はじめに 

帯状疱疹は、「水ぼうそう」の原因と同じ「水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルス」によって起こる、神経にも痛みを伴う皮膚病です。

通常、帯状疱疹は子どもの頃に水ぼうそうに感染後、数年~数十年の潜伏期間を経て、成人期や老年期に発症することが多く、大人がかかる病気として知られていますが、子どもでもかかることがあります。

特に子どもは皮膚トラブルが起こりやすく、発疹や水泡が出た場合、他の皮膚疾患と見間違うことがあるため要注意です。

子どもの帯状疱疹の原因、大人との症状の違い、注意点を知っておきましょう。

帯状疱疹が子どもにも起こる原因は?

1、眠っているウイルスが目覚める

「水痘・帯状疱疹ウイルス」は、水ぼうそうが治った後も、ウイルス自体は消えずに、背骨の近くの「脊髄後根神経節:せきずいこうこんしんけいせつ」や、顔の「三叉神経:さんさしんけい」と呼ばれる知覚神経に潜伏しています。

この眠っているウイルスは、免疫力が低下した時に再び活動を開始し、神経に沿って細胞を攻撃しながら皮膚に到達し、痛みを伴いながら、発疹や水泡が帯状に現れ「帯状疱疹」として発症します。

子どもも水ぼうそうが治った後、大人と同様、疲労、睡眠不足、ストレス、他の感染症など、免疫力の低下により帯状疱疹を発症することがあります。

近年はストレス社会といわれ、子どもの帯状疱疹も珍しくありません。

2、大人からの感染

帯状疱疹にかかった大人から、子どもにうつることがあります。

特に2歳以下の乳幼児期に感染すると、水疱・帯状疱疹ウイルスへの十分な免疫を作れず、ウイルスの封じ込めが不十分であるため、その後、数年後の小児期に帯状疱疹を発症する可能性が高くなるとされています。

子どもの帯状疱疹の症状/大人との違い

子どもの方が軽症

帯状疱疹の症状の特徴は、

・体の左右のどちらか片側に神経痛のような痛みが起こる

・神経に沿って赤い発疹と水疱が帯状に出る

これは子どもも大人と同様です。

ただし、子どもの場合は、大人より比較的軽く済むのが特徴です。

帯状疱疹の神経に沿った痛みは、夜も眠れないほどの激痛を伴うことがありますが、子どもの場合は無痛性のケースが多く、症状に気づかないうちに治っていることもあります。

帯状疱疹後神経痛の発症率も低い

大人の場合、帯状疱疹の痛みが消えず、長期間に渡りさらに激しい痛みを伴う「帯状疱疹後神経痛神経(たいじょうほうしんごしんけいつうう)という神経の病気になることが珍しくありません。

子どもの場合は、このような神経の病気の発症率は低いため、あまり心配は要りません。

ただしウイルスによる合併症には注意が必要です。

ウイルス性の髄膜炎や脳症、顔面神経麻痺などが起こることがあるため、軽視は禁物です。

子どもに痛みがあるかどうかの判断は?

子どもは痛みの表現が上手くできないため、痛みがあるかどうかの判断が必要です。

以下のような状態であれば軽症のため心配は要らないといえるでしょう。

●発熱はない

●元気に過ごしている

●無邪気にテレビを見たり遊んでいる

●症状を気にせず何かに集中している

●よく眠れている

子どもの場合は痛みは少ないのですが、もし痛がっていた時は、カイロや温湿布などで温める「温罨法(おんあんぽう)」をしましょう。

帯状疱疹は冷やすと痛みを増殖させるため、温めるようにして下さい。

帯状疱疹はとびひと間違えやすい

発疹や水疱が体中にできると、特に子どもの場合は「とびひ」と間違えることがります。

とびひも帯状疱疹も強いかゆみを伴うことがありますが、見分けるポイントは、水泡の出ている場所と痛みの有無で判断します。

とびひは、「膿みをもった水泡が、顔から体中どこにでもできる」のが特徴。

帯状疱疹は、「発疹や水泡が、体の片側にできる」のが特徴で、軽い発熱と痛みを伴います。

いずれも初期の対応が大切です。

発疹や水泡が見られたらすぐに小児科か皮膚科を受診しましょう。

さいごに

「水痘・帯状疱疹ウイルス」は、子どもから大人まで、身体が弱った時に活動を始め攻撃してきます。

特に子どもは皮膚疾患をはじめとする感染症にかかりやすいため、日頃から体調を崩さないような生活習慣をさせましょうね。