ある日何気なく性器を見たら、白いブツブツを発見!
(も、も、もしや性感染症か???)
誰にも相談できず、ひとりで悩んでいるあなた。
もう一度ブツブツをじっくりと観察してみましょう!

もし、そのブツブツが・・・
・色:黄白色
・形状:約1mm程度のイボで、表面がなめらか。敷石状に多発している部分もある
・痛みやかゆみがない
このようなものなら「フォアダイス(fordyce)」かもしれません。
フォアダイス(fordyce)とは:成人男性の半数以上にある?!
フォアダイスとは陰茎の皮膚や包皮など、性器周辺にできる白っぽいブツブツのこと。
もともとは皮膚の脂腺という皮膚表面にある組織です。
脂腺は体毛1本に対して、それぞれに存在する皮脂を分泌する腺。
これが毛根がない場所にも独立して現れ、皮脂を排出できず、白っぽいかたまりとなって透けてみえているのです。
つまりフォアダイスは生理現象のひとつで、病気ではありません。
性行為でパートナーに感染することもなく、無害です。
フォアダイスは成人男性の7割ほどにみられ、珍しいものでも、恥ずかしいものでもありません。
また年齢とともに増えることがあり、高齢者の粘膜に多くできる傾向にあります。
フォアダイスができる原因はニキビと似ている
フォアダイスができる原理はニキビと似ています。
開口部がない脂腺に脂肪が溜まってできるものなので、性行為をおこなっても感染することはありません。
男性は皮脂が多いためフォアダイスができやすいですが、じつは女性にもみられます。
ただし、ニキビと似ているからといって爪などで潰すのは厳禁!
もともと薄い皮膚に傷口から雑菌などが入ると化膿してしまいますよ。
フォアダイスができやすい場所は陰茎や亀頭近くの粘膜の上
毛根がない場所でも、脂腺があればフォアダイスは形成されます。
そのため、陰茎や亀頭近くの粘膜の上にできやすいという特徴があります。
この他にも唇や頬の内側の粘膜、女性なら小陰唇にできることがあります。
ちなみにフォアダイスとよく似たものに、真珠様陰茎小丘疹という亀頭部分をぐるりと取り囲むようにできる白いブツブツがあります。
これも同じく脂肪のかたまりです。
フォアダイスと同様に感染することがなく、無害となっています。
注意・こちらは性感染症!尖圭(せんけい)コンジローマとの違い
もうひとつ、フォアダイスと似た症状に「尖圭(せんけい)コンジローマ」があります。
こちらはSTD(性感染症)の一種で、性器やその周辺にとがったイボができる病気。
原因はPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスで、あらゆる性行為(セックス、アナルセックス、フェラチオ、クンニリングス)とその類似行為で感染します。
PV(ヒトパピローマウイルス)に感染しても、免疫力が高いとイボができず、数年でウイルスが自然消滅することがあります。
しかし、いったんイボが増えると治療が難しくなり、場合によってはがんを誘発する可能性もあるため、放置は厳禁です。
自己判断が難しいため、性器やその周辺にイボがある場合は泌尿器科や皮膚科の医師に診てもらいましょう。
尖圭コンジローマは性病の中でも患者数の多い病気です。さらに他の性感染症に比べて患者数の減少率が少ないことが注目されています。性行為の経験があれば誰でも感染の危険性がある尖圭コンジローマについて解説します!
フォアダイスの治療は美容的な面から希望する人が多い
フォアダイスは感染性のない生理現象。
病気ではないので、基本的には治療せず放置しても問題ありません。
しかし自然になくなることはなく、何より見た目が気になるもの。
性器付近のブツブツのため、女性から「性感染症ではないか」と疑われることもあるため、美容的な面から治療を希望する人が多くいらっしゃいます。
その場合、泌尿器科や形成外科での手術によってブツブツを除去します。
・手術のメリット
フォアダイス(ブツブツ)が完全に取れ、傷跡も残らない
・手術のデメリット
保険がきかず(自費診療)、比較的コストがかかる
医者や看護師に患部を見せるため、心理的なハードルが高い

手術方法
◆レーザー治療
レーザー治療は特殊な光を利用した治療法で、ブツブツ部分以外の組織を傷つけずに治療をおこないます。
出血もほとんどありません。
治療後は数日~1週間程度カサブタになりますが、自然にとれます。
その後は皮膚表面がきれいな状態になり、治療跡も目立たなくなっていきます。
◆電気メス
電気メスは、熱を利用して組織を破壊したり除去したりする方法です。
顔や体のほくろ治療にもよく用いられる治療法です。
尚、レーザー治療と電気メスいずれもブツブツの周りに局所麻酔をしておこない、15分程度で終了します。
入院の必要はありません。手術後は塗り薬でアフターケア。
翌日からシャワーを浴びても大丈夫ですが、かさぶたが取れるまでは湯船に入るのは避けましょう。
薬について
現在、フォアダイスの治療薬はありません。
そもそもフォアダイスは”脂肪のかたまり”のようなものですから、放置していても問題がないということがあるのでしょう。
脂漏性皮膚炎や湿疹などに用いられる薬にステロイド系のVG軟膏がありますが、フォアダイスの治療には使用しないでください。
ステロイド系の軟膏は、性器などの粘膜部分からの吸収が強いため、患部の免疫を損ねたり、皮膚の萎縮が赤みなどの副作用の危険性があります。
くれぐれも自己判断での使用は避けるようにしてください。
おわりに
性器やその周辺のブツブツは、早期に正しい診断を受けることが需要です。
とくに尖圭コンジローマの場合はパートナーに感染させる可能性もあり、悪化すると完治まで時間もかかります。
いつまでも不安を抱えたまま過ごすより、まずは泌尿器科や皮膚科を受診。
医師と相談のうえ、正しいケアをおこなってください。