背中の左側に痛みが起こる原因は?考えられる病気も紹介

背中の左側に痛みが起こる原因を、肩周辺・肩甲骨・腰周りなど場所ごとに詳しく解説します。背中の左側の痛みは、病気のサインのこともあります。早めに病院を受診した方が良いケースも記載。

背中の左側がなんだか痛い……背中に感じる痛みはチクチクとした痛みやズキズキとした鈍痛など、症状も人それぞれです。

背中の痛みは姿勢などの生活習慣が原因となることがほとんどですが、病気のサインであることもあります。

胃痛や吐き気といったほかの症状が現れた場合は、特に注意が必要です。

背中の左側の痛みですぐに病院を受診した方が良い症状

突然背中の左側に痛みが起こった場合は、狭心症や心筋梗塞、また大動脈解離などの大きな病気のおそれもあります。

自分で判別がつかない強い痛みの場合は、医療機関を受診しましょう。

背中の左か右かにかかわらず、次のような症状のある場合は、早急に病院を受診してください。
・重苦しい痛み、鋭い痛みを感じる
・痛む場所が移動する
・胸の痛みがある
・急な痛みで、痛みが強くなっている
・排尿痛がある

また痛み以外に次のような症状をともなう場合も、すぐに医師の診断を受けてください。
・息切れ、息苦しさ
・冷や汗
・血尿
・吐き気や嘔吐、発熱
・背部、首、顎、上腹部、片側の肩または腕の痛み
・ふらつきや失神
・速い心拍や不規則な心拍の自覚

背中の左側の痛みの原因の多くは筋肉の疲労

背中の痛みの多くは、背中の筋肉の疲労により起こります。

筋肉の疲労を引き起こす原因には、過度の運動または運動不足、姿勢の悪さ、長時間同じ姿勢をとる、肩こりなどがあります。

左側の背中にばかり痛みが生じる人は、立ち方や座った時の姿勢に癖があり、左肩や左側の僧帽筋にばかり負担がかかっている可能性が高いといえます。さらに症状が悪化すると、吐き気や頭痛といった症状が現れることがあります。

体の左側にばかり負担をかける姿勢をとっていないか見直すとともに、適度に体を動かして筋肉をほぐすよう心がけましょう。

背中の左側の痛みで考えられる運動器系の疾患

骨・関節・筋肉などの運動器系の疾患は、ときに神経を圧迫して背中の痛みを引き起こすことがあります。

背中の痛みを引き起こす代表的な疾患には、次のようなものがあります。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは背骨のパーツ(椎骨)をつなぐ椎間板の組織の一部が飛び出す病気で、神経を圧迫することで痛みやしびれの症状がでます。

20~30代と比較的若い人にもみられるのが特徴的です。

腰部脊柱管狭窄症

60歳以上の人に多くみられる腰部脊柱管狭窄症は、脊椎にある脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで痛みが生じます。

主な症状は、お尻から足にかけてしびれですが、腰から下に痛みがでることもあります。

神経の根元が圧迫される「神経根型」と呼ばれるタイプだと、お尻から足の左右どちらかに痛みが起こりやすくなっています。

背中の左側の痛みで考えられる内臓の疾患

安静にしていても痛みを感じる場合は、内臓の疾患のおそれもあります。

背中が痛く内臓疾患が疑われる場合は、早めに病院の内科を受診しましょう。

左側の肩周辺〜腕・肩甲骨の下側の痛みは心臓の病気のおそれ

背中の痛みでも左側の肩周辺~腕にかけてや、肩甲骨の下側に痛みがある場合、「狭心症」や「心筋梗塞」など心臓の疾患が原因である危険性もあります。

■狭心症

狭心症は、動脈硬化が主な原因となって血流に障害が起こり、心臓の筋肉に必要な酸素や栄養が送られなくなる病気です。

主な症状は左側の胸部を圧迫されるような痛みですが、左側の腕~肩周辺の背中にかけて痛みが生じることもあります。痛みは数分でおさまることもあれば、15分以上続くこともあります。

このほか、風邪でもないのに咳がよく出たり、坂道や階段で急に動悸・息切れがするようになったといった体調の変化もみられます。

加齢によって起こるほか、喫煙や運動不足、ストレス、肥満、高血圧なども原因となるので注意が必要です。

■心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓の筋肉に酸素や栄養を送る動脈(冠状動脈)が完全に詰まってしまい、心臓の筋肉の活動性を奪ってしまう病気です。主な症状は胸前部の激痛であり、痛みは30分以上続くこともあります。

このほか左側の上腕部分や左肩、そして背中の左側にも痛みが生じるのが特徴です。これらの痛みが続くと、吐き気や嘔吐、呼吸困難といった症状が現れることもあります。

心筋梗塞は、前兆として声のかすれや咳が起こりやすいです。狭心症と同じく加齢や喫煙、運動不足、ストレス、肥満、高血圧などが主な原因となっています。

左側の背中中央部の痛みは胃・膵臓の病気のおそれ

背中の痛みが、左側から真ん中の部分にまで及ぶ場合、胃や膵臓(すいぞう)の病気も考えられます。

■急性胃炎

胃粘膜の炎症が限定的に起こる病気です。突発的に症状が現れるのが特徴で、背中の左側~中央部にかけての痛みや、胃痛、胸やけ、吐き気といった症状がみられます。

主な原因は肉体的・精神的ストレスです。治療にはストレスの除去と安静が求められます。

■慢性胃炎

胃粘膜の炎症が長期的に続く病気です。急性胃炎ほど症状がはっきりと現れないケースが多いですが、背中の左側~中央部にかけての痛み、食欲不振、胃もたれといった症状がみられます。

主な原因としてアルコールや喫煙、ストレスのほかピロリ菌の感染もあげられます。

■胃潰瘍

胃潰瘍は、胃酸の過剰な分泌により胃粘膜や組織を損傷して潰瘍を作ってしまう状態のことです。背中の左側に痛みが起こるほか、症状が重くなると、血便や吐血などもみられます。

胃液の分泌を盛んにしてしまうストレスや暴飲暴食などが原因となるほか、ピロリ菌感染も胃潰瘍の引き金となります。

■急性すい炎

胃の裏側にある「膵臓」に激しい痛みが生じる病気です。背中の痛みは左側だけだけでなく真ん中までおよび、腹部にも激痛が走ります。あまりの痛さから前かがみの姿勢をとる傾向があります。

このほかの症状では37~38度の発熱や吐き気・嘔吐といった症状が現れるのが特徴です。

さらに症状が悪化すると重症急性すい炎となり、呼吸困難やショック状態などが現れるため一刻も早い対処が求められます。

■慢性すい炎

慢性すい炎は持続的に膵臓の炎症が生じる病気です。背中の痛みは慢性的に起こり、激痛や鈍痛など感じ方には個人差があります。

このほか下痢や体重減少といった症状もみられます。慢性すい炎によって失われた膵臓の機能は、取り戻すことができないので早めの対処が必要です。

■すい臓がん

初期症状はほとんどみられないにも関わらず、進行や転移が早いことで知られるがんです。そのため、背中の左側~真ん中にかけての痛みは、重要な病気のサインとなります。

このほか下痢、胃あたりの腹痛、体重減少、吐き気、黄疸といった症状もみられます。症状が進行すると背中の痛みは腰のあたりまで広がる傾向にあります。

左側の腰回りの痛みは腎臓や尿管の病気のおそれ

背中の左側でも比較的下の方である腰周りに痛みを感じる場合は、「腎孟腎炎」「尿管結石」など腎臓や尿管の病気の危険性があります。

■腎孟腎炎

腎孟腎炎は腎臓が細菌感染によって炎症を起こす状態です。腎臓は左右両側にありますが、腎孟腎炎は腎臓の片方だけに起こることもあるので、場合によっては左側だけ痛みを感じることがあります。

歩くと背中に響くような痛みがあることが多く、背中の痛みのほかには、頻尿、残尿感、高熱、腰痛といった症状もみられます。

■尿管結石

尿の通り道である尿管に結石ができる病気です。中年以降の男性に起こりやすく、左右どちらかに痛みが生じ、左側の尿路に結石ができると左側の腰周りあたりの背中に激しい痛みが生じます。

さらに症状が進行すると、脇腹や下腹部にまで痛みがおよび、吐き気や血尿といった症状をともなうこともあります。

おわりに

背中の場所別に考えられる痛みの原因が異なります。

背中の痛みのほかにみられる症状もあわせてチェックしましょう。また医師の診察を受ける必要がある場合は、早めに対処してください。

左右どちらに限らず、強い痛みや、発熱・吐き気などの症状がともなう場合は、我慢せず医師に相談しましょう。

背中の痛みのお役立ち情報