【知っておきたい制度】医薬品副作用被害救済制度とは

薬を正しく使用したとしても副作用が発生するリスクは必ずついてまわります。この副作用が入院が必要な程、重度であった場合、医療費などの給付を受ける制度があります。その、医薬品副作用被害救済制度について解説していきます。

医薬品を使用すると、正しく使用していたとしても副作用が発生する場合があります。薬を正しく使用したにもかかわらず、入院が必要になる、またはそれ以上の重篤な副作用がおこった場合、医療費などの給付を受けることができる制度があるのです。
この記事では、正しく医薬品を使用しても重篤な副作用がおこってしまった時に活用することができる、医薬品副作用被害救済制度について解説していきます。

医薬品副作用被害救済制度とは

医薬品を薬剤師・登録販売者の指示通り、または薬の添付文書やパッケージに記載されている説明書きの通りに使用したにもかかわらず、以下のような被害が大きい副作用が発生した場合に医療費などが給付される制度です。

①入院を必要とする
②日常生活が制限される程の障害がおこった
③死亡

医薬品の対象は処方薬から市販薬まで含まれる

制度を受けることができる対象となる薬は、病院で処方される処方薬だけではなく、ドラッグストアやオンラインショップなどで購入可能な市販薬まで含まれます。

ただし、注意しなくてはいけないのが厚生労働大臣の許可を受けた医薬品及び再生医療などの製品であることです。
日本で認可のおりている医薬品のみが対象となり、日本で認可外となっている医薬品や個人輸入業者が取り扱っている海外製の医薬品などは制度の対象外となります。

また、農業用薬品や工業用薬品を使用した場合の健康被害などについても医薬品とは異なるため、制度の対象外となります。

救済制度の対象外になる場合

医薬品を使用し、重篤な副作用が発生した場合でも、副作用救済給付の対象外となり、制度を利用できない場合があります。副作用救済給付の対象にならない場合は次のとおりです。

1、法定予防接種を受けたことによるものである場合
(任意に予防接種を受けたことによる健康被害は対象になります。)

2、医薬品等の製造販売業者などに損害賠償の責任が明らかな場合

3、救命のためやむを得ず通常の使用量を超えて医薬品等を使用したことによる健康被害で、 その発生が予め認識されていた等の場合

4、がんその他の特殊疾病に使用される医薬品等で厚生労働大臣の指定するもの (対象除外医薬品)等による場合(Q5参照。)

5、医薬品等の副作用のうち軽度な健康被害や医薬品等の不適正な使用によるもの等である場合

6、副作用や障害の程度が軽い場合や請求期限が経過した場合

7、その他、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会で給付の対象にならないと判定された場合

PMDA 医薬品副作用被害救済制度に関するQ&A:救済の対象とならない場合とは、どのような場合ですか

救済給付の種類や給付額

救済の給付は7種類あります。その種類によってぞれぞれ給付額が異なります。

■入院治療を必要とする程度の医療を受けた場合
(1) 医療費 …………… 健康保険等による給付の額を除いた自己負担分
(2) 医療手当 ………… 月額 34,000円または36,000円(入院、通院の区分、治療日数による)

■日常生活が著しく制限される程度の障害がある場合(法令で定める程度の障害)
(3) 障害年金 ………… 1級 年額2,736,000円 / 2級 年額2,188,800円
(4) 障害児養育年金 … 1級 年額855,600円 / 2級 年額684,000円

■死亡した場合
(5) 遺族年金 ………… 年額2,392,800円
(6) 遺族一時金 ……… 7,178,400円
(7) 葬祭料 …………… 206,000円

※平成27年4月1日現在の給付額

PMDA 医薬品副作用被害救済制度:どんな救済があるの?

 医薬品副作用被害救済制度の請求について

医薬品副作用被害救済制度の請求先ですが、厚生労働省管轄の独立行政法人で、医薬品・医療機器などの審査関連業務などを行っているPMDA(医薬品医療機器総合機構)に対して請求します。

給付の請求ができるのは健康被害を受けた本人、またはその遺族です。

請求の際には医師の診断書をはじめ、投薬・使用証明書など、さまざまな書類が必要となり、証明書の種類や数は給付の種類によって異なります。
詳しくは、下記のPMDAサイト内、医薬品副作用被害救済制度の請求に必要な書類の項目をご覧ください。

また、請求期限についても給付の種類によって異なります。請求期限が過ぎていないかご注意ください。

【参考】
医薬品副作用被害救済制度の請求に必要な書類
医薬品副作用被害救済制度の請求期限

審査の流れ

PMDAは請求を受けたら、厚生労働大臣に審議の申し出をします。

厚生労働大臣が申し出を受けたら、その健康被害が医薬品の副作用によるものかどうか、医薬品が適正に使用されたかどうか薬事・食品衛生審議会(副作用・感染等被害判定部会)に意見を聞き、審議・判定して給付が決定します。

もしも、この決定に対して不服があった場合は厚生労働大臣に対して申し立てを行うことも可能です。
ただし、申し立てができる期間が定められており、支給の決定があった日の翌日から三ヶ月以内としています。

誰にでも起こりうるからこそ知っておきたい制度

私たちが病気にかかると、治療の第一選択として薬を使用することが少なくありません。
誰もが使用する可能性のある薬だからこそ、副作用の心配もついてまわります。

万が一のことが起こった場合、このような制度を利用できれば、医薬品の使用による健康被害者の経済的負担の軽減に繋がる場合もあります。

ただし、制度を使用できる対象は入院を必要とする以上の健康被害にあった場合に限ります。
この制度を利用するか、または利用できるか、まずは担当の医師と相談して決めるようにしてください。

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