伝発性単核球症(キス病)とはSTD(性感染症/性病)にもなってるウイルス性の感染症です。
爆笑問題の田中裕二さんが過去にキス病に感染して緊急入院しましたね。
「キス病」の原因となるウィルスはエプスタイン・バール・ウイルス(EBウイルス)です。
他にもサイトメガロウイルスやHIVウイルスで発症する場合もありますが、ここでは主な感染源のEBウイルスのによる経口感染について触れていきたいと思います。

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伝発性単核球症(キス病)とは?
主な感染源のEBウイルスはヘルペスウイルスの仲間で唾液に最も多く含まれます。
回し飲みやハシやスプーンの共有、口移し、そしてキスによって感染するので「キス病」と呼ばれます。
5歳になる前に約70%が感染していますが幼少期の初感染で症状が出ることはほとんどありません。
感染したら宿主になるのでヘルペスと同様に免疫力が低下すると発症することがあります。
ただ、通常は再発はごくまれです。
抗体ができるので再感染もありません。
知らぬ間にかかって抗体ができているので日本では約90%の成人に抗体があります。
思春期を過ぎてから感染すると約50%が発症します。
重たい症状が出る場合もありますが感染後は数週間で自然に治ります。
キスで感染するの?
EBウイルスは唾液に多く含まれるので主な感染は経口感染です。
唾液を介さない行為での感染はほとんどありません。
キス病と呼ばれる由来はアメリカで、アメリカは幼少期の感染率が20%程度と低く、青年期のキスからの発症が多いからだと言われています。
日本では幼少期に母親が噛み砕いたものを食べたりすることにより感染していることのほうが思春期以降のキスでの感染より多いです。

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伝発性単核球症(キス病)の潜伏期間
30~50日
幼少期にかかっても症状はほとんど出ません。
発症するのは思春期以降ですが、免疫力の低下などで幼少期に発症する場合もあります。
伝発性単核球症(キス病)の検査
血液検査でリンパ球の増加・リンパ球が見つかります。約90%に肝炎の症状が出ます。
伝発性単核球症(キス病)の症状
・長く続く疲労
・発熱(38℃以上)
・頸部リンパ節のはれ
・咽頭炎
・肝機能の異常(急性肝炎)、肝臓の腫れ
・脾臓の腫れ
・発疹
発熱や咽頭炎、頸部リンパの腫れが唯一の症状になったりと症状には個人差があります。
すべての症状が出るわけではありません。
発症した場合ツラい症状が出ます。
発症初期は体がすごくだるくなったり疲れやすくなります。
この倦怠感は2~3ヶ月続くことがあります。
1週間くらいすると発熱や頸部のリンパの腫れ、咽頭炎などが起こります。
咽頭炎は強い痛みを伴います。
食事もツラくつばを飲み込むのもツラい程です。
発熱がおきると1~2週間と長く続き、発疹が出る場合もあります。
風邪と症状がよく似ているためよく間違えられます。
肝機能の異常はほとんどのケースで見られますがひどい場合は入院の必要があります。
稀に黄疸が出ることもあります。

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伝発性単核球症(キス病)の受診科
内科・耳鼻科
※費用は病院や治療方針によって異なりますので、各医療機関へ確認してみましょう。
伝発性単核球症(キス病)の治療
安静にして経過観察することと対症療法が基本です。
肝機能に重度の異常が出たら入院することもあります。
6ヶ月以上経っても症状がよくならないようなら重症化している恐れがあります。
おわりに
成人だったらほとんどの人が感染しているのでパートナーへの感染などは神経質になる必要はありません。
風邪だと思っても熱が下がらないようだったら感染の可能性があるので病院に行って検査を受けましょう。