腰痛にコルセットは効果ある?
腰痛の治療には、腰の負担をやわらげるためにコルセットを勧める医師もいます。
しかし腰痛診療ガイドラインによると、コルセットの効果はあくまでも腰まわりの負担をやわらげるのみで、腰痛に対する有効性は明確ではありません。
また長期間使うと、締め付けによる血行不良や、筋肉を使わなくなることで筋力の低下につながってしまう恐れがあるため注意が必要です。
腰を支える体幹装具は、コルセットの他にも骨盤ベルト・腰用サポーターなど様々な名称で市販されていますが、痛みの度合いや時期に応じて適切な治療を行う必要があるため、コルセットをご希望の際はまずは医師にご相談いただくことをおすすめします。
市販薬を使うのも手
仕事で重い荷物を持ち上げる、中腰で作業をする、長時間座ったままでいるなど、腰痛にお悩みの場合は市販薬で痛みをケアすることもできます。
腰痛に効く市販薬の中には、処方薬と同じ痛み止め成分が配合された薬もあります。すぐに病院に行けない時には、鎮痛成分が配合された市販薬を使い、痛みをやわらげるのもひとつの手です。
腰痛に効く市販薬とその選び方については、関連記事で詳しく解説しています。
また、ぎっくり腰による腰痛の場合も市販薬で一時的に対処することができます。詳しくはこちらの記事をご参考にしてください。
腰痛コルセットの選び方
コルセットの使用をご希望の場合、まずは整形外科など専門医にご相談いただくことをおすすめします。
使用の際は起き上がる動作や座り続けるだけでも腰が痛いと感じる時など、安静を図るために固定したい場合や少しでも動きやすくするために一時的なものとして使用しましょう。
コルセットは、症状や使用するシーンによって選ぶこともできますが、体に合ったサイズ選びが重要です。コルセットの効果を最大限発揮するためには、自分の体にぴったりフィットする正しいサイズのものを選びましょう。また、商品によってサイズの計測位置や適用範囲は異なるため、正しいサイズを計測した上で適用範囲に該当するものをご確認ください。
市販のコルセット
腰椎上部から骨盤にかけて腰全体をサポートするコルセットを紹介します。
バンテリンコーワサポーター 腰椎コルセット
バンテリンコーワサポーター 腰椎コルセットは、腰のねじれを制限しながら、背面の腰椎上部から骨盤にかけて幅広く支えることで過度な動きを制限します。
補助ベルトがあるため、固定力を調整することもできます。
サイズは4種類あります。胴囲(おへそ周り)を測り、ご自身に合ったサイズをお選びください。2つのサイズに該当する場合は、大きい方をおすすめします。
胴囲(おへそ周り) | |
---|---|
ふつう/Mサイズ | 65~85cm |
大きめ/Lサイズ | 80~100cm |
ゆったり大きめ/LLサイズ | 95~115cm |
3Lサイズ | 110~130cm |
また、色についてはブラックの他にもブルーグレーやパステルピンクがあります。(※3Lはブラックのみ)
腰痛コルセットの位置と付け方
腰痛コルセットの正しい位置と付け方は、症状や痛みの具合、痛みのある位置などによってそれぞれ異なります。
腰が痛い時はくびれをカバーしようとしてしまいますが、肝心なのは骨盤や腰椎を安定させることです。あまりに上の位置で腰痛コルセットを巻いてしまうと、胃を圧迫させる原因になってしまいます。
また、基本的に腰痛コルセットは肌に直接巻かず、肌着などの上から巻くようにしましょう。緩めに締めてしまうと十分な効果が得られないので、固定ベルトがついているときはきちんと締めてください。使い方を間違えると痛みの長期化や症状の悪化を招く原因にもなります。
腰痛コルセットの効果を得るには、装着する際の位置や付け方について事前に確認しておきましょう。
バンテリンコーワサポーター 腰椎コルセットの場合
コルセットの付け方の一例として、バンテリンコーワサポーター 腰椎コルセットの正しい付け方を紹介します。
※必ず肌着の上から装着します。
●まず、本体の面ファスナーから補助ベルトをはずし、『上』と書かれたタグが右側になるように持ちます。
●正面から見たとき本体がV字になるように両端を引っ張りながら(おへその下5cmくらいが目安)面ファスナーを固定します。
●補助ベルトを伸ばしながら本体に留め、締め付け加減を調整します。
腰痛コルセットの使用上の注意点
腰痛コルセットを正しく使うための注意点も知っておきましょう。
苦しくなったら外す
長時間腰痛コルセットを付けているとお腹周りが苦しくなることがあります。苦しくなった時は無理をせず、一度コルセットを外しましょう。
食事中と就寝中はコルセットを使用しない
食事中に腰痛コルセットを付けていると、食べ物がお腹の中を通るのを邪魔する可能性があります。
また就寝中の使用もおすすめできません。圧迫感で苦しくなるほか、寝返りといった動作が難しくなることで質の悪い睡眠になってしまう恐れがあります。食事中と就寝中の使用は避けましょう。
ただし、医師から指示もしくは処方された場合は、正しい使用方法をお守りください。
長期間にわたり使用しない
腰痛コルセットは根本的に腰痛の原因を解消するものではありません。症状がやわらいできたらコルセットに頼らず、自分の筋力で腰回りをサポートできるようにしましょう。
腰痛コルセットの使用期間は、症状や痛みの具合により異なりますが、痛みの改善とともに使用頻度を減らすことが理想的です。コルセットに頼り過ぎると症状の長期化が現れることがあります。症状が軽減された後は体を動かす機会を増やし、再発予防を心がけましょう。