赤ちゃんのやけどは必ず病院を受診
赤ちゃんは大人に比べて皮膚が薄いため、やけどの症状が悪化しやすい傾向があります。
皮膚に異常がない場合を除き、やけどをしたら必ず皮膚科を受診しましょう。
受診の緊急度 | 症状 |
診察時間内に受診 | ・500円玉より小さなやけど ・皮膚が赤い ・低温やけどのおそれがある |
診察時間外でも受診 | ・500円玉より大きなやけど ・皮膚が白っぽく変色している ・水ぶくれができている ・皮がめくれている |
救急車で至急病院へ | ・体表面積の10%以上のやけど(腕1本分くらいが目安) ・薬品によるやけど ・口や鼻にすすがついている |
低温やけどはすぐに病院を受診
低温やけどの場合は、一見症状が軽そうにみえても、皮膚の深層部までやけどしているケースがあります。
数日後になって重症化し、水ぶくれなどの症状が現れたり、後遺症が残ったりする場合もあります。
こたつやホットカーペットなどで低温やけどをしてしまったおそれのある場合は、見た目の症状に関わらず病院を受診しましょう。
まずは応急処置を!とにかく冷やしましょう
赤ちゃんがやけどをしてしまった場合は、慌てて病院にいくよりも、症状の悪化を少しでも防ぐため、まずは冷やすことが大切です。
患部をどれくらい早く冷やしたかで痛みを軽くするだけでなく、やけどの悪化を防ぐことができます。
やけどした部位に直接流水を当て、15〜30分間ほど冷やしましょう。その際、以下のポイントに注意してください。
やけどの重症度によって適切な対応をしましょう
重症度 | 症状 |
対応方法 |
---|---|---|
1度 | 表面だけの浅いやけど。赤くヒリヒリと痛むが水ぶくれはできていない |
十分に冷やしておけば、病院に行かなくても治ります |
2度 | 表面が赤く腫れ、水泡ができる。痛みがある。 | 応急処置をしてから、医療機関を受診しましょう |
3度 | 皮膚が白っぽくなったり黒く焦げているような状態。神経まで焼けているので痛みは感じない。 | 応急処置をしてから、医療機関を受診しましょう。全身の10%以上のやけどの場合は、すぐに救急車を呼んでください |
服は脱がさず流水を当てる
衣服の上からやけどした場合は、服を脱がさずに流水を当てましょう。
服を脱がしてしまうと、皮膚が服にひっついてめくれてしまうおそれがあります。
服が皮膚に張り付いている場合は、無理に脱がさずに服をハサミで切り開きましょう。
冷却シートは使わない
「冷やす」という観点でやけどした部分に冷却シートを貼ってしまうケースがありますが、化学成分がやけどの傷に反応したり皮膚に付着してしまうおそれがあるので、絶対にやめましょう。
流水や氷を包んだタオルで冷やす
足や手などは水道の流水で十分に冷やすようにします。その後、病院に連れて行くときはビニールに入れた氷水をタオルで包んで患部を冷やし続けてください。
顔や頭をやけどした場合、シャワーの流水で冷やすようにしてください。顔で流水がかけにくいところは氷水で冷やしたタオルを使ってこまめに冷やしてください。
目や耳など水がかけにくい部分はアイスノンなどの保冷剤や氷を包んだタオルでこまめに冷やしてください。
タオルはこまめに取り替えて、冷たく清潔な状態を保ってください。
水ぶくれは破かない
やけどした部位を冷やす際、水ぶくれが気になることがありますが、水ぶくれは傷口を保護する役割があるので破かないように注意しましょう。
体温が下がっているときは体を温めて
患部を冷やし続けると、体温まで下がってくることがあります。その場合は、患部は冷やしていても体は毛布などで包むなど温めあげてください。
赤ちゃんのやけどに市販薬は使える?
赤ちゃんがやけどした場合、皮膚に異常がない場合を除いて、原則は市販薬を使用せずに病院を受診してください。
効能効果に「やけど」と記載されている市販薬なども、赤ちゃんの場合は医師の指示が必要になるため、自己判断で使用することはやめましょう。
赤ちゃんがやけどをしてしまった場合で、どうしても病院を受診できない場合は、市販薬を使用して応急処置を行うことも可能です。
ただし、市販薬のみに頼ることはせず、病院にいける環境が整ったら病院を受診しましょう。
ミナカラ薬局のピックアップ
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ミナカラ薬局のポイント 亜鉛華軟膏には、やけどなどによる皮膚の損傷を緩和する作用と、症状が悪化しないように皮膚を保護する作用があります。 亜鉛華軟膏は伸ばすのではなく、少し厚めに塗ってください。 目の周りへの使用はおすすめできません。口周りには使用できますが、口には入らないように注意してください。 |
おわりに
赤ちゃんの中でも、生後6か月を過ぎて自分で動けるようになった赤ちゃんのやけどが多いといわれています。
どんなものにも好奇心を持ってしまうため、やけどするおそれのあるものは赤ちゃんの手の届かない場所に置いておくことや、ホットカーペットや電気あんかに長時間当てないなど日頃から細心の注意を払いましょう。