カミソリ負けの一般的な症状
カミソリ負けは、カミソリによって傷ついた皮膚から細菌が入りこむことによって起こります。一般的な症状は以下の通りです。
・皮膚が赤くなる
・かゆみ、ヒリヒリした感じがある
・赤いニキビのようなブツブツができる
カミソリ負けは、男性がひげを剃ったときに起こりやすい症状です。そのため、あごやほほ、鼻の周辺などによくみられます。
女性の方は、ムダ毛の処理の時に切れの悪いカミソリを使用すると、カミソリ負けになりやすいため注意が必要です。
女性の場合は、カミソリ負けを起こしにくい電動のムダ毛処理機器を使用するのもひとつの手です。
病院を受診する目安
かみそりまけは軽度の皮膚症状のため、通常であれば病院に行かずとも治療が可能です。
しかし、カミソリや髭剃りの道具を変えたり、市販薬を使って症状が良くなっても、短期間に何度もカミソリ負けを繰り返してしまう場合は、一度皮膚科を受診しましょう。
また、カミソリ負けだと思っていても、別の病気であることがまれにあります。
以下の症状をともなう場合は、医師に相談しましょう。
・発熱、だるさがある
・カミソリを使わないところまで症状が広がる
・水疱ができピリピリ、チクチクする
・吐き気や嘔吐がある
また、化膿すると患部に膿がたまったり、膿が出て来きたりします。
化膿が広範囲にある・痛み強い場合も、早めに医師の診察を受けて薬を処方してもらいましょう。
ステロイドの塗り薬はカミソリ負けに使える?
カミソリ負けにステロイドが短期的に処方されることはあります。ステロイドは過剰な免疫をおさえることで、カミソリ負けによる炎症を鎮めます。
しかし、ステロイドの塗り薬は、塗った部位の免疫を下げてしまうため、ステロイドだけで使用するとカミソリ負けの原因である細菌が増えてしまうおそれがあります。
通常は医師の指導のもと、抗生物質とステロイドを合わせて使用します。
また、ステロイドを髭剃り後などに多用することは誤った使い方で、塗った場所の免疫が下がり、水虫の菌に感染し起こる「白癬菌性毛瘡」の原因にもなりかねません。
白癬菌性毛瘡はヒゲソリによっても起こりやすい状態になります。特に普段からカミソリを使う部分は白癬菌性毛瘡のリスクが大きいと考えられます。
炎症が強い場合は、自己判断でステロイドは使わずに、医師の診断を受けることをおすすめします。
カミソリ負けに使用できる市販薬
カミソリ負けに有効な成分は?
カミソリ負けに使うことを想定した市販薬は少なく、成分にもばらつきがあります。
ミナカラではカミソリ負けからの雑菌繁殖による悪化を防ぐため、雑菌の繁殖をおさえる「イソプロピルメチルフェノール」などの殺菌成分が配合された市販薬の中で、カミソリの使用後に起こる肌トラブルを改善する成分が配合されたものと、殺菌成分が複数配合されたものをピックアップしています。
市販薬
メンソレータムヒリプロ
殺菌成分の「イソプロピルメチルフェノール」が雑菌の増殖を防ぎます。
そのほか、ヒリヒリ感を鎮める「リドカイン」、かゆみをおさえる「ジフェンヒドラミン」、炎症を鎮める「グリチルリチン酸二カリウム」、肌の回復を助ける「トコフェロール酢酸エステル」が配合され、ヒゲソリ後の皮膚炎やヒリヒリを改善します。
5〜6日使用しても症状の改善が見られない場合は、医師・薬剤師・登録販売者に相談してください。
ミナカラ薬局のポイント ヒリヒリ感を鎮めるリドカインは比較的効果が出るまでが早く、カミソリ負けに必要な成分も充実しています。 |
【第2類医薬品】ケアノキュア 20g ※セルフメディケーション税制対象商品
殺菌成分「イソプロピルメチルフェノール」を配合し、雑菌の増殖をおさえます。
炎症を鎮める「ウフェナマート」や「グリチルレチン酸」、かゆみをおさえる「ジフェンヒドラミン」、肌の回復を助ける「トコフェロール酢酸エステル」も配合されており、カミソリなどによるムダ毛の処理で黒ずんだ、毛穴のまわりなどの炎症を鎮めて湿疹・皮膚炎を治します。
ミナカラ薬局のポイント 成分的にカミソリ負けにも使え、炎症をおさえる作用が強いため、赤みが目立つ方にも向いています。 メーカーに問い合わせたところ、カミソリ負けにも使用できるとのことでしたが、出血や傷がある場合は使用を控えてください。 |
キップパイロール−Hi
殺菌成分が「イソプロピルメチルフェノール」「サリチル酸」「フェノール」と3種類配合されている点が特徴です。
また、傷の治りを早くする目的で「酸化亜鉛」が配合されています。
カミソリ負けには、カミソリを使用した後によくすりこんでください。痛みがある場合には、うすく、そっと塗ります。
ミナカラ薬局のポイント ただし、ヒリヒリ・かゆみに直接効く成分は配合されておらず、炎症をおさえる作用も弱いため、症状をすぐに鎮めたい場合は、リドカインやウフェナマート、ジフェンヒドラミンが配合された市販薬の方が向いています。 |
おわりに
カミソリ負けは、尋常性毛瘡(じんじょうせいもうそう)という病気のひとつです。
市販薬の治療では改善されなかったり、悪化した場合はすぐに皮膚科を受診しましょう。