手荒れとは?
ひび、あかぎれ、カサカサ、湿疹など・・
特に寒い冬場は手荒れの症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
一言で手荒れといっても症状はさまざまです。ひどくなると痛みを感じたり、水がしみたり、日常生活に支障がでてしまうことも。
手荒れの主な症状
◯カサカサ・乾燥
カサカサや乾燥は、寒い時期や乾燥する時期に起こりやすい症状です。よく使う手の親指や人差し指、中指の指先から症状がでてきます。乾燥の段階でしっかりケアしておくと悪化を防ぐことができます。
◯ひび・あかぎれ
乾燥が進むとひび割れたり、皮が剥けたりします。また、肌がゴワゴワ硬くなり、赤みが目立つようになります。
◯出血・赤く腫れる
ひび割れから出血したり、痛みを感じるようになります。また、赤く腫れあがり、かゆみをともなうこともあります。
◯じくじく・ただれ
じくじくして黄色い液がでたり、水ぶくれなどができます。細かいブツブツができ、痛みやかゆみも強くなります。
病院を受診したほうがいい手荒れ
「痛みや腫れがつらい」、「出血を繰り返す」など、手荒れの症状が重度の場合は、自己判断でケアを続けているとさらにひどくなってしまうおそれがあります。
日常生活に影響がでる前に、病院を受診することをおすすめします。早めに医師に相談し、適切な治療を受けることが早期改善につながります。
手荒れがひどくなったら市販薬を活用
ひどくなってしまった手荒れには、市販薬を活用しましょう。
市販薬には保湿し手を保護することに加え、さまざまな成分が配合されているので、適切に使えば症状を改善することができます。
自分の症状に合った成分や製品を選び、しっかりケアしましょう。
市販薬の選び方
市販されているハンドケア商品にはたくさんの種類があり、症状に合わせて使い分けることが重要になります。
乾燥・カサカサタイプ
乾燥にはまずは保湿が基本。
高い保湿力を持つ医薬品成分の「ヘパリン類似物質」が配合されたものがおすすめです。「ヘパリン類似物質」は皮膚科で処方される保湿クリームと同じ成分で、うるおいを与えるだけでなく、肌を整え本来のうるおいを保つ働きがあります。
ゴチゴチ・ゴワゴワタイプ
角質が硬くなった肌を柔らかくしてくれる尿素が配合されたタイプがおすすめです。乾燥して肌が硬くなっていたり、ゴワゴワしている場合は尿素配合の市販薬を使うとよいでしょう。
ただし、尿素はひび・あかぎれなど傷のある部分に使うと、しみたり刺激となったり症状が悪化することがあるので注意が必要です。敏感肌や皮膚が薄い人には刺激になることがあるので気になる部分だけ部分的に使いましょう。
ひび・あかぎれタイプ
ぱっくりわれたり、血がでてしまったり、ひどくなってしまったひびやあかぎれには弱った肌細胞の修復力を回復させることが重要です。、割れた皮膚組織の修復を助ける成分が配合されたものがおすすめです。
しもやけ・冷えタイプ
ビタミンA・ビタミンB・ビタミンC・ビタミンEなどのビタミンが配合されたタイプがおすすめです。ビタミンが手の血行を促進し、新陳代謝を促してくれるので、しもやけや冷えにも効果があります。
かゆみ・手湿疹タイプ
手のひら全体や手の背の部分にまで症状が広がる、手湿疹と呼ばれる状態になることがあります。手湿疹は炎症が起こっている状態です。痛みやかゆみもさらに強くなり、指を曲げるのもつらくなります。
炎症をおさえるステロイドなどの成分やかゆみをおさえる成分が入ったものを選びましょう。刺激に弱い状態になっているので、しっかり皮膚を修復する成分が入っていることや低刺激であることも大切なポイントです。
効果的なケア方法
ひどくなってしまった手荒れを改善するためには、ハンドクリームの効果を得やすい塗り方や塗るタイミングも重要です。
塗る前に塗る
塗る前に化粧水を手に馴染ませます。化粧水でしっかり保湿しておくと浸透力がアップし、よりうるおいのある手になります。
また、冷えたまま塗るよりも両手の平で数秒間温めてから塗ると伸びがよくなり、手に馴染みやすくなります。手を握り合わせてハンドクリームを外側から温めるとよいでしょう。
塗り方のコツ
まず、両手で軽くすり合わせ、手の平全体に行き渡らせながら温めます。強く擦りこもうとすると摩擦で肌に負担をかけてしまいます。時間をかけて優しく馴染ませていくのがポイント。
指先や指の間にも伸ばしていきます。指の付け根から指先まで指指1本ずつ、シワに沿って擦りこむように塗りましょう。
忘れてしまいがちですが、ささくれや爪の乾燥など指先のトラブルも多いものです。しっかり爪まで馴染ませましょう。
塗るタイミングは?
手を洗った後や寝る前などに塗るとよいでしょう。
また、入浴後は血行がよくなり、皮膚がやわらかくなっているので特に効果的です。入浴後から就寝前のリラックスタイムにハンドケアを取り入れるとよいでしょう。
正しい量は?
ハンドクリームの1回分の使用量の目安は、人差し指の第一関節分とされています。
ひどい症状を改善させるためには、最初の数日は特にクリームの量を意識しましょう。気になる部分には重ねづけをしたり、たっぷりと使うことが大切です。
ハンドケアのポイント
手のマッサージをしてあげることもおすすめ。ハンドクリームの効果を高めるだけでなく、末端の血行改善や冷えの予防にもつながリます。
ハンドクリームを塗ったら、保湿効果をさらに高めるために手袋をして潤いを閉じ込めることも重要です。生地は綿かシルクを選びましょう。
手荒れがひどい場合におすすめの市販薬
カサカサ・乾燥タイプに
保湿・抗炎症・血行促進の作用がある「ヘパリン類似物質」を配合した商品です。保湿力が高い「ヘパリン類似物質」が皮膚科で処方される薬と同じ量配合されています。珍しい乳液タイプで、しっとりして伸びが良く使いやすい商品です。
非ステロイド・無香料・無着色で赤ちゃんにもご使用いただけます。また、購入後は、QRコードでLineに登録するだけで、無料で薬剤師に相談することができます。
ゴワゴワ・ゴチゴチタイプに
肌を柔らかくし、潤いを保つ働きをする尿素を日本で初めて医療用と同濃度となる20%配合した商品。角質をやわらかくし、ゴワゴワして硬くなってしまった手をなめらかにケアしてくれるハンドクリームです。指先・かかと・ひざなどのゴチゴチに硬くなった部分のポイントケアにもおすすめ。
ひび・あかぎれに
割れた皮膚組織に直接はたらき修復を助けるアラントインと、肌細胞に元気を与え修復を助けるパンテノールをW配合。2つの「ひび修復促進成分」が肌に集中的にはたらくので、くり返し「パックリ」割れて治りにくかったひび・あかぎれもしっかり治療します。
冷え・しもやけに
ユースキンAは、「ビタミン」が豊富に配合されたクリームです。うるおい成分の「ビタミンC」や肌の再生化を活発にしてくれる「ビタミンB2」配合。黄色いクリームが印象的ですが、これは「ビタミンB2」によるもの。血行を改善する「ビタミンE」が入っているので、冷えがある方にもおすすめ。
「グリチルリチン酸」や「dl‐カンフル」と呼ばれる消炎成分も入っています。
しもやけなどに効果的です。
かゆみ・手湿疹に
乾燥だけでなく、かゆみや湿疹がでてしまったらこちらの商品がおすすめ。
炎症によく効くアンテドラックステロイド「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」に加え、かゆみ止めの「リドカイン」や「クロタミトン」などを配合。小さなぷつぷつができたり、赤くなっているなど、手湿疹のつらい症状に効く治療薬です。
手荒れの原因は?
日常生活では周りにあるさまざまなものに触り、手は常に刺激を受けている状態です。
実は手指の皮膚は、皮脂を分泌して乾燥を防ぐ働きをする皮脂腺が少なく、体の中でも乾燥しやすい部位。そのかわり水分を保持したり、刺激から保護する役目を果たす角質層という部分が厚くなっているのですが、毎日のさまざまな刺激により角質層を覆っている皮脂膜が取れてしまうと、水分が失われやすくなり、手荒れを起こしてしまうのです。
水仕事が多い
水に触る機会の多い人や、その際に石鹸や洗剤などを使う人は手荒れが起こりやすくなります。
水を使うだけでも皮脂膜が取れてしまい、手荒れの原因になります。それに加え、石鹸や洗剤などの刺激があるとさらに皮脂膜が取れやすくなってしまいます。
刺激が多い
水仕事以外でも手の刺激となるものはたくさんあります。紙やお札、ダンボールなどをよく触ることも手荒れの原因となります。紙をめくったり、お札を数えたり、と触ることによる摩擦が手の皮脂を取ってしまうのです。また、日常的に使うシャンプーやリンス、アルコール消毒なども手への刺激となります。日々使う製品や道具も触る際には摩擦が生じ、弱い刺激でも日々繰り返されると手荒れが進行していきます。
アレルギー
特定の物質に対するアレルギーの場合もあります。体が自然に特定の物質に対して過敏になってしまい、その物質に接触することでアレルギー反応が起こってしまうのです。その結果、手がかぶれた状態になることも。
アレルギー反応を起こすものは日常生活の中では種類も多く、個人差があります。ゴム製品、毛染料、化粧品、香料、金属類などがよく見られ、使うことが多い方は手荒れが起こりやすくなります。
アトピー性皮膚炎
体質やそもそも持っている素因が原因の場合もあります。
同じように生活していても手荒れになりやすい人、なりにくい人がいますが、アトピー性皮膚炎など刺激に弱く、敏感な人は手荒れを起こしやすく、悪化もしやすい傾向にあります。
日常生活での注意点
ひどくなってしまった手荒れを改善するには日々のケアがとても重要。何気ない日常生活の行為が悪化する原因になっている場合があります。
手を洗い過ぎない
必要以上に手を洗ってしまうと、手の手のバリア機能が失われてしまいます。お店などにあるハンドドライヤーは指先を乾燥させすぎてしまう傾向にあるため、使わないことをおすすめします。自然乾燥だは水気が蒸発する際に肌の水分や皮脂を奪うので、手を洗った後は清潔なハンカチやハンドタオルなどで速やかに水気をしっかり拭き取ることが大切。手洗い後はハンドクリームなどで手のケアをしましょう。
お湯を使わない
寒い時期は特に、熱いお湯を使いたくなります。
お湯は人の皮脂を溶かしやすく、水を使った後よりも手荒れを起こしやすくなるため、手を洗うときはぬるま湯で洗い、ゴシゴシとこすりすぎないように注意しましょう。
刺激をできるだけ避ける
洗剤、シャンプー、消毒、ほこり、アルコールなど日常生活で手への刺激になるようなものはできるだけ避けましょう。むやみにいろいろなものに触れないことが大切です。綿の手袋などで常に手を保護し、水仕事やお湯を使う場合は上にゴム手袋をするなど工夫しましょう。
乾燥に気をつける
手は乾燥しやすい部位なので、乾燥対策は特に重要。空気が乾燥している冬は特に注意が必要です。適度な湿度を保ち、保湿もしっかりおこないましょう。
症状がよくなっても油断しない
だんだん良くなってきても油断しないことが大切です。治りかけの状態で手に負担をかけてしまうと手荒れを繰り返すことになってしまいます。良い状態を保つために油断せずに日々のケアを忘れずにおこないましょう。