そもそもぎっくり腰とは?
ぎっくり腰とは、医学的には急性腰椎症(きゅうせいようついしょう)や腰椎捻挫と呼ばれる病気です。
ぎっくり腰というと一般的には、前触れなく急に腰に激しい痛みが走り、動くこともままならない、というような症状を指します。
一般的に3日~1週間ほどで動けるようになりますが、発症してから数日間の間は日常生活もままならないほどの激しい痛みが起こります。
発症したらできるだけ病院へ行くことが再発を防ぐためにも望ましいですが、時間がない場合や、病院に行くこともできないほど痛みが激しい場合もあるかと思います。
そこで今回は、ぎっくり腰の痛みの症状を改善するための市販薬を紹介していきます。
しかしぎっくり腰の中には、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎椎間関節症など、腰の重大な疾患が起こっている場合もあります。
ぎっくり腰発症後、市販薬で3日ほど対処しても症状が改善しない場合や、日に日に痛みが激しくなる場合などは、早めに整形外科を受診するようにしてください。
ぎっくり腰の痛みを抑える飲み薬5選!ロキソニンはどのくらいで効く?
市販の鎮痛剤はぎっくり腰による腰痛にも効果があります。
ぎっくり腰が起こった直後痛みで動けず病院にも行けない、という場合は早めに服用するとよいでしょう。
ロキソニンS
頭痛の薬というイメージの強いロキソニンですが、体のさまざまな痛みを和らげる鎮痛薬であるためぎっくり腰の痛みにも効果がります。
有効成分であるロキソプロフェンが痛みの原因となる物質を抑え、素早く痛みを抑えます。
■効くまでの時間は?
ロキソニンの場合、痛みを抑える鎮痛作用が出てくるのは服用から約30分後です。
急なぎっくり腰で激しい痛みがある場合は、ロキソニンを飲み30分ほど安静にすれば効果は表れるでしょう。
■飲み方は?
ロキソニンは副作用として胃が荒れ、胃痛が起こることが多いです。
できるだけ空腹時に服用することは避け、どうしても空腹時に飲まなければならない場合は多めの水と一緒に飲むようにしてください。
■ロキソニンはあくまで痛みを抑える薬!
ロキソニンはぎっくり腰の痛みを抑えますが、ぎっくり腰そのものを治す薬ではありません。
ロキソニンを服用して痛みが引いたからといって安心せず、病院に行ったりコルセットで腰を圧迫するなどの処置を取りできるだけ安静にしましょう。
ぎっくり腰の痛みを抑える塗り薬3選!
ぎっくり腰の痛みを抑える塗り薬にはどのようなものがあるのでしょうか。
ぎっくり腰に効くテープ剤・湿布薬6選!
貼る薬にはテープと湿布薬があり、湿布薬の中でも冷湿布と温湿布があります。
貼る薬の選び方
ぎっくり腰に薬を貼るときの薬の選び方のポイントをまとめました。
冷湿布・温湿布の使い分けは患部の状態によるため、購入する前に患部の状態をよく確認してください。
貼る薬の種類 | 症状や状況 |
テープ (プラスター剤) |
・痛みを抑えたい |
冷湿布 (ハップ剤) |
・ぎっくり腰を起こした直後 ・患部が熱を持っている ・患部が腫れている |
温湿布 | ・ぎっくり腰が治りかけてるとき ・患部が熱をもっていないとき |
テープ剤
冷感シップ(ハップ剤)
温感シップ
【第3類医薬品】腰痛パテックス
生薬のサンシンエキスが炎症を抑え、トウガラシエキスが血行を改善し痛みをやわらげる温湿布です。
保湿効果がしっかりと持続し、患部を長時間しっかりと温めます。
無臭タイプのため外出中も気軽に使用することができます。
ぎっくり腰への対処法:おすすめの腰痛ベルト・コルセットを紹介!
痛みを鎮める薬はたくさんありますが、ぎっくり腰の治療の基本は安静にして回復を待つことです。
薬以外でぎっくり腰の症状の改善・緩和に効果的なことを紹介していきます。
腰痛ベルトやコルセットで固定しよう!
ぎっくり腰の痛みは腰痛ベルトやコルセットなどで固定し、体を支える筋肉の働きを助けることで軽減することが可能です。
また、ぎっくり腰になりやすい人や腰痛持ちの人などは、力仕事をする際などに予防として腰痛ベルトやコルセットを付けておくといいでしょう。
(ミズノ)MIZUNO 腰部骨盤ベルト ワイドタイプ [ユニセックス] C3JKB502 05 ブラック×グレー M-L
MIZUNOの腰痛ベルトの中でもより強力な固定力のある腰痛ベルトです。
少ない力で締めることができるため、女性や高齢者でも自分でしっかりと固定することができます。
中山式 腰椎医学 コルセット 標準タイプ Mサイズ 腰回り 70~90cm
伸縮性と通気性の高いメッシュ素材のコルセットで、蒸れにくいことが特長です。
膝や首など腰以外の関節サポーターも扱うメーカーの商品であり、着脱もワンタッチで簡単です。
お医者さんのコルセット プレミアム仕様 LL-3L
日本整形外科学会専門医と共同開発されたコルセットです。
しっかりと固定することを重視して開発されており、痛みの軽減に効果があります。
腰まわりを包み込み固定する安心感があり、締める強さも調節できるため、自分にちょうど良い加減で巻き付けることができます。
冷やす?温める?
ぎっくり腰のときに冷やすか温めるかは、そのときの患部の症状によります。
■患部が熱をもって腫れている場合
患部が熱く腫れている場合は冷やした方が楽になります。
炎症を起こしている患部を冷やすために氷水などを当てると良いでしょう。
ザムスト(ZAMST) アイシング 氷のう アイスバッグ 野球 バスケ Mサイズ ブルー 378102
主に首や腰に使用できる氷嚢です。
ぎっくり腰以外の怪我の場合にも使用できるため、家にひとつあると便利です。
■患部が熱をもっていない場合
患部が特に熱くない場合は温めると楽になることが多いです。
湯たんぽなどを当て、血行を促進し痛みをやわらげましょう。
「湯たロン」 電子レンジ用 湯たんぽ (42℃を8時間ロングキープ)
電子レンジで温め繰り返し使えるタイプの湯たんぽです。
最長8時間効果が持続するため、寝る前に腰に当てておくのもよいでしょう。
発症当日~3日間はとにかく安静に!
ぎっくり腰の一番の治療方法は安静にすることです。
とくに発症当日~3日間は最も痛みが激しく、この期間に無理して動いてしまうと再発や慢性化の危険があります。
コルセットや腰痛ベルトなどを装着し、横になって安静にしましょう。
痛みが和らいできたら少しずつ動かす!
ぎっくり腰を発症してから数日たち、痛みが和らいできたら少しずつ体を動かすようにしましょう。
無理に動くと再発の危険があるため、最初はゆっくりと慎重に動いてください。
■ぎっくり腰に効くストレッチ!
①仰向けに寝て、膝を90°に曲げて立ててください。
②両ひざをそろえたまま左右交互に倒し、右と左で倒しやすい方を確認します。
③倒しやすい方に3回ほどゆっくり倒すようにしてください。
この体操をするとき、途中で痛みを感じたり腰のこわばりを感じたら、ゆっくりと静止し痛みのない体制に戻るよう心がけてください。
ぎっくり腰の原因と予防方法は?
ぎっくり腰の原因や、予防するためのポイントを紹介します。
予防のためのポイントをおさえ、ぎっくり腰を発症しにくい体を目指しましょう。
ぎっくり腰の原因は人それぞれ
ぎっくり腰の原因は一概には言えず、さまざまな原因があるといわれています。
よく、重い物を持ち上げた瞬間に発生した、というイメージがいわれますが、重い物を持ち上げていなくてもぎっくり腰を発症することは多いです。
ぎっくり腰の原因と考えられているものの一部を紹介していきます。
■筋肉の疲労
繰り返し力仕事を行っていたりした場合、筋肉に疲労がたまりぎっくり腰を起こすことがあります。
■骨格のゆがみ
長時間同じ姿勢でいることで骨格がゆがみ、体の柔軟性が失われた結果ぎっくり腰が起こることがあります。
■突然の負荷
重い物を持ち上げたときや、高いところから飛び降りたとき、勢いよく振り返ったときなど、腰に予想しない負荷がかかったときにぎっくり腰を発症することがあります。
■食生活の乱れ
食生活の乱れにより内臓が弱り、内臓を守るために姿勢が悪くなりぎっくり腰を起こす場合があります。
■体重バランス
肥満などで腰に日ごろから負荷をかけ続けていた場合、ぎっくり腰を発症することがあります。
ぎっくり腰の予防方法は?
では、ぎっくり腰を予防するためにはどのようなことに気をつけて生活すると良いのでしょうか。
■腰痛ベルト・コルセットの着用
腰に痛みを感じていないときでも腰痛ベルトやコルセットを着用することで腰への負担を軽減し、ぎっくり腰を予防することが可能です。
とくに力仕事の前などはコルセット・腰痛ベルトをしっかりと着用しましょう。
■日ごろからストレッチを行う
長時間同じ姿勢でいると腰回りの柔軟性が失われぎっくり腰の原因となります。
特にデスクワークや車・バス・トラックの運転手、立ち仕事など長時間同じ姿勢でいる仕事の場合は、定期的にストレッチを行い腰回りの筋肉を動かすようにしましょう。
■半身浴
下半身が冷えてると腰回りの血行も悪くなり、ぎっくり腰の発生につながります。
半身浴や足湯などで足元を温め、ぎっくり腰を予防しましょう。
■ぎっくり腰になりそうなときは食事を抜く
消化は体の大切な機能ですが、内臓に負担を与える行為でもあります。
腸が原因でぎっくり腰が起きている場合、一時的に食事を抜くことでぎっくり腰を予防することができます。
何度かぎっくり腰を発症していて、起こりそうな予兆を感じるときは食事を抜いてみるといいでしょう。
おわりに
突然やってきて激しい痛みをともなうぎっくり腰。
原因はさまざまですが、少しでも危険性を減らすために腰に負担をかけない生活を心がけましょう。
また、ぎっくり腰は自己流で治していると慢性化する危険性があるため、何度か発症しているような場合は早めに医師の診察を受けるようにしてください。