花粉症のシーズン中は薬を手放せない!という方も多いでしょう。
花粉症の薬を飲んでいるときに他の薬も飲む必要がでたら、気になるのは薬の飲み合わせですね。
単体で飲めば問題のない薬でも、複数の薬を併用することで良くない影響が出てしまう場合があります。
この記事では、花粉症の薬との飲み合わせに注意が必要な薬や、その理由などを解説します。
薬の飲み合わせに注意が必要なのはなぜ?
薬の飲み合わせによって起こる良くない影響は、大きく分けて2つです。
薬の効果や副作用が強く出すぎてしまう
同じ成分が入っている薬を併用すると、薬の効果が強くなりすぎたり、副作用が強く出すぎてしまいます。
必要以上に薬の効果や副作用が強く出すぎてしまうと、体調を崩したり、腎臓や肝臓に大きな負担がかかることになります。
全く同じ成分ではなくても、同じ作用がある成分であれば同じように注意が必要です。
薬の効果が弱くなってしまう
薬の効果が強く出るのとは反対に、互いに効果を消しあって、必要な効果を弱くしてしまう飲み合わせもあります。
期待する薬の効果が得られないと症状の改善が遅くなって、その後の経過に影響を及ぼします。
花粉症の薬を早めに飲み始めたのに効果がない!ということにならないようにしたいですね。
花粉症の薬との飲み合わせに注意が必要な薬
花粉症の薬といっても、薬によって使われている成分はさまざまです。
薬の飲み合わせにも違いがあるため、特に注意が必要な薬は具体的に名称をあげています。
花粉症の薬と風邪薬の飲み合わせ
花粉症の薬と抗ヒスタミン成分が入っている風邪薬は併用しないようにしましょう。
花粉症の薬は抗ヒスタミン薬で、同じ作用を持つ成分が入っていると薬の効果や副作用を強くしてしまうからです。
抗ヒスタミン成分が入っていない風邪薬は併用できますが、自己判断しないで薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
花粉症の薬と頭痛薬の飲み合わせ
頭痛など鎮痛剤の中でもよく使われるロキソニンは、花粉症の薬と併用しても特に問題はありません。
アレグラ(成分:フェキソフェナジン塩酸塩)を飲んでいる方は、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムが含まれている頭痛薬との併用には注意が必要です。水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムは、アレグラの効果を弱くしてしまう作用があります。
花粉症の薬と胃薬の飲み合わせ
アレグラを飲んでいる方は、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムといった制酸剤との併用は避けましょう。アレグラの薬の効果を弱くしてしまいます。
クラリチン(成分:ロラタジン)を飲んでいる方は、胃酸抑制剤であるシメチジンとの併用はしてはいけないことになっています。シメチジンは代謝を阻害し薬の成分の分解を遅らせて、薬の効果や副作用が強く出てしまいます。
ポララミン(成分:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)、ぺリアクチン(成分:シプロヘプタジン塩酸塩)などの第1世代の花粉症の薬は、抗コリン成分(ロートエキスやブチルスコポラミン)を含む胃薬との併用は避けましょう。
第1世代の花粉症の薬とは、抗ヒスタミン薬のうち、副作用を少なく開発された第2世代の前に作られたものです。眠気や口の渇きを起こす抗コリン作用を持っているので、作用が重なって副作用が強く出る可能性があります。
花粉症の薬とピルの飲み合わせ
市販されている花粉症の薬とピルの併用は問題ありません。
しかし、処方薬として出されるセレスタミンはステロイドの作用があるので注意が必要です。ピルはステロイドの作用を強くする可能性があると報告されているからです。
花粉症の薬を処方してもらうときは、医師にピルを服用していることを伝えてください。
花粉症の薬と抗生物質の飲み合わせ
花粉症の薬の中には特定の抗生物質との併用に注意が必要なものがあります。
アレグラ、クラリチン、エバステル(成分:エバスチン)を飲んでいる方は、抗生物質の一種であるエリスロマイシンとの併用を避けてください。薬の効果や副作用が強く出る可能性があります。
エリスロマイシンに市販薬はないので、医師から処方されない限り併用することにはなりませんが、病院で処方された場合は花粉症の薬を飲んでいることを医師に伝えてください。
危険な飲み合わせをしないために
自分が使っている薬を把握する
病院を受診して薬を処方されている場合は、一緒に飲んではいけない薬をあらかじめ医師や薬剤師に聞いておくと良いでしょう。
市販薬でも飲み合わせが良くない薬がある場合は添付文書に記載があります。添付文書を確認し、使っている薬のことを把握しておくことが大切です。添付文章を読んでも判断がつかなかったり、不安な時は薬剤師に相談しましょう。
お薬手帳を活用する
お薬手帳は、今まで処方された薬の名前、日付、量、日数などを記録する手帳です。
お薬手帳を活用することによって、薬の重複や、良くない飲み合わせを防ぐことができます。
お薬手帳は薬局ごとに分けないで1冊にまとめて管理することが大切です。現在は冊子だけではなくアプリも出ているので、管理しやすい方を選ぶと良いでしょう。
病院を受診する時は医師に見せて薬を処方してもらい、市販薬を買う時は薬剤師に見せて相談すると、危険な飲み合わせを避けることができます。
お薬手帳がない場合は、医師や薬剤師に使用中の薬を伝えるようにしましょう。
おわりに
同じ症状に使われる薬でも、配合されている成分によって作用や副作用はさまざまです。「花粉症の薬」とすべてをひとくくりにできるものではありません。
思わぬ良くない影響が現れる可能性があるため、薬を併用する場合は自己判断せずに医師や薬剤師に相談することをおすすめします。