女性ホルモンが変化することで月に一度訪れる生理。
生理の影響によって起こる体調の変化はカラダの症状からココロの症状までさまざま。女性にとって生理期間はわずらわしいことも多く、身体や心への負担はできる限り減らしたいものですよね。
お酒が好きで普段からよく飲んでいる方や、会社での付き合いなどで飲まなければならない方も、生理中でも気にせずお酒を口にしていませんか?
そんな方は要注意。実は、アルコールは生理中のカラダに悪い影響を与えてしまうのです!
実際に、生理の時にお酒を飲んで、いつもより酔いが回るのが早かったり、生理痛がひどくなった経験があるのではないでしょうか。
生理中にお酒を飲むことは体にどのような悪影響を与えるのか、また、生理中にやむをえずお酒を飲むときに注意したいことをご紹介します!
お酒が生理に与える影響
生理中の出血が増える!
生理の出血は子宮内膜の表面部分が解けて剥がれ落ちることで起こります。
つまり生理の時に出る血液は子宮内膜がはがれて溶けたもの。
アルコールには血管を拡張する作用があり、この作用はもちろん子宮内膜にも影響します。
子宮内膜には血管があるため、表面部分が分解されるときに血管が拡張されると、いつもよりも多くの血液が一緒に分解されてしまい、出血が増えてしまいます。
アルコールが分解されると血管は収縮するので出血は元通りになりますが、そのタイミングは分かりません。
出血の増加が気になるようであれば、お酒は控えることをオススメします。
お酒に酔いやすくなる!
生理中は、女性ホルモンが減少することで、体全体の機能が普段に比べると低下している状態。
体の機能が低下することによって、アルコール分解能力が落ちる、つまりいつもよりアルコールを分解するのに時間がかかってしまいます。
生理中は普段よりも酔いやすくなるのはこのためなんですね。
また、生理中だけでなく生理前にもお酒に酔いやすくなると考えられています。
生理前は、生理に向けて女性ホルモンが徐々に増加していく時期です。
女性ホルモンのひとつ、エストロゲンにはアルコールを分解する酵素を抑える働きがあります。
アルコールを分解する酵素が機能しにくくなるため、生理前は酔いやすくなるのです。

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生理中にお酒を飲まなければいけないときは
生理中はお酒を飲まないほうが良いのはわかっていても、どうしてもお酒を飲みたいときや、付き合いなどで飲まなければならないときもある・・。
しかし、生理中にいつもと同じようにお酒を飲んでしまうと体へ悪影響を及ぼしてしまいます。
そんなときに、できるだけ体への負担を減らして、楽しくお酒を飲むためのポイントをご紹介します!
体を温めるお酒を選びましょう
体の冷えからくるうっ血は、生理の腹痛を悪化させます。
生理痛を悪化させないためにも、生理中は特に体を冷やさないように気をつける必要があります。
体を冷やす作用があるお酒としては、ビールや焼酎、ウイスキーなどが挙げられます。生理中には体を冷やすお酒はできるだけ避けましょう。
体を温める代表的なお酒は赤ワイン。
赤ワインを温めホットワインにして飲むと、体を温める効果もさらにアップします。
ワインと同じくブドウを原料とするブランデーも同様に効果的です。
気をつけたいのは白ワイン。
赤ワインと同じくブドウが原料ですが、キリリと冷やして飲むことが多くどちらかというと体を冷やすお酒になります。
他にも、日本酒や紹興酒も体を温める効果があります。
和食の時は日本酒、中華料理の時は紹興酒というように、食事に合わせてお酒を選べば、少量でもお酒を楽しむことができますね。
タンパク質がお酒に酔いにくくする
アルコールを分解するためには肝臓が機能しなければなりません。
肝臓が機能するために必要なのがタンパク質です。
飲む前にタンパク質の多く含まれるものを食べておくと効果的。
飲む前に何かを食べることで、空きっ腹でお酒を飲むよりも酔いにくくする効果もあります。
チーズや豆乳ならお酒を飲む前にも摂取しやすいのでおすすめです。
また、お酒を飲んでいる間もタンパク質の含まれているおつまみを食べるようにしましょう。
居酒屋などで飲んでいる場合は枝豆が非常に効果的です。
サラダなどは体を冷やしてしまうため、いつもより少し控えめにして、枝豆を食べることを意識すると良いでしょう。

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お酒とピルの飲み合わせは?
生理痛や生理不順の緩和、また避妊のためにピルを服用されている方は、アルコールの影響が気になるのではないでしょうか。
ピルの効果はアルコールに影響されることはないため、ピルを服用中にお酒を飲んでも、基本的には問題ありません。
ただし、気をつけなければいけないことは、お酒の飲みすぎでピルも一緒に吐き出してしまうこと、二日酔いなどでピルの飲み忘れが発生してしまうことです。
低用量ピルは一日でも飲み忘れてしまうと避妊効果が不十分になってしまう可能性があります。
ピルを飲む時間を忘れるほど飲酒することは控えましょう。
いずれにしても、過度の飲酒は肝臓に負担がかかるため、生理中かどうかに関わらず、ほどほどに楽しく付き合うのが良いですね。
生理痛の薬とお酒はNG!
生理痛を緩和させるために市販の鎮痛剤を服用している場合は、飲酒は控えてください。
薬とお酒を一緒に飲むことで薬の効果が弱くなったり、逆に作用を増強させてしまうなど、体に悪影響を及ぼすことがあるためです。
また、薬によっては、「服用前後は飲酒しないでください」と明記しているものもあります。
どのような影響がでるかは薬によって異なりますが、基本的にはどんな薬でも服用時はアルコールを控えましょう。

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おわりに
お酒が好きな方はもちろんのこと、そうでない方もお酒を飲む機会は身近にあると思います。
気の合う友人と一緒だととても楽しく、お酒も進んでたくさん飲んでしまうことも多いのではないでしょうか。
女性にとって生理は切り離せないもの。
生理のタイミングとお酒を飲むタイミングが重なってしまうこともあるかもしれません。
生理の時にお酒を飲みすぎると、ただでさえつらい生理がもっとつらいものになってしまいます。
生理の時にお酒を飲むリスクをしっかりと理解し、飲む量や飲み方に気を付けて適度に楽しむようにしましょう。