あせもは医学用語で汗疹(かんしん)と言います。あせもとは汗腺の出口が詰まり皮膚の下に汗がたまった状態であり、赤ちゃんに多い皮膚トラブルです。

この記事では、生後1歳未満の赤ちゃんを対象にあせも対策について解説します。

☆赤ちゃんにあせもが多い理由

赤ちゃんにあせもが多い理由は、主に4つあります。

1.新陳代謝が活発である
2.汗腺の密度が高い
3.開いてない汗腺がある
4.体温調節ができない

赤ちゃんは大人と比べて新陳代謝が活発で、汗をかきやすいです。さらに、小さな体で大人と同じ数の汗腺があるため、密度が高くなっています。

その一方で、体が十分に発達していないために十分に開いていない汗腺もあります。こうした理由から皮膚の下に汗が貯まりやすく、あせもを起こしやすいのです。

また、赤ちゃんは大人に比べて自律神経が発達していないため、自分で体温調節ができないことも、あせもが多い理由にあげられます。

★赤ちゃんのあせも:症状と特徴

赤ちゃんのあせもで多く見られる症状は、水ぶくれ(水泡)と赤いぶつぶつです。かゆみをともなうことも少なくありません。

赤ちゃんのあせもは、おでこ・首まわり・わきの下・股・お尻、またおむつのウエスト部分によくできます。

あせもは夏場だけでなく、冬の暖かい室内でもできるおそれがあるので注意が必要です。

赤ちゃんのあせもは必ず病院へ

赤ちゃんにあせもの疑いがある症状が現れたら、必ず病院へ行きましょう。

あせもをかきむしると、皮膚に小さな傷ができて細菌感染を起こすおそれがあるためです。

細菌感染はとびひをはじめとした、より重い皮膚疾患を引き起こすおそれがあります。

★病院は何科に行けばいい?

赤ちゃんのあせもで病院へ行く場合は、小児科や皮膚科を受診しましょう。近所に小児皮膚科がある場合は、こちらでも構いません。

病院へ行った際は、今後同じような症状が出た時にどうしたらよいかを医師に聞いておくのがよいでしょう。

★以下の症状がある場合も病院へ

赤ちゃんは、あせも以外にも皮膚トラブルを起こすことがあります。中には発見が遅れると、治療が長引く皮膚疾患もあります。

あせもに似た症状に加え、以下の傾向がみられる場合も必ず病院を受診してください。

・発熱がある
・ぐずることが多く、機嫌が悪い
・周りに感染症の方がいる
・化膿している(患部が黄色や白色になっている)
・症状が広範囲にある

判断に迷う場合や、夜間などで医師・薬剤師に相談できない場合は、電話で相談できる厚生労働省の「子ども医療電話相談事業」などを利用するのもひとつの手です。こちらは夜間も受け付けています。

【子ども医療電話相談事業】

☆赤ちゃんのあせも治療と処方薬について

あせもで病院へ行った場合、症状の重さに合わせた治療と薬の処方が行われます。

症状に合わせてホームケアの指導がされる場合があるので、その際は医師の指導に従いましょう。軽症であれば、数日程度で症状が改善されます。

★赤ちゃんのあせもに処方される薬

どんな症状にどんな薬が処方されるか、説明と副作用などの注意点について解説をお願いします。

参照URL
https://www.pharmarise.com/paper/list/200808.pdf

☆自宅でできる赤ちゃんのあせも対策

赤ちゃんのあせもを治すには、自宅でのケアも欠かせません。治療中に行うと良い対策を紹介します。

★汗をこまめに拭く・洗い流す

症状を悪化させないために、汗をこまめに拭いて肌を清潔な状態で保ちましょう。特に汗をかきやすい時期は、シャワーで汗を洗い流すのが有効です。

★通気性の良い肌着を着せる

汗をしっかり吸収してくれる肌着を着せることは、肌を清潔な状態に保つことにつながります。こまめに肌着を着替えさせることも有効です。綿100%の肌着を選びましょう。

★涼しい環境を作る

汗の量を減らすために、涼しい環境を作りましょう。ただし、エアコンや扇風機の風が直接当たらないよう注意が必要です。

室温の目安は、25~28度前後とされています。ただし、暑がりの赤ちゃんの場合は23度くらいまで下げて様子を見るのもひとつの手です。

★爪を短く切る

赤ちゃんは、かゆみがあると寝ている間でも無意識にかきむしってしまうことがあります。

かきむしりであせもを悪化させることがあるので、赤ちゃんの爪は短くしておいてください。あわせて保護者も爪を短くしておきましょう。

★授乳中はガーゼやタオルを挟む

授乳中は赤ちゃんと母親の肌が密着する時間が長いため、汗をかき蒸れやすくなります。

密着が多くなる場所にガーゼやタオルを挟むことで汗を吸収させ、汗による蒸れを少なくしましょう。

★ベビーパウダーを使っても良い?

ベビーパウダーは汗を吸収して皮膚を乾燥させるため、あせもの予防には効果が期待できる場合があります。

しかし、すでにあせもがある場合は、汗管を塞ぐことであせもの症状を悪化させるおそれがあるため、使用は控えた方が良いでしょう。

なお、予防に使用する場合はパフを使わず手で薄くつけましょう。

赤ちゃんのあせもに市販薬を使える?

赤ちゃんのあせも治療は、病院へ行くのが原則です。市販薬を使うのは、診療時間外であったり、すぐに病院へ行けなかったりといった場合のみにしましょう。

市販薬による対処は、あくまでも一時的なものであることを忘れないでください。

また、市販薬を使用する際も汗の拭きとりといった自宅ケアを行いましょう。

赤ちゃんのあせもに使える市販薬

紹介する2つの市販薬は、あせものかゆみをおさえることで、赤ちゃんが体をかきむしってしまうことを防ぎ、悪化しないようにするものです。

どちらも顔に使用できますが、目や口に入らないように注意してください。また、肌に合わない・悪化したなどがあった場合は使用を中止して医師・薬剤師に相談するようにしてください。

ポリベビー

かゆみをおさえる成分の他に、殺菌成分が配合されているため、雑菌の繁殖をおさえる作用があります。

昔から赤ちゃんに使われてきた経験がある薬です。

レスタミンコーワパウダークリーム

かゆみをおさえる成分が多めに入っているため、特に掻いてしまう心配がある赤ちゃんに向いています。

また、弱いですが炎症をおさえる生薬成分も配合されています。

赤ちゃんのあせもは予防が大切!

赤ちゃんのあせもは、身近でできる予防対策がたくさんあります。

できてしまう前に

部屋の温度・湿度管理に注意する

赤ちゃんが1日の大半を過ごす部屋の中は、できるだけ風通しをよくし、熱や湿気がこもらないように調整しましょう。

汗のかきやすい部位に注意

特に汗をかきやすい、おでこ・頭・首周り・脇の下・手足のくびれ部分・背中などは、汗が溜まらないように注意してください。

首周りのしわや脇など、表面から見えにくい部分もしっかりケアしましょう。

また、赤ちゃんを寝かせている状態の頭と枕が密着している部分にも注意を払い、汗をかいたらぬぐいましょう。

過度な厚着をさせない

赤ちゃんは汗をかきやすいため、大人より洋服は1枚少ない程度で良いと考えられています。冬でもエアコンが効いた室内で厚着をさせてしまい、赤ちゃんがあせもになるケースがあります。

赤ちゃんの肌の状態をチェックし、汗をかかない程度に調整してください。

タオル生地は保温性が高いため汗をかきやすくなります。タオル生地の衣服を着せている場合は、赤ちゃんの汗が溜まっていないかを、よりまめにチェックする必要があります。

おむつ替えはこまめに

おむつの中は密封状態で汗がたまりやすいため、あせもができやすい場所になります。

吸水性が高いおむつの場合でも、赤ちゃんがおしっこやうんちをした後は、すぐに取り替えましょう。

おわりに

赤ちゃんは言葉を話せないため、あせもができてもどのような症状がつらいのか分かりません。

日頃から赤ちゃんの様子をよく観察して、早めに対処することが大切です。

あせもは、通常は数日程度で症状がおさまります。ただし、症状が悪化した、ジュクジュクしだしたなどあせもの症状と異なる状態になった場合は、病院を受診し医師に相談しましょう。