はじめに

「肝斑(かんぱん)」といわれるシミの一種を耳にしたことがあると思いますが、肝斑はシミやソバカスなどとはできる原因が少々異なり厄介なものだといわれています。
肝斑は30代以降の女性に現れやすいのですが、特に妊娠中にはできやすく「妊娠性肝斑(にんしんせいかんぱん)」として知られています。
これって肝斑?と迷うことも多いため、肝斑の基礎知識を知っておきましょう。

 

肝斑の症状とシミ、ソバカスの違いは?

肝斑(かんぱん)

  • 輪郭がはっきりしない薄い褐色のシミ
  • 両頬、額、こめかみ、口のまわり、鼻の下など、ほぼ骨に沿ってできる
  • 左右対称に表れるのが特徴
  • 比較的広い範囲に広がる
  • ぼやけて薄く広がることがあるため、顔色が優れないように見える

     

シミ・ソバカス

▶シミは特定の場所にできることはなく、比較的輪郭のはっきりした茶色いものが特徴。あざの場合もあり、色々な種類がある

▶ソバカスは、両ほほ、まぶた、鼻の上などにできる薄茶色の細かい斑点が特徴。幼少期から思春期に発生することが多い


シミができる主な原因は紫外線、ソバカスは紫外線と遺伝性が関係しているといわれますが、肝斑はホルモンの影響が大きいとされています。
肝斑もシミの一つではありますが、出方は左右対称であったり、できる場所がほぼ決まっているため、見分ける目安として特徴を覚えておきましょう。


 

妊娠中に肝斑ができやすいのは?

「肝斑(かんぱん)」ができる原因は、主に女性ホルモンの「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の影響が大きいとされています。

女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」があり、どちらも女性には重要なホルモンですが、妊娠中にはプロゲステロンの分泌が多くなります。

プロゲステロンは、①基礎体温をあげる ②子宮内膜の環境を整える ③乳腺の発達 ④妊娠を維持させる・・・など重要な働きをするホルモンのため、妊娠中には大切なホルモンなのですが、肌のトラブルにも関わりが大きく、皮脂量を増やしたり、メラノサイトを刺激してメラニンの生成を活発にしたりする作用があるため、妊娠中にはシミもできやすく肌の状態が不安定になります。

プロゲステロンは排卵から生理前に分泌されるホルモンのため、生理前に肌荒れを起こしやすくなった経験がある方は多いでしょう。
どちらかというとプロゲステロンは肌荒れ、便秘、イライラなどを引き起こすマイナスなホルモン?と思われがちですが、妊娠の維持には必要なホルモンのため、自然にプロゲステロンが多くなることで肝斑もできやすくなるのです。
 



 

妊娠性肝斑(にんしんせいかんぱん)ができたら?

レーザー治療は基本NG

治療に関しては、一般的なシミと肝斑は根本的な原因が違うため、専門医の診断によりシミの種類やソバカス、またはあざ等との鑑別を行います。
シミにはレーザー治療などが有効的とされていますが、肝斑はレーザー照射によってむしろ色が濃くなるなど悪化させてしまうケースがあるため、基本的にはすすめられていません。
 

内服薬は相談を

内服薬としては「トラネキサム酸」などがシミやソバカスに有効とされています。妊娠中でも副作用は少ないとされていますが、使用する際は医師に相談しましょう。薬は自己判断しないことがベストです。

「妊娠性肝斑」はホルモンバランスによる影響が大きいため完全にできないようにすることは難しいのですが、産後2~3ヶ月してホルモンバランスが安定してくると自然に薄くなったり消えたりすることもあります。
薬の内服などは産後に考えるようにし、妊娠中はあまり焦らないことが大切です。



ただ妊娠中は普通のシミも肝斑もできやすい状態です。何も対策をしないとメラノサイトの刺激が落ち着いた後でも肝斑が残ってしまうこともあるので、妊娠中こそ「予防が大切」になります。


 

妊娠性肝斑(にんしんせいかんぱん)の予防法は?

紫外線対策

まずはしっかりとした紫外線対策が大切です。妊娠中はメラニンの生成が活発になるため、少しの紫外線でもシミができてしまう場合があります。
外出する際は、日焼け止めクリームをきちんと塗りましょう。日頃の美白化粧品は刺激が強い場合もあるため、低刺激のものに変えるのもいいでしょう。その他UVカットの衣服や帽子、日傘を持ち歩き、過度に紫外線を浴びないようにしましょう。
 

ビタミンC

ビタミンCはメラニン色素を抑え美白効果のためにはとても有効な栄養素です。妊娠中は薬からよりも、なるべく食事から摂るように心がけましょう。
ブロッコリー、ホウレン草、キャベツ、ピーマン、じゃがいも、トマト、イチゴ、みかんなど、食事を楽しみながらしっかりビタミンCを摂りましょう。

 

疲労とストレスを溜めない

肝斑(かんぱん)は体内のトラブルが原因となる為、ホルモンバランスが崩れている状態をさらに悪化させないことが大切です。
妊娠中は疲れやすく、ストレスが溜まりやすいため、十分な睡眠やリラックスを心がけましょう。

 

おわりに

今回の記事のポイントは、一般のシミは主に紫外線が原因、肝斑はホルモンバランスが原因という違いがあり、妊娠中には肝斑できやすいということです。7割程の妊婦さんが肝斑を経験するといわれているため、妊娠中に肝斑を見つけても、慌てたり神経質にならず、まずは少しでも肝斑ができないための予防をしっかりしましょうね。

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