伝発性単核球症(キス病)とは主に唾液で感染するウイルス性の感染症です。
爆笑問題の田中裕二さんが過去にキス病に感染して緊急入院したこともあります。
「キス病」の原因となるウィルスの大半がエプスタイン・バール・ウイルス(EBウイルス)です。
他にもサイトメガロウイルスやHIVウイルスで発症する場合もありますが、ここでは主な感染源のEBウイルスによる感染について触れていきたいと思います。
伝発性単核球症(キス病)とは?
主な感染源のEBウイルス(ヒトヘルペスウイルス4型)はヘルペスウイルスの仲間で唾液に含まれます。
回し飲みやハシやスプーンの共有、口移し、そしてキスによって感染するので「キス病」とも呼ばれます。
5歳になる前に50%、大人では90%以上が感染していますが、幼少期に初感染した場合は症状が出ることはほとんどありません。
思春期よりあとに感染した場合は発症するケースが多くみられます。
キスで感染するの?
EBウイルスは唾液に多く含まれるので主な感染は唾液による感染です。
唾液を介さない行為での感染はほとんどありません。
キス病と呼ばれる由来はアメリカで、アメリカは幼少期の感染率が20%程度と低く、青年期のキスをきっかけとする発症が多いからだと言われています。
日本では幼少期に母親が噛み砕いたものを食べたりすることによって感染していることのほうが、思春期以降のキスでの感染より多いです。
伝発性単核球症(キス病)の潜伏期間
伝染性単核症の潜伏期間は30~50日ほどです。
幼少期にかかっても症状はほとんど出ません。
発症するのは主に思春期以降ですが、免疫力の低下などで幼少期に発症する場合もあります。
伝発性単核球症(キス病)の検査
血液検査で白血球数の増加、リンパ球の増加および異形リンパ球が見つかります。
約90%の患者で肝機能の数値に異常がみられます。
伝発性単核球症(キス病)の症状
・長く続く疲労
・発熱(38℃以上)
・頸部リンパ節のはれ
・咽頭炎
・肝機能の異常(急性肝炎)、肝臓の腫れ
・脾臓の腫れ
・発疹
発熱や咽頭炎、頸部リンパの腫れが唯一の症状になったりと症状には個人差があります。
すべての症状が出るわけではありません。
発症した場合ツラい症状が出ます
発症初期は体がすごくだるくなったり疲れやすくなります。
この倦怠感は2~3ヶ月続くことがあります。
発熱や頸部のリンパの腫れ、咽頭炎などは1~2週頃をピークに起こります。
咽頭炎は強い痛みを伴います。
食事もツラくつばを飲み込むのもツラい程です。
発熱がおきると1~2週間と長く続き、発疹が出る場合もあります。
風邪と症状がよく似ているためよく間違えられます。
肝機能の異常はほとんどのケースで見られますがひどい場合は入院の必要があります。
まれに黄疸が出ることもあります。
伝発性単核球症(キス病)の受診科
内科・耳鼻科
※費用は病院や治療方針によって異なりますので、各医療機関へ確認してみましょう。
伝発性単核球症(キス病)の治療
安静にして経過観察することと対症療法が基本です。
2~3週間で軽快します。
ただし、肝機能に重度の異常が出たら入院することもあります。
20%の患者は1週間以内に、50%の患者は2週間以内に日常生活に戻ることができます。疲労はさらに数週間続くこともあれば,最大10%の患者では数か月間続くこともあります。
おわりに
成人ではほとんどの人が感染しているので、パートナーへの感染などは神経質になる必要はありません。
風邪だと思っても熱が下がらないようだったら感染の可能性があるので病院に行って検査を受けましょう。