人にうつらない口内炎の種類
人にうつらない口内炎は、免疫力の低下によっておこる「アフタ性口内炎」、やけどや矯正器具などの物理的な刺激によっておこる「カタル性口内炎」、カンジダ菌の増殖によっておこる「カンジダ性口内炎」です。
免疫力の低下や物理的な刺激は、感染性の菌やウイルスが原因ではないため人にうつる心配はありません。また、カンジダ菌は人が常に保有している菌であり、抵抗力が弱まることで増殖するため、人にうつることはありません。
日常生活の中で起きる口内炎の多くは人にうつらない種類です。
口内炎の種類と病院での治療法について詳しくは関連記事をごらんください。
人にうつる口内炎の種類
ウイルスの感染が原因でおこる、以下のような「ウイルス性口内炎」は、人にうつることがあります。
ヘルペス性口内炎
単純ヘルペスウイルス1型に感染することで口内炎ができます。単純ヘルペスウイルス1型は、3歳までに初めて感染することが多いウイルスです。
38度以上の高熱がでて、2〜3日後に口内炎ができます。口の中に水疱がたくさんできた後に歯茎が赤く腫れ、喉まで口内炎ができることがあります。痛みが強いため、飲食が困難になることが特徴です。
熱は3日以上続き、熱が下がった後でも口内炎の症状は1週間ほど続きます。
ヘルペスウイルスは一度感染すると、症状が治っても体内から消えることはないので、風邪やストレスなどで免疫力が落ちると症状が再発します。
ヘルパンギーナ
エンテロウイルス属に属するコクサッキーウイルスに感染して起こるいわゆる夏風邪の一種です。初夏から秋にかけて流行します。
感染者の90%以上が5歳以下の乳幼児で、幼稚園や保育園などの集団生活の中で感染することが多い感染症です。
38度以上の高熱が2〜3日続き、口蓋(口の中の天井部分)や喉の周りに1~5mmの水疱ができることが特徴です。熱が下がるとしだいに口内炎も治っていきます。
手足口病
主にコクサッキーウイルスA6・A16・エンテロウイルス71の感染が原因で起こります。ヘルパンギーナと同じく夏に流行することが多く、感染者の90%以上が5歳以下の乳幼児です。
手のひらや足の裏、口の中に2~3mmの水疱ができます。感染者の3分の1に発熱もみられますが、高熱になることはあまりありません。
口内炎はキスでうつる?
ウイルス性口内炎は乳幼児間で感染することが多く、基本的に大人同士で口内炎がうつることはほとんどありません。
ただし、ヘルペスウイルスは感染力が強く唾液にも含まれるため、大人でもキスで口内炎をうつしてしまう可能性はあります。
ヘルペスウイルスに保護者が感染している場合、子供にキスをするとうつしてしまう可能性があるので注意しましょう。
口内炎をうつさないために
家族の間で接触して感染することが多いのがヘルペスウイルスです。特に家庭内に小さな子供がいる場合は注意してください。
家庭内で感染を広げないために、身近でできるケアを紹介します。
患部に触れない
患部は極力触らないようにしましょう。触れた場合はすぐに手を洗い、患部に触れた手のまま他のものを触らないようにします。
使うものを共有しない
タオルや食器を分けて、感染した人が使ったタオルや食器を共有しないようにしましょう。タオルはよく洗って日光で乾かし、食器は洗剤で洗ってください。
身の回りのものを清潔に保ち、ウイルスに感染した唾液に触れないように注意します。
接触を避ける
キスやほおずりなど密着した接触は避けましょう。キスは唾液を通して感染する可能性があります。ヘルペスウイルスは感染力が高いので、ほおずりでも感染する可能性がゼロとはいえません。
口内炎の早期ケアは市販薬で
ウイルス性の口内炎は、原因となるウイルスへの対処が最優先になります。発熱やその他の症状が出ている場合は、早めに病院を受診しましょう。
ウイルスが原因ではない口内炎の場合は市販薬での対処が可能です。
こちらの記事では、剤形別の口内炎の市販薬をご紹介しています。
おわりに
赤ちゃんや子供に口内炎が感染してしまうと、痛んだりしみたりして飲食が困難になることもあります。症状がひどいときは早めに病院を受診して、原因を診断してもい正しい治療を行いましょう。