ものもらいとは?
ものもらいと呼ばれる病気には、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)の2つの種類があります。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は、目の汗腺や、まつげの毛根、皮脂腺であるマイボーム腺に細菌が感染することで、炎症が起こる症状のことをいいます。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、マイボーム腺に脂がつまって炎症が起こり、脂の塊ができることをいいます。霰粒腫では細菌の感染はありません。
初期の霰粒腫であれば、治療をしなくても自然に吸収されることがあります。
ものもらいはうつる?うつらない?
ものもらいは、脂がつまったり、細菌が目に感染することで起こります。
ものもらいの原因となる主な細菌はブドウ球菌です。ブドウ球菌は伝染しないため、ものもらいは人にうつることはありません。
なお、ものもらいに似た目の病気に「はやり目」がありますが、はやり目はウイルスが原因のため他の人に感染します。
ものもらいの治し方
目の周りを清潔に保つ
炎症を悪化させないために、目の周りを清潔に保ちましょう。
目をふくときは、ティッシュペーパーなど使い捨てのものを使用してください。
抗菌目薬を使用する
麦粒腫の治療では、抗菌目薬を使用することによって炎症をおさえます。
病院では目薬に加えて軟膏、または症状が悪化している場合には抗生物質の飲み薬が処方されることもあります。
軽度のものもらいの場合は、市販の目薬でも細菌の増殖をおさえることができます。
目薬を差すときには、手をしっかりと洗った上で、目薬の先に手やまつげが触れないように注意してください。
ものもらいのときにおすすめの目薬について、詳しくは関連記事をごらんください。
ものもらいを早く治すには?
ものもらいの症状が改善するまでには、通常1週間から10日程度かかります。
少しでも早く治すためには、次のようなことを心がけましょう。
目を触らない
目を触ったり、こすったりしないようにしましょう。炎症が悪化して症状が長引いてしまうことがあります。
特に汚い手で目をこすったりしないように注意が必要です。
また、霰粒腫では脂の塊ができますが、傷つけると細菌が増殖するおそれがあるため、絶対に潰さないようにしてください。
眼帯を使用しない
目を保護するために、眼帯の使用を考える方もいるかもしれません。
しかし、ものもらいの場合は眼帯をすることによって細菌が増殖してしまうおそれがあります。
ものもらいのときは眼帯は使用しないでください。
疲れやストレスをためない
ブドウ球菌は普段から皮膚に存在している菌であり、疲労や病気などで体の免疫力が低下していると感染しやすくなります。
ストレスや疲れをためないように、心や体を休めるようにしましょう。
アイメイクは控える
ものもらいを早く治すには、目元を清潔に保つために目の周りのメイクは避けましょう。
特に、マイボーム腺の出口をつまらせる原因となる、アイライナーやマスカラの使用は控えることをおすすめします。
ものもらいのときのメイクについて、詳しくは関連記事をごらんください。
コンタクトレンズを使用しない
ものもらいを早く治すためには、患部を傷つけるおそれのあるコンタクトレンズの使用は控えましょう。
さらにコンタクトレンズが清潔に保たれていないと、細菌が増殖し悪化させる危険性も高くなります。
ものもらいのときのコンタクトレンズの使用について、詳しくは関連記事をごらんください。
ものもらいが治らない場合は?
ものもらいが治らない場合は、眼科を受診してください。
麦粒腫の炎症が悪化して化膿した場合は、手術で切開して膿を出す治療を行うことがあります。
また、霰粒腫が自然に吸収されずに大きくなってしまった場合は、ステロイドの薬を注射や摘出手術を行います。
ものもらいの病院での治療について、詳しくは関連記事をごらんください。
おわりに
ものもらいは通常、1週間から10日程度で治ります。
決して目をこすったりせず、抗菌目薬を使用するなどして、目の周りを清潔に保ちましょう。