妊娠中は花粉症の薬を飲める?

妊娠中は、薬の使用による胎児への影響が考えられるため、普段以上に使用する薬について気を配る必要があります。

妊娠中に服用した薬によって胎児が受ける影響のひとつに、薬の服用によって胎児の奇形が起こる催奇形性(さいきけいせい)があります。

催奇形性のリスクがもっとも高い時期は、妊娠4〜7週(2か月前後9までの胎児の臓器などを作る期間である「器官形成期」です。

器官形成期に限らず、原則として妊娠15週(4か月の半ば)までは、薬の使用は控えることをお勧めします。

ただし、花粉症の症状があまりにひどい場合など、精神的・身体的ストレスがかえって胎児への悪影響を及ぼすことも考えられます。

妊娠中でも使用が可能な花粉症の薬はあります。医師や薬剤師と相談し、妊娠中でも使用できる薬を活用して花粉症の症状を緩和させましょう。

妊婦が使える花粉症の処方薬は?

妊娠中に使用できる薬には制限がありますが、症状がひどい場合などは医師の判断により薬が処方されます。

妊娠中の花粉症の症状に処方される薬は、過去の使用実績が豊富であり、妊婦や胎児に対して比較的安全とされている薬なので、医師の指示通り正しく使用しましょう。

花粉症の治療に使用される薬には、点鼻薬・点眼薬・漢方薬・内服薬があります。

多くの点鼻薬や点眼薬は血中へ移行する薬の量が少なく、妊娠や胎児への影響が少ないといえます。

妊娠中の花粉症の治療では、鼻や目などの部分的に作用する点鼻薬や点眼薬の治療が主体になります。

妊婦に処方される点鼻薬

  商品名
ステロイド系 フルナーゼ点鼻液・ナゾネックス点鼻液・アラミスト点鼻液 など
抗ヒスタミン系 インタール点鼻液・ザジテン点鼻液 など

ステロイド系は、花粉症を含むアレルギー性鼻炎、鼻の炎症に効果を発揮します。

抗ヒスタミン系は、花粉症を含むアレルギー性鼻炎、鼻のアレルギー反応に効果を発揮します。

妊婦に処方される点眼薬

・パタノール点眼液(オロパタジン)
・リボスチン点眼液(レボカバスチン)
・インタール点眼液(クロモグリク酸ナトリウム)
・ザジテン点眼液(ケトチフェン) など

漢方薬

・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
・葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい) など

花粉症に使用される漢方薬の中でも、小青竜湯はもっとも有名な漢方薬です。小青竜湯は花粉症や鼻炎の鼻水などに効果があり、抗アレルギー作用や抗炎症作用が認められています。

製薬会社が発行している添付文書の効能効果にも「花粉症」「アレルギー性鼻炎」などが記載されています。

妊婦に処方される内服薬

妊娠8週目からは胎児に対する影響が少なくなるため、花粉症の治療として内服できる薬があります。

原則として妊娠4ヶ月の半ばまでは薬を使用することは避けたほうが安全であるため、花粉症の症状がおさまらないなど、やむを得ない場合に内服薬を使用します。

妊娠8週目から使用できる内服薬には、次のようなものがあります。

  商品名
第一世代抗ヒスタミン薬 ポララミン・タベジール・レスタミン など
第二世代抗ヒスタミン薬 クラリチン・ジルテック・アレグラ など

抗ヒスタミン薬は、アレルギーの治療に使用される内服薬です。第二世代抗ヒスタミン薬は、第一世代抗ヒスタミン薬に比べて眠気などの副作用が出にくいため、妊婦の場合は基本的に第二世代抗ヒスタミン薬の使用が推奨されています。

第二世代抗ヒスタミン薬を使用しても症状がおさまらない場合には、第一世代抗ヒスタミンのポララミンを使用することが多くあります。

妊婦が使える花粉症の市販薬は?

妊娠中は使用する薬によって胎児に影響を与えるおそれがあるため、自己判断で市販薬を使用することは避けましょう。

花粉症の市販薬において点鼻薬と点眼薬は、血中へ移行する薬の量が少ないものが多くありますが、市販薬の使用については必ず産婦人科の医師、もしくは薬剤師に相談するようにしましょう。

妊婦が使えない市販薬

妊娠中は市販薬の点鼻薬と点眼薬であっても、ナファゾリン塩酸塩とテトラヒドロゾリン塩酸塩を含む薬は注意が必要です。

ナファゾリン塩酸塩やテトラヒドロゾリン塩酸塩には、血管を収縮させる作用があるため、子宮を収縮させる作用もあります。

市販薬を使用する際には成分をよく確認し、薬剤師へ相談をしましょう。

妊婦にお勧め!薬以外の花粉症対策4選

妊娠中の花粉症対策では薬の使用に制限があるため、薬以外の対策を行うことも重要です。

花粉症の症状をおさえるには「いかにアレルギー源(花粉)と接触しないようにするか」が大切なポイントです。

花粉症の原因はアレルギー源である花粉に対する体のアレルギー反応なので、なるべく花粉を避ける対策を行いましょう。

マスクを着用する

花粉症の基本的な対策方法ですが、マスクの着用で口と鼻から花粉が侵入することを防ぎます。

花粉の粒子の大きさに合わせて、花粉の侵入を防げるようなマスクを購入すると良いでしょう。

2〜4月に流行する「スギ花粉」の粒子は20〜40マイクロメートルとなっています。

ウイルスやPM2.5は花粉より小さいため、「花粉」「ウイルス」「PM2.5」対策に作られたマスクがおすすめです。

コンタクトレンズの装用を避ける

花粉症のシーズンはなるべくコンタクトレンズの装用を避け、メガネで過ごしましょう。

目がかゆくて目をこすることでコンタクトレンズと一緒に角膜を傷つけてしまったり、目やにでレンズが不衛生になったり、花粉がレンズに付着して花粉症の症状が悪化する原因になります。

コンタクトレンズをつけたまま目が炎症してしまった場合は、結膜炎などを起こすおそれがあります。場合によっては抗生物質の入った目薬での治療などが必要になります。

上着に付着した花粉をブラシで払う

外出後、家に入る前には上着い付着した花粉をブラシで払い、花粉を室内に持ち込まないようにしましょう。

スギ花粉の時期はまだまだ外が寒くコートなど着用することも多いため、家に入る前にコートや上着全体にブラシをかけて目に見えない花粉を払い落とすようにしましょう。

なるべく毎日床の拭き掃除を

花粉は上から下に落ち、床にたまりやすい特徴があるため、床はこまめに清掃しましょう。

床の清掃方法は花粉を舞い上げやすい掃除機より、拭き掃除がおすすめです。

人が出入りしたり動くことで床の花粉が舞い上がり、花粉症の症状が出てしまうことがあります。

おわりに

妊娠中の花粉症対策では、特に薬において注意しなければならない面があります。

自己判断で薬を服用せずに、まずは近くの病院やかかりつけ医に相談しましょう。