唇は荒れやすい部位!

唇はからだの中で唯一外界に直接触れている粘膜で、とてもデリケートな面をもっています。

 

唇は、縦にはしるシワとその間に連続的に溝が存在する構造になっています。また、皮脂膜がほとんどなく角層が非常に薄いため、バリア機能をキープしづらく、水分が蒸発しやすい特徴があります。

唇の乾燥が進むにつれて、縦ジワの間に存在する溝がなくなるなどの形態的変化も、唇の荒れの程度を図るサインとなります。

唇が荒れる原因

過度の乾燥

唇の乾燥は、進行すると唇に亀裂が入る原因になり、痛みをともないます。

また、唇をなめることで唇の皮脂が減り、乾燥が進むこともあります。乾燥を感じたときなど無意識に唇をなめることで、結果的に乾燥を引き起こす悪循環になることもあります。

栄養不足

食生活の偏りにより、唇が荒れるおそれがあります。

ビタミンB2やビタミンB6には皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあり、不足するとさまざまな皮膚のトラブルがおこるおそれがあります。

口紅やリップクリームなどの外的刺激

女性が使うメイク用具やリップクリームは、唇の荒れを引き起こす原因になります。

アレルギーの直接的原因とはならなくても、体に合わず皮膚炎を起こすこともあります。

口唇ヘルペス(熱の花)

風邪をひいたり高熱がでると、口唇ヘルペスができることがあります。

口唇ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスが原因の病気です。唇やその周辺に小さな水ぶくれができピリピリとした痛みを生じることが特徴です。単純ヘルペスウイルスに一度感染すると、ウイルスが体からいなくなることはなく、何らかのきっかけで免疫の力が弱ってくるとウイルスが活性化して再発を繰り返します。

唇の荒れに有効な医薬品成分は?

医薬品に含まれている唇の荒れに効果がある成分はいくつかあります。

成分の分類 成分 効果

保護成分

白色ワセリン

唇を保護し刺激から守る

修復成分

アラントイン

カサカサ荒れた唇の修復をうながす

抗炎症成分

・グリチルレチン酸

・ステロイド

炎症をおさえる

殺菌成分

セチルピリニジウム

感染を防ぐ

ビタミン成分

・ビタミンB2

・ビタミンB6

・パンテノール

・ビタミンE

主に新陳代謝を促し、唇の健康を維持する

保護成分

保護成分を塗ることで、食べ物や乾燥した外気など外的刺激から皮膚を守ることができます。代表的な保護成分として「ワセリン」があげられ、医療用医薬品でもさまざまな用途で使われます。

ワセリンには、角層の水分が蒸発しないようカバーするため、保湿効果もあります。

修復成分

「アラントイン」は体内の代謝物のひとつです。唇や他の皮膚の角質の細胞増殖をうながし、肌荒れやあかぎれ、ひび割れ、乾燥、皮膚炎、紫外線による炎症などに効果があります。

また、健康な皮膚に対しても、柔らかさや滑らかさを保つ働きがあることが知られています。

抗炎症成分

生薬の甘草から抽出した「グリチルレチン酸」や、体内の副腎皮質で産生される「ステロイド(副腎皮質ホルモン)」が抗炎症成分にあたります。

効果がゆるやかなグリチルレチン酸に比べて、医療用医薬品にも含まれるステロイド成分は種類によって効果のつよさに幅があり、年齢や塗る場所によっては制限があるためる注意が必要です。

殺菌成分

真菌(カンジダ菌)に感染することで口角炎を発症するおそれがあります。

一部のリップクリームに含まれる殺菌成分、セチルピリニジウムはカンジダ菌に効果があるため、口角炎の予防や治療に使われます。

ビタミン成分

ビタミン成分は体の健康維持をサポートする重要な栄養素です。

皮膚・粘膜にかかわるビタミンはビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンE、パンテノールなどがあり、たんぱく質をエネルギーに代謝したり抗酸化作用により細胞膜の酸化を防いだりする役割があります。

唇の荒れにおすすめの市販薬

【保湿クリーム】ベビーワセリンリップ 10g(携帯用 乾燥肌 パラベンフリー)

ワセリンは皮膚の保護剤です。角質層まで浸透することはなく、肌表面に膜をつくり、さまざまな刺激から唇を守ります。

また、保湿効果もありますが、水分を与えるというわけではなく、あくまで表面の水分を閉じ込めるだけです。お風呂上がりなど水分が蒸発してしまった肌には、化粧水で水分を補給した上からワセリンを塗りましょう。

唇の荒れが進行しておらず、保護・保湿目的のみの方はワセリンで様子をみてもいいかもしれません。

 

クチピアLip

クチピアには唇の修復をうながすアラントインや、炎症を鎮めるグリチルレチン酸、皮膚の新陳代謝をうながすビタミンE誘導体、皮膚の健康を維持するビタミンB6、パンテノールが配合されており、繰り返しやすい唇の荒れに効果が期待できます。

添加物として保護成分であるワセリンが含まれているので、患部にピッタリ密着し、荒れた唇をしっかり保護します。

また、製品に記載しているQRコードを読み取ると薬剤師に無料でチャット相談できるので安心して使用することができるのも嬉しいポイントです。

 

デンタルピルクリーム

抗炎症作用のあるステロイド成分であるプレドニゾロンと、感染を防ぐ殺菌成分・セチルピリジニウム塩化物水和物を配合しています。

唇が赤く、炎症がひどい場合はステロイドで迅速に鎮めます。また、殺菌効果があるので、感染による悪化を防ぐこともできます。

日常生活で気をつけること

保湿ケア

体の皮膚と同じように唇も乾燥をすると荒れる原因となります。

特に冬場のような乾燥しやすい時期は保湿などこまめなケアをこころがけましょう。

化粧品や医薬部外品のなかでもワセリンや保湿成分を含んだリップクリームが販売されています。医薬品と比べると効果は劣りますが、毎日医薬品を塗ることに抵抗がある方でも気軽に始められる習慣です。

食生活

特にビタミンB2やビタミンB6は皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあり、不足するとさまざまな皮膚のトラブルがおこるおそれがあります。

皮膚を健康な状態にするため、食生活を見直します。前述したビタミン群が含まれるものを普段から意識的に食事に取り入れることで健康な状態を維持します。

 

<皮膚や粘膜の健康維持を助けるビタミン群が含まれる食材>

ビタミンB2:魚や卵、乳製品

ビタミンB6:赤身の魚や、ヒレ肉やささみなどの脂が少ない肉類

症状がよくならないときは

乾燥や荒れが軽度の場合は、リップクリームでケアしていれば特に病院を受診する必要はありません。長期間症状が続いたり、症状が重い場合は皮膚科を受診しましょう。

口唇ヘルペスのおそれがある場合

口唇ヘルペスはウイルスに感染することで発症します。人への感染力も強いことから、なるべく早い治療が必要となります。

唇やその周りに水ぶくれができている場合は一度皮膚科を受診してください。

一度口唇ヘルペスの診断を受けており、再び症状が現れた方の場合、市販薬でも対応することが可能です。

(口唇ヘルペスの治療薬は第1類医薬品にあたるため、購入に関しては薬剤師の指導のもと適正使用の確認が必要です。)

おわりに

唇は他の皮膚以上に荒れやすいことから、念入りなケアを必要とします。

リップクリームによる保湿・保護も大切ですが、食生活における内側のケアも健康な唇を保つために重要な観点です。

小さな部位ですが、症状に悩む前に、普段の習慣から見直してみてはいかがでしょうか。