肝斑に効く市販薬の選び方のポイント
肝斑はしみの一種ですが、通常のしみに使用する薬を使用しても効果を期待することができません。基本的に、肝斑には肝斑専用の薬を使用する必要があります。
肝斑をケアしたいときは、肝斑の改善効果が認められた成分である「トラネキサム酸」が配合された薬を選びましょう。
しみの場合は、メラニンの生成を抑制する「L-システイン」「アスコルビン酸(ビタミンC)」が配合されている薬が効きますが、肝斑の場合はそれらの有効成分だけでなく「トラネキサム酸」も配合されていなければ改善が見込めません。
しみが額や頬骨の上あたりにもやもやと広がり、左右対称に現れるような、肝斑が疑われる症状がある場合は、有効成分に「トラネキサム酸」を含むかどうかをポイントにして薬を選ぶことをおすすめします。
また、医薬品の効能・効果の欄に「肝斑」の記載があることも確認しましょう。
肝斑の薬を選ぶときの注意点
トラネキサム酸は抗炎症作用のある成分のため、風邪薬や口内炎、喉の腫れをおさえる薬にも配合されている場合があります。
しかし、風邪薬や口内炎、喉の腫れをおさえる薬にはトラネキサム酸以外にも複数の成分が配合されており、長期間使用されるような想定がされていないため、肝斑の治療には使用できません。
肝斑に効く薬を選ぶときは、成分だけで選ばずに、効能効果に「肝斑」と記載のある薬を選びましょう。
肝斑に効く市販薬|飲み薬
2023年1月現在、肝斑に効く市販薬はトランシーノⅡという製品1種類のみ存在しています。
トランシーノIIは、肝斑以外のしみ・そばかすなどには効果が確認されておらず、肝斑の治療にのみ特化した市販薬です。
トランシーノ* 240錠【第一類医薬品】
肝斑に効くトラネキサム酸を配合した市販薬です。
その他にも、メラニンの生成を抑制する「L-システイン」「アスコルビン酸(ビタミンC)」も配合しています。また、皮膚の健康を保つビタミンB6やパントテン酸カルシウムも配合しています。
1日2回の服用で良いため、昼間に服用しなくて良いので続けやすいという特徴があります。
肝斑に効く塗り薬はある?
2023年1月現在、肝斑に効く塗り薬は販売されていません。
皮膚科などではハイドロキノンという成分を肌に塗る治療法がありますが、一般に販売されているハイドロキノンを配合した商品は化粧品や医薬部外品に分類され、有効成分の配合量が少なくなっています。
また、化粧品や医薬部外品は医薬品と異なり、肝斑の改善に対しての効能効果が保証されていないため、肝斑対策をしたい場合は原則として飲み薬を使用することをおすすめします。
肝斑に効く市販薬を使用する際の注意点
理想は服用を8週間継続すること
トランシーノIIを服用する場合は、8週間継続することをメーカーがおすすめしています。
自身の判断で1か月程度で服用をやめても良いですが、臨床試験では2か月服用したほうが改善率が高いという結果があるため、メーカーは2か月の服用をおすすめしています。
トランシーノIIを8週間を超えての使用については有効性や安全性が確認されていないため、使用を中止してください。
また、トランシーノIIを使用しても症状の改善がみられない場合は、肝斑ではない別の病気であるおそれがあるので、薬の使用を中止し、皮膚科に相談してください。
なお、薬の服用中はトラネキサム酸を含む内服薬(風邪薬や口内炎、喉の腫れをおさえる薬など)を使用しないでください。
肝斑か判別できない場合は皮膚科へ
肝斑に効く市販薬であるトランシーノIIは、肝斑だけに効果を現し、しみやそばかすへの効果は確認されていません。
肝斑かどうか識別ができない、あるいはしみの色が黒ずんでいて表面が盛り上がっている場合は、一度皮膚科を受診することをおすすめします。
また、透析療法を受けている人はけいれんの症状が起こるおそれがあるので、使用しないでください。
生活上の注意点
肝斑は、皮膚を日光に当たらないように守っていれば、出産後や経口避妊薬の服用中止後に色が薄くなることが多い傾向があります。
肝斑が現れている部分は、なるべく日光に当てないようにしましょう。肝斑かどうかを自分で判断ができない場合は、皮膚科を受診してください。