カルベジロールはどんな薬?

カルベジロールは、慢性心不全、持続性の高血圧・狭心症、頻脈性心房細動の治療に使われる薬の成分です。カルベジロールには血圧を下げる作用や心臓を保護する作用、心拍数を調整する作用などがあり、疾患に合わせて使用されます。

先発薬では「アーチスト錠」の名前で販売されています。ジェネリックも多くの製薬会社から製造販売されており、「カルベジロール錠+製薬会社名」で販売されています。

カルベジロールの作用機序

カルベジロールはαβ遮断薬という種類に分類される薬で、交感神経のα1受容体とβ1、β2受容体を遮断します。

β1受容体を遮断することで、心臓の脈拍数を減らして心臓の収縮力を抑えます。その結果、血圧が下がります。カルベジロールのα受容体とβ受容体の作用強度の割合は、α:β=1:8であり、β受容体を遮断することで起こる脂質や糖の代謝が悪くなる欠点を、α1受容体の遮断で起こる糖や脂質の代謝作用で補っています。

α1受容体の遮断作用も持つことで、β遮断薬の血圧降下作用を補強し、さらに心臓などの臓器保護の効果も発揮するのです。

カルベジロールの効果

カルベジロールは錠剤の規格によって、使用される疾患が異なります。医師の指示する用法や用量を正しく守って使用することがとても大切です。

【効能・効果】
・本態性高血圧症(軽症~中等症)
・腎実質性高血圧症
・狭心症
・次の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者 虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全
・頻脈性心房細動

カルベジロール錠「サワイ」 添付文書 

慢性心不全にも有効

以前の医学的見識では、カルベジロールなどのβ遮断薬は心臓の働きを抑えるため、心不全の症状を悪化させるおそれがあるとされていました。

しかし1990年代からは、β遮断薬を少量の使用から始めて量を増やしながら使用することで、心臓の負担が減り心機能が回復する作用が認められています。

カルベジロールの副作用

カルベジロールの主な副作用として、めまい、全身倦怠感、眠気、頭痛、徐脈、低血圧、吐き気などがあげられています。

特に、薬の飲み始めや使用量を増やしたときは、めまいやふらつきなどの症状が現れやすい傾向があります。薬の使用中は自動車や危険な機械などの運転を行わないでください。

重大な副作用の初期症状

カルベジロールには、発生頻度は不明ですが、注意すべき重大な副作用があります。副作用の初期症状と思われる体調の悪化が現れた場合は、すみやかに医師に相談しましょう。

重大な副作用 初期症状
高度な徐脈、ショック、完全房室ブロック、心不全、心停止 息切れ、めまい、失神、顔面蒼白、冷汗、ふらつき
肝機能障害、黄疸 全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群 発熱、全身倦怠感、皮膚・眼・口内に発疹ができる・赤くなる
アナフィラキシー 呼吸困難、ふらふら感、眼や唇の周りがはれる

カルベジロールの使用上の注意

カルベジロールには、併用に注意すべき薬がさまざまあります。カルベジロールの他にも日常的に使用している薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に申告しましょう。

妊娠中・授乳中の方の注意

カルベジロールは妊娠中の方は使用できません。また、授乳中の場合も基本的には使用を控えることとなっています。

妊娠中や授乳中の場合は必ず医師に申告してください。

高齢者の注意

カルベジロールは肝臓で代謝される薬です。高齢者は加齢により肝機能などの生理機能が低下していることが多くあるため、薬の効果が強くですぎるおそれもあります。

高齢者が使用する場合は、薬を使用後の体調の変化に十分に注意して観察してください。

カルベジロールとビソプロロールの違いは?

ビソプロロールは、カルベジロールと同じく慢性心不全などの治療に使われる薬です。先発薬では「メインテート」ジェネリックては「ビソプロロールフマル酸塩酸」「ウェルビー」などの名前で販売されています。

カルベジロールはα1受容体とβ1β2受容体を遮断する作用がありますが、ビソプロロールは主にβ1受容体を遮断します。

それぞれ作用する場所が少しずつ異なるため、そのときの症状や心臓以外の疾患などによって使いわけられます。

診断の結果、医師がより適切だと判断した薬が処方されますが、処方について不安や疑問がある場合は医師に相談しましょう。

カルベジロールの特徴

・呼吸器疾患がある場合は使用が難しい
・糖・脂質代謝を悪化させない

ビソプロロールの特徴

・呼吸器疾患のある場合でも使用できる
・心拍数が下がりやすいため、頻脈の治療に使われることが多い

カルベジロールのジェネリック

カルベジロールのジェネリックは、錠剤の規格が4種類(1.25mg、2.5mg、10mg、20mg)販売されています。

先発薬とジェネリックは同じ成分を使用しており、ほとんど効果は一緒であるといえます。ただし、配合されている添加物の違いにより、まれに薬の吸収に若干の影響がでて効きが悪いと感じてしまう方もいます。その場合は先発薬に戻すことも検討してみましょう。

カルベジロールのジェネリックは、先発薬に比べると半分以下の価格になります。ジェネリックを希望する場合は、医師や薬剤師に申告してください。

おわりに

カルベジロールには、気をつけるべき副作用や飲み合わせなどがあります。また、症状や年齢に合わせて薬の量を調整する必要があります。

副作用を予防するためにも、医師から指示された用量や使用法を正しく守って使用しましょう。