はじめに

隣国である韓国で「MERS(マーズ:中東呼吸器症候群)」という感染症が感染拡大し、流行しつつあり韓国のみならず危機感が高まっています。

MERS(マーズ)は2012年に初めて確認された新型のウイルスを原因とする呼吸器系の感染症で、イギリスで確認されたのち中東を中心に感染が拡大したため中東呼吸器症候群(ちゅうとうこきゅうきしょうこうぐん=MERS:Middle East Respiratory Syndrome)とも呼ばれます。

MERS(マーズ)は感染経路は依然不明なもののウイルス性の感染症であるため、今後日本国内で発生する可能性も否定できない状況です。
そこで、今回はMERS(マーズ)を対岸の火事としないように、原因・症状・感染経路・潜伏期間・治療法・予防法について解説していきたいと思います。
 

中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)の原因はMERSコロナウイルスという感染性のウイルス

中東呼吸器症候群(MERSS・マーズ)の原因はMERSコロナウイルスと呼ばれるウイルスです。

Photo by Maureen Metcalfe/Cynthia Goldsmith/Azaibi Tamin
 

MERSコロナウイルスはベータコロナウイルス属と呼ばれるグループに含まれるウイルスで、2003年に中国・香港で流行したSARSコロナウイルス(サーズ・重症急性呼吸器症候群=SARS:Severe Acute Respiratory Syndrome)などが同じグループに属しています。

MERSコロナウイルスは2012年に初めて確認されたばかりの新型のウイルスです。
 

中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)の症状

中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)に感染し、発症すると発熱・咳など肺炎に似たような症状がでます。
また、人によっては気管の症状と合わせて下痢などの消化器症状も発症しています。

2015年6月現在、中東地域での発症後の死亡率が約40%と非常に高くなっており警戒されています。

特に、高齢者や糖尿病・肺の疾患・免疫不全・癌治療の方など、免疫力が落ちがちな持病・基礎疾患を持っている方が重症化しやすくなっています。
現状、病院などの医療機関内での感染が起きていることから、上記のような元々免疫力が落ちている方が発症して亡くなる事例も多くなっていると考えられます。

主な初期症状である発熱や咳や息切れなどは通常の風邪や呼吸器系疾患でも良くみられるものなので分かりにくい点に注意が必要です。
感染地域に滞在しているときや、滞在後2週間以内にに38度以上の熱や呼吸器系の症状が出たときは注意が必要です。

 

中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)の感染経路

中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)の感染経路は2015年6月現在のところ明確になっていません。
元々はラクダやコウモリを仲介して感染したと考えられています。

現時点では空気感染は確認されていないので感染者と同じ空間にいただけでは感染しないと考えられています。
しかし、感染者に濃厚接触することでの感染があるとされており、感染者の咳やくしゃみを吸ってしまうことによる「飛沫感染」や「接触感染」による感染があると考えられています。
 

中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)の潜伏期間

中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)の潜伏期間は2.5〜14日間とされています。
潜伏期間中は症状が出ないため感染に気付きにくいので感染地域に滞在していた方は症状がでないことを2週間は気をつけた方がよいでしょう。

そのため感染地域である中東地域や韓国で感染したあと、発症せず日本に入国した後に発症する可能性は残っています。
ただ、人から人へ感染しやすいわけではないため、感染・発症が疑われても医療機関で適切に対策することで国内での感染拡大は抑えられると考えられています。
 

中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)の治療法

2015年6月現在、中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)の原因となるMERSコロナウイルスに対するワクチンなど根本的な予防法や治療法は確立されておらず、感染・発症してしまった場合は対症療法により症状を落ち着かせる治療となります。
まずは感染しないように予防に心がけることが大切になるでしょう。
 

中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)の予防法

2015年6月現在、中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)の原因となるMERSコロナウイルスに対するワクチンなど根本的な予防方法はないため、マスクなどで飛沫感染や接触感染を防ぐことが予防方法となります。

2015年6月現在、日本国内では感染が確認されていないので、中東地域や韓国など感染地域に渡航する際には予防方法に気をつけるようにしましょう。

現在の感染国は、サウジアラビア、韓国、アラブ首長国連邦、ヨルダン、カタール、オマーン、イラン、クウェート、イエメン、レバノン。旅行者による一時的な感染国は、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、オランダ、ギリシャ、チュニジア、エジプト、アルジェリア、マレーシア、フィリピン、スペイン、トルコ、オーストリアとなっています。

感染地域に訪問予定がある場合は以下のようなことに気をつけましょう。

  • 今後感染国が広がる可能性はあるので、海外渡航前に渡航先が感染注意となっていないかを外務省海外安全ホームページ、訪問先の在外日本国大使館ホームページなどで確認しましょう。
  • 感染地域ではできる限り動物に触れないこと。
    流行がおさまるまではラクダ以外の動物にもなるべく触れないように気をつけましょう。
  • 感染地域ではできる限り咳やくしゃみの症状がある人との接触をさけましょう
    マスクをする、こまめに手洗いをするといった予防策をとりましょう。
     

もし中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)かも?と思ったら

  • 感染地域からの帰国時に発熱や咳などの症状がある方は、空港を出る前に空港内の検疫所などに相談しましょう。
  • 感染地域からの帰国後14日以内に、発熱や咳などの症状がみられたら「病院などの医療機関にはいかず」お住いの市区町村の「保健所にまず相談」しましょう。保健所で適した医療機関を紹介してもらえます。
  • 症状がある間は、極力他人と接触せず、マスク等を必ずつけるようにしましょう。

関連記事:「MERS(マーズ)かも?!」と思ったら確認しておきたいMERS(マーズ)の初期症状・特徴と対応方法
 

おわりに

隣国・韓国で感染が確認されて日本国内でも警戒心が高まっているMERSですが、現時点では感染が確認されても適切な対応ができれば日本国内での感染拡大は抑えられると考えられています。

また、今後感染地域が拡大する可能性は残っています。厚生労働省が最新情報を発信していますので、海外にいくときなどはこちらもチェックしておくと良いでしょう。
厚生労働省:感染症情報・中東呼吸器症候群(MERS)

今のうちに理解を深めておき、いざという時に冷静に対応できるようになっておきましょう。