水虫とは?

水虫は、白癬菌というカビ(真菌)が皮膚の角質層に繁殖して発症します。皮膚がジクジクしたり、皮がめくれたり、かゆみが生じたりすることが特徴。

水虫の中には手に感染した「手白癬」、爪の先に感染した「爪白癬」、頭に感染した「頭部白癬」(しらくも)、お腹や背中などに感染した「体部白癬」(たむし)などがありますが、長時間靴を履いていることが多く蒸れやすい環境にある足の水虫「足白癬」が多い傾向にあります。マットやスリッパなどを長い間共用していると、それらに付着した白癬菌が足に感染して発症する家庭内での感染が多くなっています。

市販薬で水虫は治せる?

水虫は真菌による感染症であるため、水虫の治療には、「抗真菌薬」を使用します。

市販されている水虫薬の中にも病院で処方される抗真菌薬と同じ有効成分を配合したものがあり、水虫の治療に使用することができます。

ただし、爪白癬は市販薬では治せないので皮膚科を受診する必要があります。

また、水虫と似た症状を起こす皮膚の病気が他にもあるので、初めて症状が出た場合や一ヶ月程度市販薬を使用しても症状に改善がみられない場合は、皮膚科を受診しましょう。

市販薬に含まれる抗真菌成分は?

市販薬も処方薬と同じように真菌である白癬菌をおさえるため抗真菌成分を配合しています。

市販薬に含まれる抗真菌成分と該当する処方薬をまとめました。

抗真菌成分 同成分の処方薬

ラノコナゾール

アスタット

ブテナフィン塩酸塩

メンタックス

テルビナフィン塩酸塩

ラミシール

アモロルフィン塩酸塩

ペキロン

これらの抗真菌成分は、高い殺菌力と浸透性をもち、人の肌への刺激も少ないため、現在では主流となっています。

水虫で処方薬を使用していたことがある方は、同じ成分の市販薬を選ぶのもよいでしょう。

市販薬の選び方

市販の水虫薬にはさまざまな種類があり、どうやって選んでいいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。数ある市販薬の中から自分に合った商品を選ぶポイントについて解説します。

剤形で選ぶ

水虫の薬と言っても、さまざまな剤形があります。

 

剤形 特徴 適した部位・症状
軟膏

・塗布した場所にとどまる性質が強いため、

患部を保護したり、保湿する効果が高い

・クリームや液体に比べて、刺激が少ない

・べとつく

・ジクジク

・ひび割れ

クリーム

・伸びが良く、広範囲に塗りやすいのが特徴。

・薬の浸透性がよい

・軟膏よりも塗布後のべとつきが少ない

・軟膏に比べると多少刺激が出る場合がある

・指の間

・ジクジク

・角化した足の裏

液体

・薬の浸透性がよい

・軟膏やクリームより刺激が強いため、

患部がただれていたり、皮膚の弱い人には向かない

・カサカサ

・水泡が破れていない水虫

エアゾール

・液状タイプをスプレーで広範囲に

塗布できるようにしたタイプ。

 

・幹部が広範囲

パウダースプレー

・パウダー状の薬剤をピンポイントでスプレーできるタイプ。

・塗布できる範囲は広くない

・患部にピンポイントで浸透させることができる

・グジュグジュした部分の保護・乾燥

・趾間型

 

 

その他に、ゲルやジェルなどのタイプもあります。それぞれの特徴を理解し、自分の状態に合ったものを選びましょう。

症状や部位で選ぶ

実際に自分の症状に合ったものを選ぶにはどうしたらいいのでしょうか。こんな症状の時はどのタイプがいいの?この部位に適したタイプはどれ?など悩みに応じた選び方をお伝えします。

 

症状のタイプ 適した剤形

ジュクジュク

・刺激が少なく、保護効果の高い軟膏タイプ

・患部を乾燥させるパウダースプレータイプ

・べとつくのが気になる場合はクリームタイプ

カサカサ

・浸透性がよい液体タイプ、エアゾールタイプ

(※液体タイプはアルコールを含むため、

ジュクジュクした部位に使用するとしみて痛むので注意が必要です。)

部位 特徴

おすすめの剤形

足の指の間

・水虫が発生する場所として多い部位

・趾間型と呼ばれる

・水ぶくれか、白くふやけていることが

多い状態

・皮がむけて傷になっていることも多い

○表面が乾燥している場合

・液体タイプ

 

○ジュクジュクしている場合

・軟膏タイプ

・クリームタイプ

・パウダースプレータイプ

足の縁

土踏まず

・小水疱型とも呼ばれる

・小さい水ぶくれが多発し、

破れて皮がむけたり、かゆみをともなう

・クリームタイプ

(伸びが良い)

 

・エアゾールタイプ

(広範囲に使用できる)

かかと

・角質増殖型とも呼ばれる

・足底全体に生じ、足の裏が硬く厚くなり、

時にひび割れをともなっている状態

・かゆみはあまりない

・クリームタイプ

(浸透性が良い)

 

○乾燥している場合

・液体タイプ

 

○ひび割れている場合

・軟膏タイプ

 

おすすめの市販薬

ラノコナゾール

処方薬の「アスタット」と同じラノコナゾールを配合したピロエースシリーズ。

 

 

 

ピロエースZクリーム

ブテナフィン塩酸塩

処方薬の「メンタックス」と同じブテナフィン塩酸塩を配合したブテナロックシリーズ。

 

 

ブテナロックVαスプレー

 

ブテナロックVαクリーム

 

テルビナフィン塩酸塩

処方薬の「ラミシール」と同じテルビナフィン塩酸塩を配合したラミシールシリーズ。

 

ラミシールプラス液

 

ラミシールATクリーム

 

市販薬に含まれる他の成分

市販されている水虫薬には、抗真菌成分の他にもさまざまな成分が配合されています。

かゆみをおさえる成分

 

抗ヒスタミン成分

クロルフェニラミン塩酸塩

ジフェンヒドラミン塩酸塩

局所麻酔成分 ジブカイン塩酸塩 リドカイン

鎮痒成分

クロタミトン

殺菌消毒成分

 

イソプロピルメチルフェノール

ベンザルコニウム塩化物

抗炎症成分

 

グリチルレチン酸類

 

○かゆみをおさえる成分

抗ヒスタミン成分はかゆみを引き起こすヒスタミンという物質の働きをおさえかゆみを鎮める役割があります。

局所麻酔成分は、知覚神経を一時的に麻痺させることでかゆみを鎮める働きをします。

ただし、一時的に麻痺させることで治ったと思い、治療を止めてしまうことがあるので注意が必要です。

鎮痒成分は患部に刺激を与えることによってかゆみを緩和します。クロタミトンは熱感を与え、かゆみをおさえる作用がありますが、傷がある場合は刺激になるので注意が必要。

 

○殺菌消毒成分

かゆみがひどいと寝ている時や無意識にかいてしまうことがあり、その傷から二次感染が起こることがあります。殺菌消毒成分は患部の傷から侵入した細菌などの増殖をおさえ、二次感染を防ぐ働きがあります。

 

○抗炎症成分

患部では炎症が起こっている場合もあるので、抗炎症成分が配合されることもあります。

グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸はいずれも生薬の甘草の有効成分であるグリチルリチン酸が本体である成分で、炎症をおさえる働きがあります。

市販薬で治せない場合は?

以下の場合は、市販の薬では十分な効果が期待できないことがあります。

該当する場合は病院を受診しましょう。

 

・爪白癬の場合

・初めて症状が出た場合(水虫かどうかはっきりしない場合)

・患部が広範囲である場合

・患部が顔、頭、陰のう、粘膜である場合

・患部の状態がひどい場合

・亀裂や外傷がある場合

・妊娠または妊娠していると思われる場合

・乳幼児、アレルギー体質の人の場合

・ 他の病気で受診している場合(糖尿病など)

日常生活での注意点

水虫の治療は、ただ薬を塗っておけばいいというわけではなく、日常生活でのケアがとても重要になってきます。日常生活で気を付けるべきポイントについて解説します。

清潔を保つ

患部は常に清潔にしておくことが大切。白癬菌の繁殖をおさえるために入浴は毎日欠かさずにし、指の間までしっかり洗いましょう。

乾燥を心がける

ジメジメした環境では白癬菌が繁殖しやすくなります。患部のむれを防ぎ、日頃から通気性を良くすることを意識しましょう。洗ったあとは水分をしっかりふき取り、しっかり乾燥させましょう。

薬を使用するタイミング

水虫の薬を使うタイミングはお風呂上がりがおすすめです。患部が清潔であり、皮膚がふやけて薬が浸透しやすいためです。同じ時間に塗る習慣をつけておけば塗り忘れを防ぐことができます。

他の人にうつさないために

水虫は足から落ちた皮膚によっても感染するのでバスマット、タオル、スリッパなどは共用しないようにしましょう。