フォルテオとは?
フォルテオとは2010年に販売開始された骨粗しょう症(こつそしょうしょう)治療剤です。
フォルテオは、医薬品を使用するために医師の処方箋を必要とする処方箋医薬品(処方薬)で、自分で皮下に注射する注射剤の「フォルテオ皮下注キット600μg」があります。
フォルテオには骨の形成を促進する作用がある、ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)の「テリパラチド(遺伝子組み換え)」という成分が含まれています。
フォルテオの効果
フォルテオは、骨折の危険性の高い骨粗しょう症の治療に効果を発揮します。
骨密度が低かったり、今までに骨折したことがあったりして、骨折の危険性が高い患者を対象として使用されます。
フォルテオに含まれる成分のテリパラチドは骨形成を促進する効果や、骨密度の増加、骨の微細構造を再構築するなどの骨折抑制効果を発揮します。
フォルテオの副作用
フォルテオの副作用は血中尿酸上昇、嘔吐、腹部不快感、頭痛などがあげられます。
また、発生頻度はまれですが重大な副作用として意識消失、呼吸困難や血圧低下、発疹等のショック、アナフィラキシーが起こる可能性があります。
その他にも報告されている副作用はあるため、フォルテオを使用していていつもとは違う症状があらわれた場合は医師に相談してください。
フォルテオの使用上の注意
フォルテオは一般的に、成人であれば1日1回20μgを皮下に注射しますが、年齢や症状によって医師が判断し用法・用量を調整します。
フォルテオ皮下注キットを処方された際には、キットの使い方や説明を医師、薬剤師から必ず聞いてから使用してください。
フォルテオ皮下注キットの使い方
フォルテオはフォルテオ皮下注キットとして医師から処方されます。フォルテオ皮下注キットを使用するときの注意事項や説明を必ず医師や薬剤師から聞き、取扱説明書もよく読んでください。
ここでは、フォルテオ皮下注キットを使用する際のおもな手順を紹介します。
1.キャップの取り外し
カートリッジ部分にはまっている白いキャップを外します。キャップは回さずにまっすぐ引っ張ってください。キットの後ろについている黒い注入部分には触れないように注意してください。
カートリッジ先端のゴム栓をアルコール綿で拭いてください。
2.注射針の取り付け
新しい注射針の保護シールを外し、針ケースごとカートリッジにまっすぐ付け時計方向に回し針がしっかりと付いたことを確認します。
針ケースを引っ張って外してください。(ケースは捨てないでください)
針キャップは外して、捨ててください。
3.注入ボタンを引っ張る
(※新しいフォルテオ皮下注キットを使うときのみ)
黒い注入ボタンを止まるところまで引っ張ってください。その際、赤い線が見えていることを確認してください。
4.空打ちで確認
(※新しいフォルテオ皮下注キットを使うときのみ)
新しいフォルテオ皮下注キットを使用する際には、空打ちが必要です。
注射針を上に向け、カートリッジ部分軽く指で弾き、薬液に含まれる気泡をカートリッジの上に集めてください。
その後、注射針を上に向けたまま黒い注入ボタンが止まるまでゆっくりと押し続け、注射針の先から薬液が流れ出ることを確認してください。流れ出れば正常に使用できます。
5.実際に注射
空打ちの確認後に、実際に注射をする場合は3の動作を行い、注射する場所(お腹、ふとももなど)を消毒し医師の指示通りに注射針を皮膚にさしてください。
6.注射時の注意
黒の注入ボタンをまっすぐ、ゆっくり止まるまで押してください。
黒の注入ボタンを押したまま5秒以上待ちます。5秒以上経ったら黒の注入ボタンを押さえたまま注射針を皮膚から抜いてください。
注射終了後の保管
注射終了後には、黒の注入ボタンが完全に押し込まれていることを確認してください。(黄色い部分が完全に隠れている状態にしてください)
注射後は、手順2にて取り外した針ケースを再度、針部分に取り付け反時計回りに3〜5回ほど回し注射針を取り外してください。
取り外した注射針は医師の指示に従って破棄し、カートリッジに部分に白いキャップを取り付け冷蔵庫に保管してください。
フォルテオの注射部位|皮下注射とは?
フォルテオの使用方法に「皮下注射(ひかちゅうしゃ)」とあります。
この皮下注射とは、皮膚と筋肉の間にある皮下組織に行う注射です。主に太ももや腹部などが注射部位になります。
注射は同じ部分にばかり行わず、その都度医師の指示した注射部位に変えていきます。皮下注射を行う際は必ず医師の指示を守ってください。
おわりに
骨粗しょう症の治療に効果的なフォルテオですが、使用方法に注意する点が多く、また自分自身で注射を行う場合があります。
医師や薬剤師の説明と注射キットの説明書をしっかり把握した上で正しい手順でフォルテオを使用してください。