リップクリームを塗って、一時的に乾燥が治ってもまたすぐに唇が荒れてしまう・・・唇のトラブルが続いてなかなか治らない・・・
そんなときは、腸内環境や口腔環境も見直してみませんか。
腸内・口腔内の環境の悪化は、口角炎などの唇のトラブルを引き起こす原因のひとつとなります。また、唇のトラブルだけでなく、さまざまな病気の要因となることもあります。
健康的な肌や唇を保つためにも、腸内環境や口腔環境を見直してみましょう。
腸内環境の悪化で起こりやすい症状
便秘
腸内環境の悪化により腸内の悪玉菌が増えると、大腸の動きをうながしたり腸の働きをサポートしたりする善玉菌の割合が減少します。
善玉菌が減ると腸が動きにくくなり、便がでない便秘症状が起こることがあります。
また、便秘が続くことで腸内環境はさらに悪化する悪循環に陥ります。
肌荒れ・唇の荒れ
腸内の善玉菌は皮膚を正常に保つために必要なビタミンB群を産生する働きがあります。
腸内環境の悪化は、善玉菌のビタミン産生のはたらきをおさえて、肌・唇荒れの原因となることがあります。
免疫力の低下
腸には体内への外敵の侵入を防ぐための免疫を担う「腸管免疫」と呼ばれる細胞や抗体が存在しています。
腸内細菌のバランスが崩れて腸管免疫が低下すると、アレルギーや免疫が関係する疾患を発症しやすくなります。
うつや不安な気分になりやすくなる
腸内細菌はビタミンだけでなく、セロトニンという感情や気分のコントロールに必要な神経伝達物質の合成にも関わっています。
腸内環境の悪化によりセロトニンが不足し、精神面の不調につながることも考えられます。
口腔環境の悪化で起こりやすい症状
口内炎・歯周病などの口腔トラブル
歯磨きが不十分で食べかすが残っている場合や、口の中が乾燥している場合、細菌が増殖しやすい環境となっています。
口の中の細菌が増えることで、口内炎・唇荒れ・歯ぐきの炎症を起こしやすくなります。
糖尿病の悪化
持病で糖尿病がある場合、口腔環境が悪くなり歯周病になると、血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなり、糖尿病を悪化させるおそれがあります。
動脈硬化
歯周病菌などの口腔内の細菌により、動脈硬化が起こりやすくなります。
歯周病菌がつくる物質が血管に炎症を起こすことにより、血管が詰まりやすくなります。
腸内環境を整えるセルフケア
腸内環境や口腔内の環境を整えるには、毎日のセルフケアが重要です。
セルフケアをおこなうことで、唇や皮膚のトラブルだけでなく、糖尿病・脳梗塞などの生活習慣病の予防にもつながります。
プロバイオティクスの摂取
健康に有益な作用を持った生きた善玉菌のことを「プロバイオティクス」といいます。身近な食品では、ヨーグルトや納豆などの発酵食品に含まれるビフィズス菌や乳酸菌のことを指します。
食品により直接プロバイオティクスを摂取することで腸内の善玉菌を増やすことができます。ただし、食品で補った善玉菌はある程度の期間は存在しても、住み着くことはないとされているため、継続的に摂取することをおすすめします。
プレバイオティクスの摂取
腸内にもともと存在する善玉菌を増やす効果のある食品成分のことを「プレバイオティクス」といいます。バナナ・玉ねぎ・大豆などに多く含まれるオリゴ糖やひじきやわかめなどの海藻類に含まれる食物繊維がプレバイオティクスにあたります。
食事に取り入れやすいものも多いため、意識してとりましょう。
口腔内環境のセルフケア
正しいブラッシング方法
ペンを握るように軽く歯ブラシを持ち、歯に対して45度の角度でブラシの毛先を当て、左右に小刻みに往復させて1本ずつ磨きます。
特に歯垢がつきやすい歯と歯ぐきの境目などは念入りに磨きましょう。
口腔乾燥症(ドライマウス)のケア
唾液には歯や粘膜に食べ物をつきにくくする作用や抗菌作用、食べ物を消化する作用があります。ドライマウスの方は、唾液の分泌が少なくなっていることで口腔内を衛生的に保ちにくくなっています。
よく噛んで食べること、水分をこまめにとる、耳の下や顎下にある唾液腺をマッサージするなど意識して行っていきましょう。
腸内環境を整えるおすすめ市販薬
すでに便秘気味な方や歯や歯ぐきに悩みがある方は、セルフケアを助ける医薬品や医薬部外品を合わせて取り入れてみましょう。
継続して使用していても症状がよくならない、または悪化する場合には、早めに医療機関を受診してください。
腸を整える市販薬
腸の機能維持に必要な酪酸を産生する酪酸菌、酪酸菌の増殖を助ける乳酸菌、乳酸菌を増やす糖化菌の3種類を配合。便通を整える効果があります。
クセにならない便秘薬
便を柔らかくすることで効果を発揮する医薬品です。腸を直接刺激して排便をうながす刺激性の下剤とは違い、クセにならない便秘薬です。薬の服用に合わせて、しっかりと水分を摂取するとより効果的です。
口腔環境を整えるおすすめ市販薬
刺激の少ないジェルタイプの歯磨き粉
ムシ歯の発生および進行・歯周炎・歯槽膿漏・歯肉炎の予防、口臭の防止に使用できる研磨剤や発泡剤の入っていない刺激の弱い歯磨き粉です。
フッ化ナトリウムが歯をコーティングし、塩酸クロルヘキシジンが抗菌力を発揮します。
歯肉炎・歯槽膿漏の症状に
指で患部に塗り込むタイプの医薬品です。歯ぐきの痛み・腫れ・出血といった歯肉炎・歯槽膿漏の症状を緩和し、口内炎にも効きめがあります。