ピルの飲み忘れとは?

2016年8月現在、日本で認可されている低用量(超低用量)ピルは、アンジュトリキュラーラベルフィーユマーベロンファボワールシンフェーズルナベルヤーズです。

どの薬も飲み忘れたときの対処法は同じですが、低用量ピルを飲み忘れてしまった場合は、「飲み忘れてから何時間経過したか」で、その後の避妊効果と対応方法が変わってきます。

この記事では、低用量ピルを飲み忘れたときの時間ごとの対処法、避妊効果、副作用、注意事項などを解説していきます。低用量ピルを服用している人は、万が一に備え、事前に確認しておきましょう。

ピルを飲み忘れたときの対処法

ピルの飲み忘れが1日(1錠)の場合

万一飲み忘れた場合、飲み忘れが1日(1錠)であれば、気づいた時点で飲み忘れた1錠をなるべく早く飲み、残りの錠剤も予定通りに使用してください。つまり、その日は2錠使用することになります。

避妊せずに性交渉を行い、ピルの飲み忘れが直前のピルの使用から48時間未満の場合、基本的にアフターピル(緊急避妊ピル)は必要ありません。しかし、シートの最初もしくは最後の錠剤を飲み忘れた場合には、排卵の前後の可能性が高くなるためアフターピル(緊急避妊ピル)を利用した方が安心です。

ピルの飲み忘れが2日(2錠)以上連続の場合

低用量ピルを2日(2錠)以上飲み忘れた場合の対処法はいくつかあります。

日本産婦人科学会、低用量ピルの各メーカー、WHO、イギリス産婦人科学会などがそれぞれ方法を提示していますが、今回はこの中でもよく利用される日本産婦人科学会の提示する対処法を紹介します。

日本産婦人科学会のガイドラインに従うと、2錠(2日)以上連続して飲み忘れた場合には、飲み忘れた錠剤のうち直近のものをなるべく早く飲み、残りの錠剤を予定通り飲みます。加えて、7錠以上連続して服用するまで性交渉時にはコンドームを使用するか性交渉を避けてください。

なお、病院で「月経困難症」の治療薬として処方されるルナベルやヤーズについては、避妊効果を求めない場合は、服用を中止せずそのまま飲み続けるケースがほとんどです。

飲み忘れの時の対処方法は医師によって指示が異なる場合があるので、シートを処方してもらうときに必ず確認してください。

飲み忘れから2日(48時間)以上経った後の避妊効果

ピルの飲み忘れから48時間以上経過してしまった場合は、避妊効果が期待できなくなります。7錠以上連続して服用するまでコンドームを使用するか性交渉を避けてください。

避妊せずに性交渉をした方で、ピルの飲み忘れから2日(48時間)以上たってしまった場合、妊娠の確率を最小にするためには以下の方法を取ってください。

第1週に飲み忘れた場合

休薬期間中または第1週に性交渉を行った場合にはアフターピル(緊急避妊ピル)を利用した方が安心です。

第2週に飲み忘れた場合

直前7日間に連続して正しく使用した場合にはアフターピル(緊急避妊ピル)の必要ありません。 

第3週に飲み忘れた場合

休薬期間を設けず、現在のシートの「実薬」を終了したらすぐに次のシートを始めるようにします。

生理が来ない場合:妊娠の可能性は?

日本では統計が取られていないため、残念ながら飲み忘れによる妊娠率などのデータはありません。

しかしながら、ピルの飲み忘れから24時間以上経過してしまい、飲み忘れの前後に避妊具を用いることなく性交渉をした場合は、妊娠の可能性が少なからずあります。

ピルの服用を中止して数日後に消退出血(生理)が来ない場合、当初の予定の休薬期間で生理が来ますが、もし当初の予定の休薬期間にも生理が来ない場合は、妊娠の可能性が考えられます。その場合は、すみやかに医師に相談してください。

偽薬を飲み忘れた場合の対処法

低用量ピルの中でも、アンジュ28、トリキュラー錠28、ラベルフィーユ28錠、マーベロン28、ファボワール28、シンフェーズT28錠、ヤーズは、偽薬が含まれた28錠タイプのピルです。

28錠タイプのピルの場合、22錠目から28錠目の偽薬(ヤーズは25錠目から28錠目の偽薬)には薬剤が含まれていません。偽薬はあくまで飲み忘れを防ぐためのもので、飲み忘れたところで身体に影響はありません。

また、逆に1錠目から21錠目(ヤーズなら1錠目から24錠目)の有効成分の入った錠剤を「実薬」といいます。

飲み間違いを防ぐため、飲み忘れた日数分の偽薬は捨てた上で、シートの順番どおりに服用を再開しましょう。

この症状は飲み忘れの副作用?

低用量ピルを飲み忘れたことにより、副作用が起こることはありません。

ただし、ピルの服用により、次のような症状を訴える人がいます。その原因について考えられることを解説していきます。

不正出血について

不正出血とは、生理(消退出血)以外で、性器から出血することを指します。とくに低用量ピルは、服用によるホルモンバランスの変化に体が慣れるまで、不正出血が起こりやすいといわれています。

消退出血と不正出血の違いは、消退出血はピルの服用を中止した後や休薬期間に起こり、不正出血はピルを服用中に起こることです。

不正出血はすぐにおさまることがほとんどですが、もし不正出血が続いて止まらない場合には、婦人科系疾患が考えられます。早めに医師に相談してください。

吐き気について

不正出血と同じく、ピルの服用に体が慣れるまでは、吐き気が起こりやすいといわれています。ただし、何らかの原因で避妊に失敗し、妊娠による悪阻(つわり)である可能性もあるので注意が必要です。

生理痛について

生理痛は、ピルの服用で緩和されるものです。ピルの飲み忘れにより、その周期のピルの効果を実感できない場合は、ピル服用前と同様の生理痛が起こることが考えられます。

おわりに

避妊効果が続くか疑わしい飲み方をしてしまった場合は、その該当日から14日間(2週間ほど)はコンドームなどの他の避妊方法を併用した方が良いでしょう。

飲み忘れを防ぐためにも、携帯のアラームやアプリなどを利用し、自分なりに気をつけることがとても大切です。

また、ピルの飲み忘れで服用を中止しているにも関わらず、妊娠が疑われるような性交渉をした場合は必ず医師に相談し、早急にアフターピルを服用してください。