エクオールとは?
エクオールは、大豆イソフラボンに含まれる『ダイゼイン』という成分が、腸内細菌によって変換されて体内で生まれる成分です。
また、エクオールは、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンとよく似た働きをする成分で、女性の美や健康を保つ大きな役割を担います。
ただし、その一方で、エクオールを作ることができるのは、日本人の約50%程度といわれています。
エクオールが作れる人と作れない人の特徴
日本人でエクオールを作れる人は、約50%、およそ2人に1人といわれています。
大豆イソフラボンをエクオールに変換させる働きを担うのが、エクオール産生菌と呼ばれる腸内細菌です。
エクオールが体内で作れる人と作れない人の明確な違いは、まだ解明されていません。しかし、エクオール産生菌がいたとしても、菌が活発に働いていないと、エクオールを体内で生成することができません。
過去の研究により、食生活による腸内環境の違いにその理由が隠されているのではないか、と考えられています。
地域別で見たエクオール産生率
各国でのエクオール産生率は数多く研究されており、日本だと約50%、欧米だと20〜30%ということがわかっています。
約50%という数値でも、日本は世界各国の中でエクオール産生者が多い国のひとつです。
日本以外でエクオール産生者が多い国は、中国や台湾、韓国があげられます。いずれの地域も大豆製品をよく食べる文化があります。
年齢別で見たエクオール産生率
日本人は約半数がエクオール産生者にあたります。その中でも、若年層ほどエクオール産生率が少なくなっています。
10〜20代の若い世代では、欧米人と同じ程度のエクオール産生率で、約20~30%ほどの人しかエクオールを作ることができていません。
若年層のエクオール産生率が極めて低いことに対する詳しい原因は、まだ判明していません。食生活が欧米化し、大豆製品を食べる量が少なくなっているためとの考えもあります。
エクオールを作り出すためにできること
エクオールは、大豆や大豆食品を食べ、大豆イソフラボンを摂取することでつくられます。 大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという成分が、腸内細菌の力を借りてエクオールに変化します。
エクオールを増やすためには、エクオールをつくる腸内細菌『エクオール産生菌』が重要な役割を果たします。
更年期にある女性で、大豆製品を意識してとってきたにもかかわらず、「効果を感じられなかった」という方は、腸内にエクオール産生菌がいない、またはエクオール産生菌が少なかったということも考えられます。
腸内細菌のバランスは食生活や体調によって変化するため、以前はエクオールがつくれたけど、今はつくれていないという状態もあり得ます。
大豆食品や食物繊維を摂りましょう
エクオール産生菌は腸内に存在し、善玉菌である乳酸菌を含む約15種類あると考えられています。
腸内細菌のバランスがよいと、エクオールも作られやすくなります。
エクオールの元となる大豆イソフラボンは、体内に蓄積されるわけではなく、個人差はあるものの、摂取してから1日でそのほとんどが体外に排出されてしまいます。
エクオールの効果を生かすためには、納豆や豆腐、豆乳などの大豆食品を継続して摂取するとよいでしょう。
ただし、健康のためには、特定の成分のみを摂取することよりも、バランスの良い食事をとることが大切です。日常の食生活では、大豆イソフラボンの含有量ではなく、各栄養素のバランスを意識してみましょう。
腸内環境を整えましょう
腸内細菌のバランスは、ストレスや偏った食事、睡眠不足など生活習慣の影響を受けやすいとされています。
たんぱく質や脂質が中心の食事や不規則な生活、ストレス、便秘などが原因で悪玉菌が増えると、免疫力が低下したり、生活習慣病を引き起こすなどの不調があらわれます。
体の健康のためには、腸内にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が占める割合を増やすことが重要です。
腸内環境を整えるためにも、大豆食品に加え、発酵食品や食物繊維も腸内の善玉菌を増やしたり悪玉菌を排出する役割があるため、おすすめです。
エクオールに期待できる効果
エクオールにまつわる研究について、現在では更年期症状の改善や骨粗しょう症予防効果、メタボ改善作用などさまざまな成果が報告されています。
更年期は、閉経を迎える前後5年程を指しますが、更年期の女性は、加齢にともない女性ホルモン(エストロゲン)が減少する傾向にあります。
エストロゲンが減少すると、体のさまざまな機能が変化し、神経の調節不良や心身の不調が起こりやすくなります。
そのため、エストロゲンと似た働きをするエクオールをとることで、更年期にあらわれるさまざまな不調を改善する効果が期待できます。
エクオールに期待できる効果 |
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・肌のシワの進行をおさえる ・ホットフラッシュ症状を和らげる ・骨密度の低下をおさえる ・抗酸化作用 ・血管の収縮・弛緩を安定させる ・メタボ予防 ・前立腺への作用 など |
体内でエクオールを作れているかどうか知る方法
体内でエクオールをつくれるかどうか、どのくらいのエクオールをつくれているのか、自宅で簡単に調べることができます。
自宅で簡単検査!エクオール検査キット|ソイチェック
ソイチェックは、尿検査によって体内でどのくらいのエクオールがつくれているか、 詳細な数値と全国平均の中でのレベルが分かります。
検査の方法は、自宅で採尿をし、ポストに投函すれば完了です。
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