四十肩・五十肩という名前は、一般的にわかりやすく表現したものであり、正式名称は「肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)」といいます。

服を着たり脱いだりするとき、腕を上げたとき、寝返りをうったときなどに、突然、肩にズキンという激痛に襲われることで始まることが多く、痛みが指先までしびれるように伝わることや、夜眠れないほど強い痛みが生じることもよくあります。

起こる年齢により40代なら四十肩、50代なら五十肩と呼び分けられることもありますが、四十肩・五十肩は同じ肩関節周囲炎のことです。

四十肩・五十肩についてさらに詳しい情報は、関連記事をごらんください。

四十肩・五十肩は何科を受診する?

四十肩・五十肩は自然に治ることもありますが、放置してしまうと症状が長引いたり、悪化して日常生活に支障がでることもあります。場合によっては関節が動かなくなることもあります。

四十肩・五十肩が疑われる肩の強い痛みを感じた場合は、まずは「整形外科」を受診してください。

また「整形外科」「接骨院」「整骨院」「整体院」など似たような名前があり迷うかもしれません。

整形外科は医師が診察・診断・治療を行う「病院」「クリニック(医院)」ですが、接骨院・整骨院・整体院は医師が診断・治療を行う「病院」「クリニック(医院)」ではありません。

病院・クリニック・医院

整形外科があるのは「病院」「クリニック(医院)」です。

医師が病気を診断し、医師と理学療法士などが治療にあたります。治療は基本的に健康保険が適用となります。

運動療法のほか、薬や注射によって痛みをやわらげたり、手術による改善を図ったりなど医師にしかできない治療が多く存在します。

接骨院・整骨院

「接骨院」「整骨院」は柔道整復師の国家資格をもった技師が施術を行いなす。

健康保険が適用になるものとならないものがあるため、あらかじめ接骨院・整骨院に聞いておきましょう。

また保険が使える場合も、あらかじめ医師の発行した同意書又は診断書が必要となります。

症状・病態によっては「病院」「クリニック(医院)」でなければ対応できない場合もあるので、医師から正確な診断を受けた後に、医師に相談して通うのがおすすめです。

整体院

医師や柔道整復師と違い、整体師には国家資格が必要ありません。

また健康保険は使えません。

四十肩・五十肩の治療は整形外科を基本とし、整体院に通えるかは医師に相談するようにしましょう。

医師による診断が大切

また四十肩・五十肩によく似た症状を起こすものに、肩に石灰が溜まることで痛みを起こす石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)または石灰性腱炎(せっかいせいけんえん)があります。

症状がよく似ていて、夜間に突然の痛みが起こる点や、肩の運動を妨げられる点、40~50歳代に起こりやすい点など一般的な四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)と間違えられることが多い病気です。

まとめて四十肩・五十肩として扱われることもありますが、それぞれ治療法・対処は異なるため、まずは「病院」「クリニック(医院)」での正確な診断が大切です。

また、肩の関節の病気を専門にしている「肩関節外来」を設置している病院や、痛みを緩和する専門の「ペインクリニック」でも四十肩・五十肩の治療が可能です。

四十肩・五十肩の治療法

治療法の基本は慢性期からの「運動療法」になります。

症状により「温熱療法」「薬を用いる療法」の治療が加わります。さらに症状が重い場合は「注射」や、症状が改善しない場合には「手術」「手術後のリハビリ」などが行われることもあります。

運動療法

急な激しい痛みに襲われる「急性期」には、無理して肩を動かさず安静にします。

数日〜数週間で強い痛みがやわらいで「慢性期」になると、肩関節の動きを広げるための運動療法を徐々に取り入れていきます。

運動療法は四十肩・五十肩の中心となる治療法で、病院では医師や理学療法士によるストレッチやリハビリが行われることが多くあります。

自宅でも医師の指導のもと簡単なストレッチを取り入れてみましょう。

温熱療法

五十肩になったばかりの初期の数日は冷やすこともありますが、その後は患部を温め血行をよくすることで痛みをやわらげます。

病院では筋肉の緊張をほぐすためにホットパックや入浴による温熱療法のほか、超音波、超短波、電気を当てる機器を使った温熱療法もあります。

ストレッチや温熱療法を単独で行うよりも、温熱療法とストレッチなどの運動療法を合わせる方が効果的であるという報告があります。

家庭では蒸しタオルや温湿布、お風呂に入ったりするのもよいでしょう。

また普段からスカーフやストールを使い、肩を冷やさないように工夫しましょう。

湿布薬・飲み薬の使用

病院では痛みや炎症がひどいときは鎮痛・抗炎症作用のある湿布薬や飲み薬を使用することになります。

四十肩・五十肩の眠れないようなつらい痛みや、運動療法を行うときの痛みをやわらげる目的で使用します。

注射薬の使用

痛みをやわらげるために、ヒアルロン酸や炎症をおさえるステロイド(副腎皮質ホルモン)薬、局所麻酔のリドカインなどを肩の関節内に注射する方法があります。

またステロイド薬とヒアルロン酸またはリドカインなどを混合して使う場合もあります。

手術・リハビリ

◼︎手術

運動療法や温熱療法をしても症状が改善が見られない場合には、手術を行うことがあります。

四十肩・五十肩で行われる手術は主に、固まってしまった関節包をはがし切り離すことです。

関節包とは関節を囲んでいる袋状の膜です。

重度の四十肩・五十肩は関節包が収縮して肩を動かせる範囲が狭くなっている状態のため、手術をして関節包を切り離すことが有効になります。

◼︎手術後のリハビリ

手術後のリハビリはもと通りの生活に戻るために必要不可欠な治療方法の一部で、痛みを感じない、もしくは痛みが軽い範囲で肩を動かすリハビリを行います。

すぐに病院を受診できない場合は市販薬やサポーターを活用

四十肩・五十肩のときは、医師の指導のもと治療することをおすすめします。

すぐに病院を受診できない場合は、痛みを少しでも緩和するために、市販薬を活用するのもひとつの手です。

また医師に相談して治療を行いながら、医師に相談し血流改善のビタミン剤や漢方薬などを使用することもできます。

市販薬について詳しい情報は、関連記事をごらんください。

また、四十肩・五十肩で痛みの症状が強く出ているうちは、重い荷物を持ったり、スポーツをするのは避け、安静にしてすごしましょう。

痛みが強い急性期には腕を固定するタイプのサポーター(アームスリングなど)がおすすめです。ある程度痛みが引いた慢性期には肩を温めてくれるタイプのサポーターがおすすめです。

四十肩・五十肩におすすめのサポーターの情報は、関連記事をごらんください。

おわりに 

四十肩・五十肩の痛みは自然に治ることがほとんどですが、そのままにしてしまうと痛みで日常生活にも影響が出る場合もあります。

また痛みを我慢し続けると肩を動かせる範囲もどんどん狭くなってしまうため、我慢せず早めに対処を行うことが大切です。

四十肩・五十肩はあまく見ず、医療機関を受診することをおすすめします。