足の水虫は市販薬で治療できる
水虫は、カビの一種である白癬菌に感染することが原因で発生します。
白癬菌は長時間付着しない限り水虫になることはありませんが、靴や靴下を履き続ける生活を続けていると水虫が生じやすくなります。
水虫になってしまった場合は、この白癬菌を殺菌する薬を使用する必要があります。
市販薬にも白癬菌を殺菌する薬があり、足にできた水虫を治療することができます。
足の水虫には趾間型・小水疱型・角質増殖型の3種類がある
足の水虫は大きく、「趾間(しかん)型」と「小水疱型」「角質増殖型」の3種類に分かれます。
趾間型 | 乾燥趾間型 | ・足の指と指の間の皮がむける | |
湿潤趾間型 | ・足の指と指の間が白くふやける | ||
小水疱型 | ・足の裏に小さな水ぶくれができ、かゆみを感じる | ||
角質増殖型 | ・足の裏全体が硬くなりひび割れることがある ・水虫が慢性化した状態であり、かゆみや痛みは感じない |
発症する水虫の種類はひとつだけとは限らず、複数の型を併発することがあります。
爪が白くにごったり変形する爪水虫は市販薬では治療できないため、皮膚科を受診してください。
症状・成分別!水虫の市販薬の選び方
症状別におすすめの薬のタイプ
水虫薬には、クリーム・液・スプレー・軟膏などさまざまなタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。
水虫のできた場所や状態に応じて適した薬のタイプがあるため、自分の症状に応じて薬のタイプを選びましょう。
水虫の症状 | 水虫の種類 | 適した薬のタイプ |
ジュクジュク | ・湿潤趾間型 ・水ぶくれが破れた小水疱型 |
・乾燥させる場合はパウダー ・保護する場合は軟膏・クリーム |
ブツブツ | ・小水疱型 | ・液・スプレー・クリーム ・水ぶくれが破れている場合は液やスプレーは使用しない |
カサカサ | ・角質増殖型 ・乾燥趾間型 |
・液・スプレー・クリーム ・角質軟化成分が配合された薬 |
かゆみが強い | ・趾間型 ・小水疱型 |
・エアゾールスプレー ・かゆみ止めの成分が入っている薬 |
病院の薬と同じ成分が配合されている市販薬がおすすめ
水虫の市販薬のほとんどは病院で処方される水虫薬と同じ成分を使用しており、高い効果が期待できます。
以前、処方薬を使用していた方は同じ成分の市販薬を選ぶのもよいでしょう。
成分 | 代表的な処方薬 | 代表的な市販薬 |
ラノコナゾール | アスタット | ピロエースZシリーズ:ピロエースZ軟膏など |
テルビナフィン塩酸塩 | ラミシール | ・ラミシールシリーズ:ラミシールATクリーム、ラミシールプラスクリームなど ・ダマリンシリーズ:ダマリングランデX液、ダマリングランデパウダースプレーなど |
ブテナフィン塩酸塩 | ・メンタックス ・ボレー |
ブテナロックシリーズ:ブテナロックVαスプレー、ブテナロックVαエアーなど |
ラノコナゾールは、抗菌作用の幅が広いため、カンジダ菌などとの複合感染のある場合にも効果を示します。また、他の成分と比べると副作用が少ないのも特徴です。
テルビナフィン塩酸塩は、白癬菌に対して強い抗菌・殺菌作用がある成分です。
ブテナフィン塩酸塩は、白癬菌に対して極めて強い抗菌効果がありますが、カンジダ菌に対する抗菌効果は弱いという特徴があります。
女性の水虫の市販薬の選び方
実は水虫で悩む女性の割合は男性とほぼ同じで、水虫で病院を受診する患者の男女比は1:1という調査もあります。しかし、女性は水虫の薬を手に取ることに対する抵抗を感じがちです。
水虫の市販薬の中には、女性でも手に取りやすいパッケージ、シンプルで使い勝手にこだわり抜いたデザイン、清涼感のあるせっけんの香りなど、女性でも購入・使用しやすいシリーズが存在します。
女性向けの水虫の薬の代表的なブランドには「エクシブ」があり、ダマリンからは「ダマリンDX」、ブテナロックからは「ブテナロックL」が、女性向けのシリーズとして存在しています。
どの製品も通常の製品とパッケージや香りに違いがあるだけで、薬の成分や効果は同じです。いずれも処方薬と同じ抗真菌成分が配合されており、高い効果が期待できます。
製品名 | 成分 |
エクシブ | テルビナフィン塩酸塩 |
ダマリンDX | |
ブテナロックL | ブテナフィン塩酸塩 |
妊娠中の方は、薬を使用する前に担当医に相談してください。
また、市販薬を使っていいか判断に迷う場合には、弊社の薬剤師に無料で相談できるサービスをご利用ください。
水虫におすすめの市販薬
軟膏タイプは水ぶくれが破れてしまった場合でもおすすめ!
軟膏タイプは刺激が一番少なく皮膚を保護する力が高い薬です。また吸湿性もあり、趾間型・小水疱型・角質増殖型のどの種類の水虫にも使用できます。
小水疱型の水ぶくれが破れてしまった場合にもおすすめです。
クリームは趾間型・小水疱型・角質増殖型どの水虫にも使える!
クリームも軟膏と同様に、どの種類の水虫にも使用することができます。
軟膏に比べて、べとつきが少ないのが特徴です。
皮膚を保護する働きと使用感のバランスが良く、成分をすりこむことで浸透させることができます。
液体タイプはカサカサした水虫におすすめ!
液体タイプはカサカサした、趾間型や角質増殖型の水虫におすすめです。
指の間や足のふちなど、細かいところにも塗りやすいボトル設計となっています。
しみることがあるため、傷ができていたりだだれているときには使用を控えてください。
スプレータイプは水虫に触れずに使える!
スプレータイプは、水虫に直接手で触れることなく広範囲に成分を行き届かせることができるのが特徴です。
薬の使用後に手を洗わずに済むため、使い勝手に優れています。
液体と同様にスプレータイプも刺激が強いため、傷やただれのあるときは使用を避けてください。
エアゾールスプレーはかゆみの強い水虫におすすめ!
かゆみがひどい水虫には、局所麻酔剤や抗ヒスタミン剤などのかゆみ止めの成分が入っている薬がおすすめです。クロタミトン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンマレイン酸、リドカイン、ジブカインなどの成分が含まれている薬を選択しましょう。
また、特に強いかゆみを感じている場合は、冷却作用で一時的にかゆみを麻痺させるアイススプレーの使用も効果的です。
パウダーはジュクジュクした水虫におすすめ!
パウダーはジュクジュクした水虫を乾かすことができます。
ジュクジュクした趾間型の水虫や水疱型で水ぶくれが破れてしまった場合にも使用可能です。
角質軟化成分の入ったクリームはかかとの水虫に!
角質の厚いかかとの水虫には、角質軟化成分が入った薬がおすすめです。
角質を柔らかくすることにより抗真菌成分が浸透しやすくなります。
代表的な角質軟化成分は尿素です。ただし傷などがあり患部がぱっくり割れている場合は、尿素配合のものは刺激になるため使用を避けてください。
女性におすすめの薬
女性には、シンプルで一目見ただけでは水虫の薬とはわかりにくい次のような薬がおすすめです。
病院の薬と同じ成分が配合されており、高い効果が期待できます。
水虫の薬の使い方と注意点
薬はお風呂上がりに塗るのがおすすめ!
今回記事で紹介した薬の使用回数は、1日1回です。
入浴後の肌が柔らかくなった状態だと薬の成分が浸透しやすいため、お風呂上がりに薬を塗るのがおすすめです。
水分をよくふき取ってから、薬を塗りましょう。
水虫の薬を塗った後はどうする?
軟膏タイプやクリームタイプの水虫の薬を塗った後は、手を洗ってください。
薬を塗った後は、裸足のままでも靴下をはいてもどちらでも構いません。
靴下をはく場合は、液やスプレーの薬が乾いてからにしましょう。
市販薬は継続して使用する
薬によって症状がおさまり、水虫が治ったと思っても白癬菌は潜伏しています。
自己判断で薬の使用を中止すると、水虫が再発するおそれがあります。
症状がなくなっても最低4週間は薬を使い続けてください。
市販薬を使用しても改善しない場合は皮膚科へ
薬を使用しても症状が改善しない場合は、水虫ではない可能性も考えられます。
水虫に似た症状が現れる疾患には、汗疱・カンジダ症などがあります。
また、水虫であっても慢性化した角質増殖型は治りにくいため、皮膚科で治療を受けた方がよい場合もあります。
市販薬を2週間程度使用しても症状が改善しない場合は、皮膚科を受診してください。
おわりに
足にできる水虫の多くは市販薬でも改善が可能です。さまざまな種類の水虫の薬が販売されていますが、ご自身の症状や部位に合わせて適切な薬を選ぶことが治療の近道です。水虫の薬の効果的な選び方を確認しましょう。