慢性的に痰が絡む原因は?
痰が絡む原因は、自動車の排気ガスや工場現場などの粉塵、タバコの煙などがあげられます。また、風邪をひいたときも痰が出ますが、長くは続きません。
慢性的に痰が絡む場合は、なんらかの病気が原因になっていると考えられます。原因として考えられる病気には、以下のようなものがあります。
・慢性閉塞性肺疾患(COPD) ・気管支喘息 ・慢性副鼻腔炎 ・通年性アレルギー性鼻炎 など |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、主にタバコの煙などの有害物質を、長期間吸うことにより発症する病気で、痰を伴う咳が続く、少しの動きでも息切れをしやすくなるなどの症状があらわれます。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、黄色や粘り気のある痰がでます。
気管支喘息
気管支喘息は、アレルギーなどが原因で発症する病気で、咳や痰、呼吸困難、喘鳴(のどがゼイゼイと鳴る)などの症状が発作的にあらわれます。
気管支喘息では、透明または白っぽい痰がでます。
慢性副鼻腔炎
慢性副鼻腔炎は、主に細菌感染が原因で発症する病気で、鼻がつまる、膿が混じった鼻水がでる、頭重感などの症状があらわれます。
慢性副鼻腔炎では、膿が混じった鼻水が喉に流れることにより、咳や黄色の痰がでることがあります。
通年性アレルギー性鼻炎
通年性アレルギー性鼻炎は、主にダニやカビ、ペットなどに対するアレルギーが原因で発症する病気で、くしゃみや水のような鼻水、鼻づまりなどの症状があらわれます。
通年性アレルギー性鼻炎では、水のような鼻水が喉に流れることにより、咳や白っぽい痰がでることがあります。
痰が絡む症状が続く場合は病院を受診
以下のような場合は、病院を受診しましょう。何らかの病気が原因で、痰が絡む症状が続いている場合があります。
・痰が絡む症状が3週間以上続いている ・黄色や緑色などの粘り気のある痰が出る ・痰に血が混じっている など |
なお、痰が絡む状態を放置したり、原因がわからないまま市販薬を使用して咳をとめたりすると、病気を進行させてしまうおそれがあります。
痰が絡む症状が続く場合や、風邪・鼻炎・喫煙など痰がからむ原因が思い当たらない場合は、病院を受診し原因をはっきりとさせることが大切です。
痰が絡む場合の対処法
痰が絡む場合には、気道への刺激を緩和したり、市販薬を使用したりすることで、症状の緩和が期待できます。
部屋の乾燥を防ぎ、水分摂取を多めにおこなう
部屋の空気が乾燥していると、痰が外に出にくくなります。部屋を加湿して、空気の乾燥を防ぎましょう。
また、痰を出しやすくするためには、意識して水分を摂取することも大切です。水分を摂取することで、痰の粘り気が減り、痰が出しやすくなります。
禁煙するなどして気道への刺激を和らげる
痰が絡む症状を緩和させるためには、気道への刺激を和らげることも大切です。気道への刺激を和らげる方法には、以下のようなものがあります。
・空気の乾燥する冬場にはマスクを着用する ・アレルゲン除去のために空気清浄機を設置する ・たばこを吸っている方であれば禁煙をする など |
■禁煙が難しい場合は市販の禁煙補助薬の使用も
禁煙が難しい場合には、市販の禁煙補助薬を使用するのも一つの方法です。
禁煙補助薬を使用すると、禁煙開始後の離脱症状が緩和されるため、薬を使わない場合に比べて禁煙をおこないやすくなります。
■市販で購入できる禁煙補助薬
市販で購入できる禁煙補助薬には、ニコチンパッチとニコチンガムがあります。
ニコチンパッチは体に貼り皮膚からニコチンを吸収させることで、ニコチンガムは口の粘膜からニコチンを吸収させることで、禁煙開始後の離脱症状を緩和します。
禁煙補助薬の選び方や、使用方法については、以下の記事で解説しています。
市販薬を使用する
痰が絡む症状を緩和させるためには、去痰成分が配合された市販薬を使用するのも一つの手段です。
去痰成分には、気道粘膜からの分泌液をうながしたり、痰の粘り気を減らしたりすることで、痰を出しやすくする作用があります。
去痰成分が配合された市販薬については、以下の記事で紹介しています。