モビプレップを解説!飲み方・注意点・副作用について

モビプレップは、大腸内視鏡検査や大腸手術前の腸管洗浄に使われます。用法、使用上の注意点、副作用などを解説します。

モビプレップは飲む量が少なくてすむ腸管洗浄剤!

モビプレップは、大腸の中をきれいにしてくれる腸管洗浄剤です。

同じ有効成分(マクロゴール4000)を持つ腸管洗浄剤のニフレックと比べ、少ない量で同じ腸管洗浄作用が得られるのが特徴です。濃度が濃いため、水やお茶を飲むことで体内濃度を薄めます。

大腸内視鏡検査の前に飲まなければいけない大量の洗浄液。検査よりもその洗浄液を飲むのがつらいという方も多いのではないでしょうか。モビプレップは、その洗浄液を飲む負担を軽減することができるのです。

ミナカラお薬辞典:モビプレップ配合内用剤

モビプレップとは?

モビプレップとはどんな薬?

モビプレップは、欧州NORGINE社により開発された薬です。2006年に米国SALIX社より発売され、2007年には英国、ドイツ、スペイン、フランス、オランダ、ベルギーなどのEU諸国でも使用されるようになりました。

日本では2012年に味の素製薬株式会社(現:EAファーマ株式会社)より発売開始された新しい腸管洗浄剤です。

どんな時に使用する薬?

大腸内視鏡検査、大腸手術の前に必要な腸管内容物の排除に使われます。

剤形は?

剤形は配合内用剤のみです。
使用前にプラスチック容器に入っているふたつの粉末成分を混合し、水で溶解することで溶解液として服用します。

モビプレップの効果

添付文書によると、モビプレップ配合内服剤の効能または効果は下記の通りです。

大腸内視鏡検査、大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除

モビプレップ配合内用剤添付文書

大腸内視鏡検査や大腸手術の前には、大腸の中をきれいにしておくことが必要になります。そのための腸管洗浄に使用されます。

臨床試験では、大腸内視鏡検査前の服用では、98.6%の方に効果が認められています。

モビプレップの用法・用量

用法用量

添付文書による用法・用量は下記の通りです。

本剤1袋を水に溶解して約2Lの溶解液とする。
通常、成人には溶解液を1時間あたり約1Lの速度で経口投与する。溶解液を約1L投与した後、水又はお茶を約0.5L飲用する。ただし、排泄液が透明になった時点で投与を終了し、投与した溶解液量の半量の水又はお茶を飲用する。排泄液が透明になっていない場合には、残りの溶解液を排泄液が透明になるまで投与し、その後、追加投与した溶解液量の半量の水又はお茶を飲用する。なお、本剤1袋(溶解液として2L)を超える投与は行わない。

モビプレップ配合内用剤添付文書

■排便や腹痛などの様子をみながら慎重に服用しましょう。
■約1Lの溶解液を服用しても排便がない時は、必ず腹痛、嘔気、嘔吐のないことを確認したうえで服用を継続してください。排便が起こるまで、しっかりと観察を行いましょう。2L服用しても排便がない場合は、必ず医師に報告してください。
■喉が渇いた場合には、モビプレップの服用中でも水またはお茶を飲んでかまいません。特に、脱水症状を起こす危険性がある方は、服用前後にも積極的に水分を摂取を摂取する必要があります。
■糖尿病用薬を服用中し血糖をコントロールしている方は、検査前日の服用は避けることとされています。検査当日に十分に観察を行いながら服用します。また、糖尿病用薬は検査当日の食事摂取後より服用します。
■モビプレップの腸管洗浄が、経口投与された他の薬剤の吸収を妨げるおそれがあるため、服用時間に注意が必要です。また、薬剤の吸収阻害が重大な問題となる方は、院内でしっかりと観察を行いながら服用することとされています。

服用のタイミング

【大腸内視鏡検査の前処置として服用する場合】
検査当日の朝食は食べてはいけません(水分摂取は可)。検査開始予定時間の約3時間以上前から服用を開始します。

【大腸手術の前処置として服用する場合】
手術前日の昼食後から絶食(水分摂取は可)です。昼食後約3時間以上経過した後に服用を開始します。

具体的な飲み方

モビプレップの具体的な服用方法は以下の通りです。

■2Lに溶解したモビプレップをコップに1杯ずつ移して服用します。
■服用は、排出液が透明になった時点で終了してください。
■のどが渇いた時は、服用中でも水やお茶を飲んでかまいません。
 飲んでよいもの:水( ミネラルウォーターも可)
         お茶( 煎茶、番茶、ウーロン茶、麦茶)
         紅茶( 砂糖・ミルクは不可) など
 飲んではいけないもの:スポーツ飲料水
            乳製飲料( 牛乳、飲むヨーグルト)
            ジュース類、アルコール類
            砂糖・固形物が入っている飲料など

①最初の2〜3杯はコップ1杯(180ml程度)あたり、15分かけてゆっくりと服用してください。その後も1杯あたり10〜15分かけて服用します。
高齢者の方は、最後まで1杯あたり15分かけてゆっくりと服用してください。

②モビプレップ約1Lを服用したら、約500ml(コップ3杯程度)の水またはお茶を飲んでください。

③排出液が透明になった時点で、モビプレップの服用は終了です。服用したモビプレップの量の半分の水またはお茶を必ず服用しましょう。

服用例:モビプレップ1.5Lの服用で便が透明になった場合

モビプレップ1.5Lの服用で排出液が透明になった場合の服用例は以下の通りです。
コップ(1杯180ml程度)に移したモビプレップを1杯10〜15分かけてゆっくりと服用します。

①モビプレップ1L(コップ約6杯)
②水またはお茶500ml(コップ約3杯)
※モビプレップを1L飲んでも便が透明にならない場合は、モビプレップをコップ1杯ずつ服用してください。便の様子をよく確認しながら服用を続けましょう。
③モビプレップ500ml(コップ約3杯)
※便が透明の水様便になった時点で終了です。
④水またはお茶250ml(コップ約1.5杯)

モビプレップの味は?

モビプレップの味は、梅ジュースのような酸っぱくて濃い味や濃いスポーツドリンクのような味と表現されることが多いようです。

インタビューフォームには、大腸内視鏡検査を受ける方に対して行った「味・量・受け入れやすさ」についての調査結果が記載されています。

同じ有効成分のニフレックと比べると、味についてはニフレックの方が飲みやすいと感じる方が多いとの結果がでています。しかし、量・受け入れやすさに関しては、モビプレップの方がよいと感じている方が多いという報告があります。

モビプレップ配合内用剤インタビューフォーム

モビプレップ使用上の注意

自宅で服用する場合の注意点

モビプレップは、病院で服用する場合と、自宅で服用する場合があります。
自宅で服用する際は、下記のことに注意しましょう。

■前日または服用前に、通常程度の排便があったことを確認しましょう。排便がない場合は、担当の医師に相談してください。
■ひとりでの服用は避けてください。副作用が起こった場合、ひとりでは対応できない危険性があります。
■用法をしっかり守りましょう。必ず2Lの溶解液にして服用してください。
■最初のコップ2〜3杯は、ゆっくり服用してください。その際、副作用であるアナフィラキシーの兆候に十分注意をしましょう。
■消化器症状(腹痛、嘔気、嘔吐など)やショック、アナフィラキシーの副作用の症状が現れた場合は、服用を中止し、すぐに医療機関を受診してください。服用後も副作用が起こる危険性がありますので注意が必要です。

服用してはいけない方(禁忌)

以下の方は、モビプレップを服用してはいけません。

■胃腸管閉塞症および腸閉塞の疑いのある方
■腸管穿孔の方
■胃排出不全の方
■中毒性巨大結腸症の方
■モビプレップに対してアレルギーなどのある方

服用に注意が必要な方

以下の方は、モビプレップ服用の際には注意が必要です。

■腸管狭窄や高度な便秘の方
■腸管憩室のある方
■腹部手術歴のある方
■グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症の方
■嘔吐反射障害または誤嚥を起こすおそれのある方
■腎機能障害のある方
■心機能障害のある方
■狭心症や陳旧性心筋梗塞の方
■脱水を起こすおそれのある方
■重い急性炎症性腸疾患の方
■腎機能に影響を及ぼす薬剤(利尿剤、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体阻害薬、非ステロイド性抗炎症薬など)を使用している方
■痙攣発作の既往がある患者および痙攣発作のリスクが高い方

妊娠中や授乳中の服用は?

妊娠中または妊娠している可能性のある方は、治療上の有益性を考慮したうえでの使用が必要です。
妊娠中および授乳中の方への使用経験はなく、また妊娠中の方への安全性は確立していません。

高齢者や子どもの服用は?

【高齢者】

一般的に高齢者は生理機能が低下しているため、ゆっくりと服用し、水分補給を積極的に行う必要があります。しっかりと観察を行いながら服用しましょう。

特に腸管穿孔、腸閉塞を起こしてしまった場合は、より重篤な転帰をたどる危険性があります。十分な観察を行い、異常が起こった場合は服用を中止してください。腹部の診察や画像検査、適切な処置が必要です。

【子ども】

低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する使用経験はなく、安全性は確立していません。

モビプレップの副作用

モビプレップ承認時の国内臨床試験では、全体の11.4%に副作用の症状がみられたことが報告されています。

モビプレップの主な副作用

臨床試験における、主な副作用は以下の通りです。

悪心(2.5%)、AST(GOT)増加(2.1%)、尿中蛋白陽性(1.8%)、ALT(GPT)増加(1.1%)、腹痛(0.7%)、嘔吐(0.7%)、発疹(0.7%)、白血球数増加(0.7%)

その他にも、そう痒症、蕁麻疹、血管浮腫、頭痛、睡眠障害、痙攣、浮動性めまい、腹部膨満、肛門不快感、消化不良、嚥下障害、鼓腸、血圧低下、徐脈、血中LDH増加、肝機能異常、尿中蛋白陽性、白血球数増加、血中コレステロール増加、倦怠感、悪寒、不快感、脱水などの症状が起こる可能性があります。

体調に異変を感じた場合は、すぐに医師に報告をしてください。

モビプレップの重大な副作用

■ショック、アナフィラキシー
皮膚のかゆみ、じんま疹、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、冷や汗、息苦しさ、どうき、めまい、血の気が引く、息切れ、判断力の低下、意識の混濁など
※自宅で服用中に息苦しくなった場合は、救急車などを利用して直ちに受診してください。
■腸管穿孔、腸閉塞、鼡径ヘルニア嵌頓
嘔吐、むかむかする、激しい腹痛、排便・排ガスの停止
■低ナトリウム血症
けいれん、意識の低下、頭痛、吐き気、嘔吐、吐き気、食欲不振、吐き気
■虚血性大腸炎
発熱、嘔吐、吐き気、むかむかする、急激な腹痛、下痢、血が混ざった便
■マロリー・ワイス症候群
立ちくらみ、血を吐く、嘔吐、血が混ざった便、便が黒くなる
■失神、意識消失

これらの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
自宅で服用する際は特に注意が必要です。

モビプレップの値段・購入方法

モビプレップは処方薬であり、購入には必ず医師の処方箋が必要です。
薬価は2,259.30円/袋です。ジェネリック医薬品は発売されていません。

さいごに 自宅で服用する際は飲み方・注意事項をよく確認しましょう

自宅でモビプレップを服用する場合は、あらかじめ調製方法・服用方法・副作用に関しての注意点をよく確認しておきましょう。

もし副作用の症状がみられた場合の対処法や連絡方法もあらかじめ確認をしておくことが大切です。

 

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