ピル服用中でも風邪薬や胃腸薬などが服用できますが、ピルとの飲み合わせでピルの効果が弱まってしまったり、薬物相互作用がでる可能性がある薬やサプリメントがあるため、注意が必要です。

薬物相互作用とは、複数の薬を同時に服用した場合、単独で用いた場合と較べて、作用が低下したり、増強したりすることです。

薬やサプリメントだけでなく、注意すべき食べ物もあります。

この記事では、ピルと薬やサプリメント、栄養剤などとの食べ合わせや飲み合わせで気をつけておきたいものを解説します!

セントジョーンズワート

セントジョーンズワートはピルの効きを弱め、避妊効果を下げたり、不正性器出血を起こす原因になるおそれがあり注意が必要です。

セントジョーンズワートとはセイヨウオトギリソウという黄色の花を咲かせるハーブの一種です。根茎性の多年草のハーブです。抗うつ作用や止血作用があり、さまざまなサプリメントやダイエット用の飲料などに広く含まれています。

また、ハーブティーに含まれていることもあるため、ハーブティーを飲むときは成分を確認しましょう。

ピル以外の多くの薬とも併用により薬の作用を弱めます。要注意の成分なので、覚えておくと便利です。

バストアップサプリ

プエラリアやピンキープラスなどのバストアップサプリは、ピルの効果に影響を及ぼす可能性があるため併用は避けた方が無難です。

プエラリアの主成分であるプエラリア・ミリフィカには、ミロエステロールやデオキシミロエステロールなどが含まれ、これらのエストロゲン様の成分は大豆イソフラボンの1000倍程の活性力を持っているとされています。

このプエラリアに関しては、生理作用に関して国民生活センターから注意喚起が発表されているため要注意です。

プエラリア・ミリフィカを含む健康食品に関する危害情報が 2012 年度以降の 5 年間あまりで 209 件寄せられており、特に 2015 年度以降増加しています。 これらの中には消化器障害や皮膚障害といった一般の健康食品でもよくみられる危害事例のほ かに、月経不順や不正出血といった、女性特有の生理作用に影響を及ぼしていると考えられる 特徴的な危害事例が多く見受けられます。

(独立行政法人国民生活センター 報道発表資料より)

一方のピンキープラスに関しては、主成分である「ブラックコホシュ」がイソフラボンを含み、このイソフラボンが女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」に似た作用を示すことで効果を発揮します。

ただしピルも女性ホルモンをコントロールするお薬であるため、作用が重なり、必ずしも安全とはいい切れません。

いずれにせよ、ピルとバストアップサプリを併用したい場合は医師に相談するようにしてください。

プラセンタ

プラセンタなどの美容サプリは、市販で購入できるサプリメントであればピルとの併用は問題ないといってよいでしょう。特に注意喚起はなされておりません。

ただし、病院や美容クリニックなどで処方されるプラセンタに関しては、ピルとの併用に注意が必要です。プラセンタには女性ホルモンを活性化し調整する作用があり、その作用は病院で処方されるものの方が市販品より大きいため、処方のプラセンタの場合、ピルの作用を減弱させる恐れがあります。

処方薬の場合、ピルとの併用は担当医と相談の上、決定するようにしましょう。

チェストベリー・チェストツリー

チェストベリーのジュースやチェストツリーのサプリメントはピルとの併用によりピルの効果を減弱させる恐れがあるため、避けるようにしましょう。

チェストベリーは、ある種のホルモン値に影響を与える場合があります。妊婦、経口避妊薬を服用している女性、ホルモン感受性に留意しなければならない状態(乳癌など)の女性はチェストベリーを摂取するべきではありません。

厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業 「統合医療」情報発信サイトより

チェストベリーはチェストツリーの実で女性ホルモンの分泌をうながすといわれており、月経前症候群の症状をおさえる働きがあるため、市販薬では「プレフェミン」が月経前症候群(PMS)治療薬として発売されています。

「プレフェミン」の添付文書上にピルとの併用に関する直接の記述は見当たりませんが、月経異常(生理の周期や経血量の変化等)に関する副作用の注意喚起はなされていますから、可能な限りピルの処方を受けている担当医に判断を仰ぐことをおすすめします。

ビタミンC・グレープフルーツ

日常的な量であれば問題はないと考えられます。

ビタミンCのサプリを目安量を守って継続されたり、デザートにグレープフルーツや果汁のジュースを飲んだりする程度では影響はないと考えられます。ご安心ください。

ただし、ビタミンCについては、イギリスの論文でピルの作用(および副作用)を高めてしまうおそれがあるとの報告がありました。また、グレープフルーツも同様にピルの作用(および副作用)を強めるおそれがあります。

目安量を守らず、ビタミンCのサプリメントを大量にとったり、極端な量のグレープフルーツをとるのは避けた方がよいでしょう。

大豆イソフラボン

市販されている大豆イソフラボンのサプリメントとピルを併用する場合は、医師に相談してください。

イソフラボンは構造が女性ホルモンに似ており、女性ホルモンと類似の作用を発揮します。そのため、過剰摂取するとピルの効果に影響を及ぼす恐れがあります。

使用する前にまずは医師・薬剤師に相談しましょう。

その他のサプリ・健康食品との飲み合わせ

メリロート

メリロートに関してはピルとの併用に特に問題はないと考えられます。

メリロートはむくみをすっきりさせる天然ハーブ由来の成分を含んだサプリメントです、むくみ改善に継続されても問題はありません。

ダイエットサプリ

カロリミットやフォースコリーなどのダイエットサプリメントは、ピルとの併用に特に問題はありません。

マカ・葉酸

マカや葉酸など、妊娠前後に効果的なサプリメントもピルとの併用に問題ありません。使用する際は摂取量を守りましょう。

サプリメントや市販薬、処方薬以外でもピルの作用に栄養を及ぼす可能性があるものがあります。

豆乳・ザクロ

豆乳やザクロなど女性ホルモンに影響を及ぼす恐れはありますが、日常の食事では問題になるほど量を摂取できないので、普通に食べる分には問題ありません。

豆腐・納豆・薄揚げなどの大豆製品も同様です。

プロテイン・チョコラBBなどの栄養食品

市販されている栄養食品や栄養剤と、ピルとの併用に問題はありません。

漢方薬との飲み合わせ

ピルと漢方薬の飲み合わせは問題ありません。漢方には多くの婦人科疾患に有効なものがあるので、ピルと併用して症状を緩和させるケースも多くあります。

ただし、市販の「西洋ハーブ」配合の商品には、ピルに影響するおそれのある「セントジョーンズワート」や「チェストベリー」が含まれていることがあるため、注意が必要です。

注意したい市販薬

風邪薬、便秘薬、酔い止めの薬などの市販薬は、ピルと一緒に飲んでも、ピルの効果がなくなったり影響をうけることはないといわれています。

しかしながら解熱鎮痛剤の中でも、「アセトアミノフェン」を含む薬には気を付けましょう。

タイレノールや風邪薬に要注意

解熱鎮痛剤には多くの種類がありますが、その中で「アセトアミノフェン」を鎮痛成分としたタイレノールは、気をつけておきたい薬です。

併用が禁じられるほどに危険性の高い飲み合わせではありませんが、一緒に服用すると、アセトアミノフェンの効果が減弱したり、ピルの効果・副作用が強く現れたりする可能性があります。

そのため持病がある場合や健康状態が不安な場合は、医師に確認してから服用するようにしてください。もしくは、イブやロキソニンなどのアセトアミノフェン以外の鎮痛成分の薬を使うようにしましょう。

ただしヤーズは「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン(ロキソニン)」などにも注意が必要なため(高カリウム血症を誘発することがあるため)、ヤーズ、ヤーズフレックスをお使いの方は市販でお使いいただける鎮痛剤がなく、担当の医師に相談していただく形になります。

アセトアミノフェンは風邪薬などにもよく含まれていますので、ご心配であれば店頭の薬剤師または登録販売者に相談するようにしましょう。

  アセトアミノフェンを含む代表的な商品名
鎮痛剤 ・タイレノール
・バファリンルナi
・バファリンルナJ
・バファリンプレミアム
・ノーシン
・ノーシン錠
・ノーシン「細粒」
・ノーシンホワイト錠
・ノーシンホワイト〈細粒〉
・ノーシンアイ頭痛薬
・ハイタミン錠
・ラックル
・ハッキリエース
など
風邪薬 ・新ルルAゴールドDX
・新ルルAゴールドs
・新ルル-A錠s
・パブロンゴールドA
・パブロンSα
・パブロンSゴールドW
・新コンタックかぜ総合
・ベンザブロックS
・カイゲン顆粒
・ストナジェルサイナス
など

ピル(ヤーズを除く)と併用できる市販薬

アセトアミノフェンを含まないものであればピル(ヤーズを除く)と併用していただけます。以下に一例をご紹介します。

ヤーズは市販の解熱鎮痛薬との飲み合わせに注意が必要なため、担当の医師に相談することをおすすめします。

<鎮痛剤>

ロキソニンS

代表的な解熱鎮痛剤です。解熱鎮痛成分にロキソプロフェンが使用されているためピル(ヤーズを除く)と併用していただけます。

イブ

代表的な解熱鎮痛剤です。イブAやイブクイックなどの同シリーズの他商品も含め、イブプロフェンが使用されているためピル(ヤーズを除く)と併用可能です。

<風邪薬> 

エスタックイブ

代表的な風邪薬であるエスタックイブシリーズは1番スタンダードな「エスタックイブ」をはじめとして、いずれも解熱鎮痛成分にイブプロフェンが使用されているためピル(ヤーズを除く)と併用していただけます。常備薬として置いておいてもよいでしょう。

ルルアタックEX

喉によく効く風邪薬です。2種類の咳止め・痰切り・喉の炎症をおさえる成分と、喉に効く成分が豊富に含まれています。やや高価ですが喉を痛めた風邪を早く治したい場合にはおすすめです。解熱鎮痛成分にはイブプロフェンが使用されているため、ピル(ヤーズを除く)と併用していただけます。

注意が必要な処方薬

薬が処方されるとき、医師や薬剤師にピルの服用を必ず伝えるようにしてください。

処方薬の場合、ピルとの相互作用がある薬があります。ピルの効果に影響を与える恐れがある薬を紹介します。

テトラサイクリン系・ペニシリン系抗生剤(抗生物質)

テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン・アクロマイシンなど)、ペニシリン系抗生物質(アンピシリン水和物・ビクシリンなど)病原菌(細菌)を殺すいわゆる抗生剤は、ピルとの飲み合わせや併用には注意が必要とされています。

これらの抗生物質は、避妊効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。

上記グループ以外の抗生物質もあるので、医療機関を受診した際にはピルを服用していることをしっかり医師に伝えましょう。

よく処方される抗生物質のクラシッド、メイアクト、クラリス、クラビットなどはピルとの飲み合わせに問題はありません。

ステロイド(抗炎症薬)

ピルは、副腎皮質ホルモンであるステロイドの代謝をおさえると考えられているため、ピルの服用でステロイドの作用が強まる可能性が報告されています。どうしても避けるべき成分ではありませんが、服用の際は医師に相談してください。

なお塗り薬のステロイドは使用しても問題ありません。

セレスタミン(花粉症の薬)

市販されているアレグラなどの花粉症の薬や抗ヒスタミン薬と、ピルとの飲み合わせは問題ありません。

しかしながら、アレルギーの薬としてよく処方される「セレスタミン」は、ステロイドの作用があるので、花粉症の治療薬を処方してもらうときは必ず医師にピルの服用を伝えてください。

ベゲタミン錠(睡眠薬)

バルビツール酸系の睡眠薬である「ベゲタミン錠」とピルの併用は避けますが、現在ではほとんど用いられていない薬なので、睡眠薬とピルの併用に過度な心配は不要です。

マイスリーやレンドルミンなどの睡眠薬とピルの飲み合わせは問題ありません。

イミプラミン・トフラニール(抗うつ剤)

三環系抗うつ剤である「イミプラミン」や「トフラニール」などとの併用には注意が必要とされています。

ピルは三環系抗うつ剤の代謝をおさえると考えられていて、三環系抗うつ剤の作用が強まる可能性が報告されています。

睡眠薬の処方と合わせてうつの治療薬が処方されるときは、必ず医師にピルの服用を伝えてください。

まとめ:持病がある場合は必ず医師へ伝えること!

基本的には、市販薬には避妊効果を妨げる成分は含まれていないのでご安心ください。

処方薬の抗生物質などには注意が必要なため、事前に医師にピルを服用していることを伝えましょう。また、てんかんやけいれん、結核などの症状がある場合、特筆すべき持病がある場合などは、診察時に必ず医師にピルの服用が可能か確認するようにしてください。

普段飲んでいる薬やサプリメントがある場合は、ピルの処方前に必ず医師に申し出て、飲んでも大丈夫かを確認することをおすすめします。