分に対して、過敏症を起こしたことのある方は使用することができません。

また、肝臓に重篤な障害のある方、胆道閉塞のある方、シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)を使用している方は、副作用が発生する確率が高くなるため、ピタバスタチンを使用することはできません。

ピタバスタチンの使用に注意が必要な方

以下に該当する方は、医師・薬剤師の指示に従って慎重に使用してください。いずれも、重大な副作用である横紋筋融解症があらわれやすいとの報告があります。

・肝障害のある方、または過去にそうであった方
・アルコール中毒の方
・腎障害のある方、または過去にそうであった方
・フィブラート系薬剤(ベザフィブラートなど)、ニコチン酸を使用中の方
・甲状腺機能低下症の方
・筋ジストロフィーなど遺伝性の筋疾患のある方、または血縁者が過去にそうであった、あるいは現在かかっている場合
・薬が原因の筋障害になったことがある方

高齢者の方の使用は?

高齢者(65歳以上の方)は、一般に生理機能が低下しているため、副作用と思われる症状が現れた場合には、すみやかに担当の医師・薬剤師に相談してください。

妊娠中・授乳中は使用できる?

妊婦の方、または妊娠している可能性のある方、授乳中の方は使用できません。

ピタバスタチンと他の薬との飲み合わせ

腎機能に異常のみられる方で、フィブラート系の薬剤(ベザフィブラートなど)を使用している場合、原則としてピタバスタチンは使用できませんが、医師の判断で使用されるケースがあります。

腎機能に異常があるかないかに関わらず、ピタバスタチンとフィブラート系の薬剤との併用は、横紋筋融解症が現れやすくなるので注意が必要です。

また、抗生物質であるエリスロマイシンを使用している方も同様に横紋筋融解症が現れるおそれがあるため、ピタバスタチンと併用する際には注意が必要となります。筋肉痛や脱力感などの自覚症状が現れた場合は、すみやかに担当の医師に相談してください。

ほかにも飲み合わせに注意が必要な薬があります。ピタバスタチンを使用している場合は、医療機関を受診した際に必ず医師に申告しましょう。

ピタバスタチンの薬価は?

ピタバスタチンCa(カルシウム)は、先発品であるリバロに対する後発品(ジェネリック医薬品)であり、サワイやトーワ、ファイザーなど多くの製薬メーカーから販売されています。

価格はメーカーにより異なりますが、普通錠とOD錠は同メーカーであれば価格は同じです。

先発品リバロと、ピタバスタチンCaの価格の違いは以下のとおりです。(価格は1錠あたりの値段です。)

  1mg 2mg 4mg
ピタバスタチンCa(カルシウム)錠・OD錠 24.4円〜32.0円 46.3円〜59.5円 90.9円〜110.60円
リバロ錠・OD錠 58.7円 111.1円 207.6円

※薬の価格は2017年8月現在のものです。

ジェネリック医薬品が安価なのはなぜ?

先発品と後発品(ジェネリック医薬品)の大きな違いは、開発にかかっている金額です。ジェネリックは質が良くないから安いのではなく、先発品と比べて多額の研究開発費がかからないため、安価で購入することが可能となっています。

先発品とジェネリックは、有効成分の量と効能・効果が同じであり、安いから効きが悪いという心配はありません。

しかし実際には、ジェネリックに変えたら薬の効きが悪くなったというケースはあります。これは、含まれている添加物の違いにより吸収に若干の影響を与えてしまうからではないかと考えられています。

先発品からジェネリックに変更して違和感を感じた場合は、医師に相談して先発品に戻すことも考えてみましょう。

おわりに

ピタバスタチンは、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を大幅に下げる作用を持ち、高コレステロール血症にともなう動脈硬化の発症を予防します。

適切な症状に使用すれば十分な効果が期待できる薬ですが、併用薬や用法用量を誤ると、横紋筋融解症などの重大な副作用を引き起こすおそれがあります。

医師や薬剤師の指示に従って、必ず用法用量を守り使用しましょう。薬の使用後に副作用と思われる異常が現れた場合には、ただちに担当の医師・薬剤師に相談してください。