アレルギー性結膜炎の目薬を選ぶポイント
花粉症の時期に多くみられるアレルギー性結膜炎は、目にかゆみや腫れ、赤みがでる病気です。アレルギー性結膜炎では、花粉などのアレルギー物質が体内に侵入することで起こるアレルギー反応です。
アレルギー性結膜炎を市販薬で治療するときに大切なことは、アレルギーが原因となって起こっている症状かどうか明確にすることです。
結膜炎にはさまざまな原因が考えられるため、アレルギー性結膜炎と同じ症状でも原因が異なる場合は市販薬で治療ができない可能性もあります。結膜炎と思われる症状が初めて現れたときは、まずは病院を受診して原因を明確にしましょう。
コンタクトレンズの着用の有無を確認する
市販の目薬の中にはコンタクトレンズを着用したままでは使用できない目薬もあります。
コンタクトレンズを着用している方は、購入前に必ずパッケージの表示を確認するか薬剤師や登録販売者に確認しましょう。
かゆみや充血が強いときにおすすめの目薬
アレルギー結膜炎のかゆみは、ヒスタミンという成分が引き起こします。
かゆみを緩和させるには、ヒスタミンの放出をおさえる抗アレルギー成分や、放出されたヒスタミン受容結合体をブロックする抗ヒスタミン成分が配合された目薬がおすすめです。
次の2つの目薬には、抗アレルギー成分であるクロモグリク酸ナトリウムと、抗ヒスタミン成分であるクロルフェニラミンマレイン酸塩が配合されています。
ロートアルガードクリアマイルドZ | ・1日4回の点眼で効果を発揮 ・強いかゆみや炎症のある方におすすめ |
エージーアイズ アレルカットS | ・1日4~6回まで点眼できる ・かゆみが出たときに目薬をさしたい方におすすめ |
処方薬と同成分を同量配合した目薬
市販の目薬の中には、病院で処方されるアレルギー性結膜炎の目薬と同成分を同量配合しているものもあり、高い効果が期待できます。
アイフリーコーワALとノアールPガード点眼液は抗アレルギー成分の目薬で、特に症状の予防に効果を発揮します。
ザジテンAL点眼薬は抗ヒスタミン作用と抗アレルギー作用を持ったケトチフェンフマル酸塩を成分とした目薬で、予防に加えて症状を鎮める即効性があります。
花粉症などの季節性アレルギーの症状に使用する場合は、症状の軽い早めの時期からの使用をおすすめします。
市販薬 | 処方薬 | 成分 |
ザジテンAL点眼薬 | ザジデン点眼液 | ケトチフェンフマル酸塩 (抗ヒスタミン成分) |
アイフリーコーワAL | ゼペリン点眼液 | アシタザノラスト水和物 (抗アレルギー成分) |
ノアールPガード点眼液 | ぺミロラストカリウム点眼液 | ペミロラストカリウム (抗アレルギー成分) |
コンタクトレンズのまま使用できる目薬
市販の目薬ではコンタクトレンズを着用したまま使用できないものが多くあります。コンタクトレンズを使用する方は、必ず購入前にコンタクト着用の不可を確認しましょう。
次の目薬は、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズのどちらでも装着したまま使用でき、コンタクトレンズを装着中のアレルギー性結膜炎によるかゆみや炎症をおさえます。
ただし、カラーコンタクトレンズ着用中には使用できません。
ロートアルガードコンタクトa | ・クロルフェニラミンを配合 ・かゆみがあるときにおすすめ |
スマイルコンタクトEX AL-Wマイルド | ・クロルフェニラミンと抗炎症成分グリチルリチン酸二カリウムを配合 ・炎症とかゆみがあるときにおすすめ |
子ども・妊娠中・授乳中でも使える目薬
目薬には使用可能な年齢があり、妊娠中や授乳中だと使用できないものがあります。
次の目薬は、子どもでも保護者の指導監視のもとで使用可能であり、妊娠中・授乳中でも使用することができます。
充血を除去する血管収縮剤が含まれており、5~6日以上の連用は症状を悪化させてしまうため長期連用は避けてください。
ロートアルガードs | ・抗ヒスタミン成分・クロルフェニラミンと抗炎症成分・炎グリチルリチン酸ニカリウム、血管収縮剤のテトラヒドロゾリンを配合 ・清涼感などの刺激を極力おさえ、子どもや妊娠中・授乳中でも使用可能 ・ハードコンタクトレンズであれば、着用したままでも使用可能 |
目薬別!子ども・妊娠中・授乳中の使用について
この記事で紹介した目薬の子どもと妊娠中・授乳中の使用については、次のようになります。
ただし子どもに使用する場合は、添付文書に年齢制限がない場合でも自分の目の症状や目薬のさし心地などについて意志表示できる年齢になってから使用することをおすすめします。
それまでは、医師に相談しましょう。
製品名 | 子どもの使用 | 妊娠中・授乳中 |
ロートアルガードクリアマイルドZ | × | × |
エージーアイズ アレルカットS | ◯ | △ |
ザジテンAL点眼薬 | △ | △ |
アイフリーコーワAL | × | △ |
ノアールPガード点眼液 | × | △ |
ロートアルガードコンタクトa | ◯ | ◯ |
スマイルコンタクトEX AL-Wマイルド | ◯ | ◯ |
ロートアルガードs | ◯ | ◯ |
<子どもの使用>
〇:添付文書中に年齢制限の記載なし。保護者の指導監視のもと使用。
△:1歳未満の使用不可。
×:7歳未満の使用不可。
<妊娠中・授乳中の使用>
〇:妊娠中・授乳中の使用可能。
△:妊娠中の使用は医師や薬剤師に相談すること。
×:妊娠中・授乳中の使用不可。
アレルギー性結膜炎におすすめの市販薬一覧
かゆみや充血が強いときにおすすめの目薬
処方薬と同成分を同量配合した目薬
ノアールPガード点眼液
アレルギー専用目薬です。処方薬「アレギサール点眼液0.1%」と同じ抗アレルギー成分(ペミロラストカリウム)を使用。症状が軽いうちからの使用が効果的です。刺激が少なくやさしいさし心地です。
1回1滴、1日2回(朝、夕方)使用します。
コンタクトレンズをしたまま使える目薬
子ども・妊娠中・授乳中でも使える目薬
アレルギー性結膜炎の目薬を使用する際の注意点
市販の目薬を使用しても症状が改善しない場合は、使用を中止して医師・薬剤師・登録販売者に相談してください。
症状改善までの日数の目安は、目薬ごとに異なるため添付文書を確認しましょう。
症状の改善がみられても市販薬の使用期間が2週間を超える場合は、医師・薬剤師・登録販売者に相談してください。
また、血管収縮剤が配合されている目薬は、5~6日以上連用できません。
薬の使用について疑問な点がある場合は、弊社の薬剤師に無料で相談できるサービスがあります。ぜひご利用ください。
おわりに
アレルギー性結膜炎は花粉症の症状のひとつとしても現れる身近な病気です。軽症のうちに治せるように自分の症状にあった市販薬を選択しましょう。市販薬を使い続けても症状が改善されない場合は医療機関を受診してください。