秋に起こる花粉症の原因となる主な植物は、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラです。特にブタクサは日本ではスギ・ヒノキに次いで3番目に多い花粉症の原因となっています。
この記事ではブタクサ花粉症について詳しく解説。ブタクサと間違えられやすいヨモギやセイタカアワダチソウとの見分け方も紹介します!
ブタクサ花粉症の飛散時期
ブタクサは、アメリカでは北米地区を中心に一般的な花粉症の原因となっている植物です。ブタクサ花粉症は、北米原産の植物であるブタクサを戦後に北米軍が持ち込んだことから「マッカーサーの置き土産」とも呼ばれるようになりました。
種類 | キク科 ブタクサ族(1年草) |
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高さ | 30~100cm |
分布 | 全国 |
生息場所 | 道路わき、公園、河川敷など |
飛散時期 | 8~10月 |
ブタクサ花粉の飛散時期
ブタクサの花粉は8月から飛び始め、9月をピークに10月まで続きます。関東地方では8月~10月、東北から北では8月~9月、九州では9月~10月に飛散量が多くなります。
飛散量は年によって大きく変わるため、11月~12月頃まで飛散している年もあります。
ブタクサ花粉の飛散距離
ブタクサ花粉は飛散距離が数10cmと短いことが特徴です。ブタクサ花粉はスギ花粉のように風にのって遠く飛ぶことはないため、ブタクサに近寄らなければ症状は抑えやすくなります。
ブタクサ花粉症の症状
秋の花粉症は認知度も低く、花粉が飛散するピークの時期は季節の変わり目で風邪をひく人も多く、ブタクサ花粉症と風邪症状を間違える方も多くいます。
ブタクサ花粉症の主な症状は、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど花粉症全般の症状と同じです。ただし、それ以外にもブタクサ花粉症で注意すべき特徴的な症状があります。
喘息
ブタクサ花粉の大きさは、スギ花粉の半分ほどしかありません。粒子がとても細かく気管支に入りやすいため、喘息(ぜんそく)の原因となることがあります。そのためブタクサは「喘息草」とも呼ばれています。
花粉症で鼻がつまっている場合、口呼吸の頻度が上がりさらにブタクサ花粉を気管支へ入れることになります。
口腔アレルギー症候群
口腔アレルギーはブタクサ花粉症の人が特定のフルーツ・野菜・ナッツなどを食べたときに起こる可能性がある症状です。口の中や唇にしびれや違和感、喉が痒くなる、顔面が腫れる、呼吸がしづらく感じるなどの症状が表れます。
特にメロン、スイカ、キュウリ、ズッキーニ、バナナなどが注意が必要です。花粉アレルゲンと構造が似ているため、身体が花粉が侵入してきたと勘違いして口の中でアレルギー反応がおこります。
アレルギー反応が強い場合、じんましんや呼吸困難などの症状がでるアナフィラキシーショックをおこす可能性もあります。
ブタクサ花粉症の対策
ブタクサ花粉症の対策としては、とにかく花粉から身を守ることが重要となります。花粉症シーズンの日常生活においては以下のことに注意してください。
・ブタクサに近づかない
・マスクや防止を着用する
・ウールなどの花粉が付着しやすい衣類を避ける
・帰宅したら外で花粉を落としてから入室する
・帰宅後は手洗い、うがい、洗顔をする
・こまめに掃除する
ブタクサは公園や土手、河川敷などによく生えているのため、アレルギー症状が出る時期はあまり近づかない方が良いでしょう。
また、早めに市販のアレルギー性鼻炎薬を使用するのもひとつの手です。
ブタクサ花粉症を含めた秋花粉の対策に関しては関連記事をごらんください。
秋花粉の違いを解説!
ブタクサと似ている植物にヨモギとセイタカアワダチソウがあります。ブタクサとの違いを確認しましょう。
ブタクサ
ブタクサの特徴はまっすぐ並んだ花のつき方と、ギザギザした葉っぱです。
花が咲いた状態のブタクサとセイタカアワダチソウはとてもよく似ています。またブタクサの葉っぱはヨモギの葉っぱに似ています。
ヨモギ
ヨモギの葉っぱは表側はブタクサと似ていますが、裏側は表に比べて白いのが特徴です。
花はベージュや茶色の落ち着いた色をしています。ヨモギの花のつき方はブタクサと違いランダムで、花が咲くとブタクサと見分けがつきやすくなります。
セイタカアワダチソウ
セイタカアワダチソウは、黄色い花や背丈の高さなどの見た目、道路や河川敷に生えるという生息場所も同じためブタクサと間違われやすい植物です。
よく見るとセイタカアワダチソウの方が花の全体部分がモミの木のように三角形に広がっています。また葉っぱの形もスッと細長く、笹の葉っぱのような直線的な感じです。
セイタカアワダチソウは花粉を飛ばさず、蜂などが花から花へと花粉を運ぶ虫媒花の植物です。
おわりに
ブタクサ花粉症の時期は、イネ科の花粉の飛散時期とも重なります。正しい予防や対処のためにも自分がアレルギー反応をおこしている花粉を特定することは大切です。
秋に花粉症が疑われる症状がでたら、早めに病院で検査を受けることをおすすめします。