水害による床上・床下浸水時の衛生対策と消毒方法について:台風や豪雨の際の後処理は、感染症の予防でも重要です!

毎年夏から秋にかけて心配なのが、台風の襲来や集中豪雨による「水害」です。
河川が氾濫したり側溝から水があふれると、道路や家屋などあらゆるものが汚水に浸かるため、衛生環境が著しく悪化します。
夏の暑さも加わって雑菌が一層繁殖しやすくなりますので、水害後の感染症予防は重要課題。
今回は、もしものときの水害対策!床上・床下浸水になった際の衛生対策と消毒方法についてご紹介します。

 

目次

1.水害後の衛生対策(床上浸水の場合、床下浸水の場合)
2.水害後の消毒方法
3.消毒をおこなう際の注意事項
4.食中毒と感染症の予防について
 

1.水害後の衛生対策

汚水に浸かったさまざまな物の衛生対策として、すべてに共通して真っ先におこなうことは「汚れの除去」です。
まずは泥などの汚れを洗い流すか、雑巾で水拭きする作業をおこないます。
消毒は汚れを除去した後でないと効果を発揮しないので、注意してください。

床上浸水の衛生対策

  • 家の周囲、床下などにある汚泥や不要なものをスコップなどでかき出し、片付ける。
  • 外壁は水洗いする。
  • 畳やカーペットなどは外し、雑巾等で吸水。扇風機などを使って強制的に換気して乾燥させる。
  • 床、壁、家具などは、汚れを水で洗い流すか、洗えないものは雑巾で水拭きする。(特にトイレ周りや台所は念入りに!)
  • 食器や調理器具は水洗いして汚れを洗い流す。
  • 洗えない家具や家電製品の汚れは、雑巾で水拭きして落とす。
     

床下浸水の衛生対策

  • 家の周囲、床下などにある汚泥や不要なものをスコップなどでかき出し、片付ける。
  • 外壁は水洗いする。
  • 水がたまっていたら雑巾等で吸水。扇風機などを使って強制的に換気して乾燥させる。
     

2.水害後の消毒方法

消毒は、ドラッグストアやホームセンターで入手できる薬剤で行うことが出来ます。
ただし、消毒薬を過剰に使用すると健康や環境に影響を与えることがあるため、使用は必要最小限を心がけてください。

一般的に使用される消毒薬

  • 塩化ベンザルコニウム液(逆性石鹸)・・・0.1%の消毒液にする場合は、塩化ベンザルコニウム液(10%濃度)10mlに水を加えて1ℓにする。
  • 次亜塩素酸ナトリウム液(家庭用塩素系漂白剤など)・・・0.02%の消毒液にする場合は、次亜塩素酸ナトリウム液(10%濃度)2mlに水を加えて1ℓにする。
  • 消毒用アルコール
     

場所別・消毒方法

  • 床や畳:0.2%の塩化ベンザルコニウム液で拭き上げる。そのあとは風通しをよくしてそのまま乾燥。
  • トイレやその周辺:便器やその周辺に0.2%の塩化ベンザルコニウム液を散布。床や壁も0.2%の塩化ベンザルコニウム液で拭き上げ、自然乾燥。ドアノブなどは消毒用アルコールで消毒。
  • 家具:汚れを拭きとったあと、消毒用アルコールで再度拭きあげる。
  • 衣類:0.1%の塩化ベンザルコニウム液に30分以上浸けおき、その後、洗濯する。
  • 寝具(洗えないもの):片面2時間ずつ、両面で4時間程、日光消毒する。
  • 衣類:0.1%の塩化ベンザルコニウム液、または0.02~0.05%の次亜塩素酸ナトリウム液に30分以上浸けおき、その後、洗濯する。
  • 食器類:熱湯消毒、もしくは0.02%の次亜塩素酸ナトリウム液に5分以上浸けおいた後、水洗いする。
  • 手指:汚れを石鹸で洗い、流水でよくすすぐ。そのあと0.1%の塩化ベンザルコニウム液で30秒程もみ洗いし、乾いたタオルでよく拭く。
     

消毒薬の使い分けですが、次亜塩素酸ナトリウム液は殺菌作用が強く、漂白効果もあります。ただし、金属には使用できません。
食器類や、色落ちが気にならない布製品の消毒に使用します。
塩化ベンザルコニウム液は漂白効果がないため、床や畳などさまざまなものの消毒ができますが、ゴム製品への使用はさけてください。
 

水害後の消毒を行う際の注意事項

消毒液は希釈しても体に対して毒性が強いため、乳幼児の手の届かない場所に保管するなど、取扱いに充分気をつけてください。
具体的には次の通りです。

  • 消毒液を使う際には、長そで、長ズボンを着用し、メガネやマスク、ゴム手袋を使用して皮膚や目にかからないよう十分気をつける。
  • もし皮膚に付いた場合は、大量の水や石鹸でよく洗い流す。目に入った場合は水で15分以上洗い流し、その後医師の診断を受けること。
  • 消毒液は使用直前に希釈し、使用濃度など、取り扱い方法を守ること。
  • 他の消毒液や洗剤などと混ぜないこと。
  • 誤飲を防ぐため、消毒薬はペットボトルに移し替えないこと。

 

水害後の食中毒&感染症の予防について

水害後は感染症が発生しやすい環境になっていることを意識し、通常時以上の予防を心がけてください。
特に食事を作る人、乳幼児や病人の世話をする人は、予防の徹底が重要です。
ポイントがこちら!

  • 石鹸を使ってよく手洗いする。特に調理時や食事の前、トイレの後は必ず石鹸を使って充分に洗うこと。
  • 水に浸かった食品や、停電により保管温度を適正に保てなかった食品は出来るだけ廃棄すること。
  • 直接、容器を口にするような食品(ペットボトル飲料など)は、容器の汚れを落としたと思っていても雑菌が残っている可能性があるので廃棄すること。
  • 汚水などで汚染された井戸や受水槽は、安全を確認した後に使用すること。
  • 発熱、下痢、腹痛など、体に異常を感じたら早めに医療機関を受診すること。

 

おわりに

水害では後片付けで体力を消耗するとともに、精神的にも大きなダメージを受けます。
疲労がたまると免疫力が低下し、感染症に対する抵抗力も弱まりますので、後処理は地域が一体となって行うことが求められます。
持病をお持ちの方や、体調を崩している方は決して無理をしないでください。

(image by photo-ac )
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