エペリゾン塩酸塩錠の効果は?
エペリゾン塩酸塩錠は、肩こりや腰痛などへの効果が期待される筋緊張改善剤です。
エペリゾン塩酸塩を有効成分とする先発医薬品はミオナールです。ミオナールのジェネリック医薬品は成分名のエペリゾン塩酸塩という名前でさまざまなメーカーから販売されています。
エペリゾン塩酸塩錠の効能・効果は以下の通りです。
・下記疾患における筋緊張状態の改善
腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎
・下記疾患による痙性麻痺
脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、術後後遺症(脳・脊髄腫瘍を含む)、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、筋萎縮性側索硬化症、脳性小児麻痺、脊髄小脳変性症、脊髄血管障害、スモン(SMON)、その他の脳脊髄疾患
主に筋肉の緊張をほぐし、血管を拡張して血流を良くする作用があります。肩こりや首まわりの痛み、頭痛、腰痛、手足のつっぱりやこわばりなど筋肉の緊張による症状を改善します。
また脳や脊髄に関する障害から引き起こされる、痙性(けいせい)麻痺と呼ばれる筋肉がつっぱったまま動かない状態にも用いられます。
エペリゾン塩酸塩錠の用法・用量
エペリゾン塩酸塩錠は、通常、成人は1日3錠を3回に分けて食後に服用します。
年齢や症状の度合いにより医師が量を調整します。
妊娠中の方、また15歳未満の子どもに対する安全性は確立されていません。医師により、使用した方が良いと判断された場合にのみ処方されます。
また授乳中の方は、エペリゾン塩酸塩錠の使用はできません。やむを得ず使用するときには授乳を中止してください。
使用上の注意
◎エペリゾン塩酸塩錠は次のような方は使用ができません。
エペリゾン塩酸塩錠の成分に対して、過去にアレルギー反応を起こしたことのある方
◎次のような方は、使用を慎重に行います。
・過去に薬物アレルギーを起こしたことのある方
・肝障害のある方(肝機能を悪化させる可能性があります)
生活上の注意
エペリゾン塩酸塩錠を使用すると、脱力感やふらつき、眠気などが現れることがあります。自動車の運転など危険をともなう機械の操作は行わないようにしてください。
また、これら症状が起こった場合には薬の量を減らすか、または薬の使用を一時的に止める必要があります。医師に相談して指示をあおぎましょう。
エペリゾン塩酸塩錠の副作用
添付文書によると、エペリゾン塩酸塩錠の副作用として以下の症状が報告されています。
・発疹
・眠気、不眠、頭痛、両手足のしびれ
・吐き気・嘔吐、食欲不振、胃の不快感、腹痛、下痢、便秘、口渇
・脱力感、ふらつき、全身のだるさ、ほてり など
そのほかにも報告されている副作用はあるので、服用中に異常が現れた場合には担当の医師・薬剤師に相談してください。
重大な副作用
発生の頻度は非常にまれですが、重大な副作用として以下の症状が報告されています。
次の初期症状が現れたときは、投与を中止して早急に病院を受診しましょう。
・ショック、アナフィラキシー様症状:かゆみ、顔面などのむくみ、じんましん、呼吸困難など
・中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス-ジョンソン症候群):発熱、紅斑(こうはん)、水ぶくれ、かゆみ、眼の充血、口内炎など
エペリゾン塩酸塩錠とほかの薬の飲み合わせ
併用に注意が必要な薬
添付文書に記載されている併用注意の薬として、メトカルバモールという骨格筋の痙攣弛緩剤が記されています。メトカルバモールを含む医療用の薬は「ロバキシン顆粒」という処方薬です。メトカルバモールとエペリゾン塩酸塩錠の類似薬を併用したときに、眼の調節機能に障害が現れたという報告があがっています。
また、市販薬の「ドキシン錠」には、筋肉の緊張やこりを取り除き痛みをやわらげる作用がありますが、有効成分にはメトカルバモールが含まれています。そのため、エペリゾン塩酸塩錠とドキシン錠の併用にも十分な注意が必要です。
もし、エペリゾン塩酸塩錠服用中にこれらの併用を考えるときは、事前に医師や薬剤師にご相談ください。
おわりに
エペリゾン塩酸塩錠は、肩こりや腰痛、脳血管障害などによる痙性麻痺などを改善する薬です。しかし、脱力感やふらつき、眠気などの副作用が現れることがあるので注意が必要です。
また、今回の記事でお伝えした副作用は、報告されているすべてを記載したものではありません。エペリゾン塩酸塩錠服用中に何らかの異常が現れた場合には、担当の医師・薬剤師に相談してください。
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