ひどい肩こりが続く5つの原因
肩こりは、肩まわりの筋肉が緊張し続けることで硬くなり、血液のめぐりが悪くなることによって起こります。
肩まわりの筋肉が緊張する原因については、主に次の5つのケースに分けられます。
1.同じ姿勢をとっている
デスクワークや車の運転などで長時間同じ姿勢をとっている場合、肩まわりの筋肉の緊張を招き、肩こりを引き起こしてしまうおそれがあります。
できる限りこまめな休憩をとるようにし、肩周りの筋肉をほぐすように心がけましょう。
2.不自然な姿勢をとっている
猫背や前かがみといった、体に負担をかける不自然な姿勢が癖になっている場合、肩こりを引き起こしてしまうおそれがあります。
特にパソコン操作しているときは、肩に負担をかける前のめりな姿勢をとりやすいため、注意が必要です。
このほか外出の際にショルダーバッグを背負っている場合も、片側の肩にだけ負担をかけるおそれがあることから、肩こりを引き起こすことがあります。
3.精神的なストレス
仕事や人間関係などで精神的なストレスがたまることで、血液のめぐりが悪くなり肩こりを起こしやすくなります。
また、肉体的にも精神的にもストレスとなる過労や、ストレスを抱え込むことによって引き起こされる睡眠不足もひどい肩こりの原因となる場合があるため、注意が必要です。
4.運動不足
運動不足で筋力が衰えることによって、肩こりの原因となる場合があります。
定期的な運動が困難な場合でも、簡単な体操をこまめに行うことは筋力低下を防ぐ効果が期待できます。
5.体の冷え
体の冷えは血液のめぐりを悪くするため、肩こりの原因になるおそれがあります。
冷房がきいた室内に長時間いることが習慣になっている場合は、注意が必要です。
服装で調節するほか、蒸しタオルやカイロを使用して温めることも効果的です。
また、入浴時にはできるだけゆっくりとぬるめの湯船に浸かるようにしましょう。
肩こりにともなう症状に注意
ひどい肩こりが続く場合、肩のこりだけでなく以下のような症状をともなうことがあります。
頭痛
肩こりにともなう頭痛は、緊張型頭痛であることが多くなっています。
緊張型頭痛の原因は、肩や首、頭の後ろ側にある筋肉の問題によるものです。
緊張型頭痛は、日本人に多い頭痛といわれており、両側からギューッとしめつけられるような痛みを感じます。
目の疲れ・めまい・吐き気
眼精疲労の症状のひとつとして肩こりが現れることがあり、目の疲れやめまい、吐き気をともなうことがあります。
目を酷使したり、度数が合わないコンタクトレンズやメガネを使用していると、目を近づけて物を見る不自然な姿勢をとりがちなため、肩がこります。
肩こりが示す7つの病気のサイン
肩こりは場合によっては、別の病気のサインの場合もあります。
ここでは、肩こりが現れる代表的な7つの病気や不調を紹介します。
変形性頸椎症・頸椎椎間板ヘルニア
頭を支えるための頸椎(けいつい)という骨が変形を起こしたり、頸椎と頸椎の間にある椎間板に変形が起こり脊髄や神経を圧迫したりすることで、肩こりや首の痛み、手足のしびれなどの症状を起こす病気です。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
加齢などによって、肩の関節や周りの組織が炎症を起こす病気です。腕を上げるといった動作が難しくなり、肩関節に痛みが出ます。
頚椎捻挫(むち打ち症)
頚椎捻挫は、交通事故やスポーツなどによる強い衝撃で首がむちのようにしなることで起こる、頸椎が捻挫している状態を指します。
肩の痛みだけでなく、首や背中の痛みのほか、頭痛やめまい、吐き気などをともなうことがあります。
狭心症・心筋梗塞
心臓の病気が、肩こりを引き起こすこともあります。その代表が、狭心症や心筋梗塞です。
心臓の周りの血管が狭くなって血流が悪くなる狭心症や、血管が詰まってしまう心筋梗塞では、時に左側の腕や背中全体が痛むことがあります。
このほか、胸が締め付けられるように苦しくなるなどの症状がみられます。
更年期障害
更年期をむかえると、肩こりのほか、腰痛、頭痛、めまい、倦怠感、不眠、イライラ感などの症状を起こしやすくなります。
更年期とは、閉経前後の約10年間を指します。個人差はありますが、大体45歳から55歳くらいまでの期間に更年期を迎える方が多いです。
更年期にあらわれる症状は、閉経の前後に女性ホルモンの分泌量が減少し、自律神経が乱れたり血流が悪くなることで起こります。
心理的なストレス
心に大きなストレスがかかっていると、自律神経のバランスが乱れて交感神経の働きが過度に高まり、筋肉が緊張し続けることで肩こりの原因となることがあります。
感情をおさえ込んだり、うつむきがちな姿勢なども首や肩の筋肉を緊張させることになり、慢性的な肩こりが起きることがあります。
肩こりに効果的な解消法|湿布・マッサージ
肩こりに効果的な対策を紹介します。
体を温める
体を温めると血液のめぐりが良くなるため、慢性的な肩こりの解消につながります。ゆっくり時間をかけて湯船で体を温めるほか、カイロや蒸しタオルで肩まわりを温めるのも効果的です。
体を動かす
長時間同じ姿勢を続けないために、適度に体を動かすようにしましょう。デスクワーク中で移動ができない場合は、背伸びをするだけでも効果的です。
市販薬を活用する
肩こりに効く市販薬は、飲み薬・貼り薬(湿布)・塗り薬など数多くの種類があるため、市販薬を試してみるのもひとつの手です。
それぞれの特徴や薬の選び方については、別の記事で詳しく解説しています。
病院を受診する目安
肩こり自体は誰にでも起こりうる体の不調で、症状が一時的もしくは耐えられる程度の痛みであればすぐに病院へ行く必要はないでしょう。
しかし、日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合は、まず整形外科を受診しましょう。
整形外科で肩こりの原因を調べたあとに、適応のある別の診療科をすすめられることもあります。頭痛やめまい、しびれなどをともなう肩こりの場合は、神経内科や脳神経外科に。また、気分の落ち込みなどが肩こりの原因と考えられる場合は、心療内科をすすめられることもあります。
特に次のような傾向がある場合は、早めに原因を特定する必要があるため、なるべく早く医師にご相談ください。
病院を受診する目安 |
・運動したときに肩が痛む(階段を昇るときなど) ・手のしびれや麻痺がある ・首や肩を動かさない状態でも痛みがある ・痛みが日に日にひどくなっている など |
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