生理前にお腹が張る原因は?
生理前にお腹が張る原因は、PMS(月経前症候群)です。
PMSは、女性ホルモンの急激な増減によって起こります。
女性ホルモンのバランスは腸の運動機能である「ぜん動運動」にも大きく関わり、お腹が張る場合は女性ホルモンのバランスの変化によって、ぜん動運動が弱っていると考えられます。
お腹が張る以外にどんな症状があるの?
PMSによる症状には個人差があります。お腹が張る以外に出やすい症状に、以下のようなものがあります。
体の不調 | 下腹部痛、胸の張りと痛み、肌荒れ、めまい、肩こり、倦怠感、食欲増進、便秘、下痢など |
心の不調 | イライラする、無気力、気分が落ち込む、集中力低下、緊張感など |
PMSの原因はいまだにはっきりしておらず、ホルモンバランスの影響などが関与していると考えられています。
また、ストレスや嗜好品(アルコール、たばこなど)によってPMSが悪化する可能性も指摘されているので、できるだけ控えましょう。
お腹の張りがひどい場合は婦人科の受診を
PMSによるお腹の張りは、多くの場合生理が来るとともにおさまるため、基本的には病院で治療を受ける必要はありません。
しかしお腹の張りや痛みといった症状がひどく、日常生活に支障が出る場合は、婦人科を受診することをおすすめします。
生理中にお腹が張る原因は?
生理中にお腹が張る主な原因は、体の中にある「プロスタグランジン」という物質です。
プロスタグランジンは、発熱や体のさまざまな痛みを生み出す物質です。
生理中にプロスタグランジンが分泌されるのは、子宮を収縮させて経血を体の外に出すのを助けるためです。
子宮が収縮されると腸の動きが活発になるため、お腹の張りが起こりやすくなります。
お腹が張る以外にどんな症状があるの?
生理中にプロスタグランジンが分泌されると、便秘や下痢、腰痛といった症状も現れることがあります。
生理中に腰痛が起こるのは、プロスタグランジンの働きで子宮まわりの血管が過剰に収縮することが原因と考えられています。
生理中にできる対策は?
血管が過剰に収縮している生理中は、血流が悪く体が冷えやすい傾向にあります。
お腹の張りをはじめとした症状を和らげるには、下腹部を冷やさないようカイロを貼ったり、ひざ掛けなどで温めたりといった対策を行いましょう。
睡眠不足やストレス、過労も血流を悪化させる原因です。生理中はできるだけゆとりをもって過ごすように心がけましょう。
また、プロスタグランジンの生成をおさえる薬を使用することでも改善が期待できます。
それでも日常生活に支障が出るほどのお腹の張りや不快な症状が出る場合は、婦人科を受診してください。
お腹が張るのに生理が来ない?妊娠の可能性も
生理前や生理中でもないのにお腹が張る・生理が来ない場合は、妊娠の可能性も考えられます。
基礎体温で高温期をチェック
基礎体温を測っている場合は、高温期がどれくらい続いているかチェックしてみましょう。高温期が2週間以上続いている場合は、妊娠をしている可能性が高くなります。
ただし妊娠の兆候には個人差があり、中には「高温期7日目からお腹が張るようになり、妊娠が分かった」というケースもあります。
お腹が張る以外にみられる兆候は?
妊娠した場合、お腹が張る以外にもさまざまな変化が起こります。以下のような兆候がみられる場合は、妊娠初期症状である可能性が高いです。
・少量の出血があった
・胸が張り、乳首が敏感になる
・胸や胃がむかむかする
・おりものが増える
・体がだるい、熱っぽい
・トイレが近い
メーカーにもよりますが、多くの市販の妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から使えます。
生理が来ず、妊娠の可能性がある場合は、妊娠検査薬を使用してみると良いでしょう。ただし、妊娠しているかどうかの最終確認は必ず産婦人科で行ってください。
おわりに
女性が感じるお腹の張りは、生理周期によって原因が異なります。生理前のお腹の張りが気になる人であれは、生理周期を把握して、PMSが現れやすい時期は症状を悪化させない生活を心がけることが大切です。
一方で、お腹の張りが妊娠や病気のサインであるケースも考えられます。判断が難しい場合は、1人で悩まず婦人科で原因を特定しましょう。