インフル新薬「ゾフルーザ錠」の効果と副作用は?服用1回・保険適用の新薬!

1回使用するだけで治療が完結する新しい抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ錠」について現役薬剤師が解説!ゾフルーザの効果・服用1回、保険適用の特徴・副作用やイナビルなど今までのインフル薬との違いについて説明します。妊娠中や授乳中、子どもは使用できるのかも掲載!

新薬「ゾフルーザ錠」最大の特徴!1回で治療が完結する錠剤タイプ

ゾフルーザ錠は、2018年3月に保険適用となった錠剤タイプのインフルエンザの処方薬です。塩野義製薬株式会社が開発しています。

ゾフルーザ錠には「ゾフルーザ錠10mg」「ゾフルーザ錠20mg」があり、用量は年齢や体重に応じて処方されます。

新しいメカニズム

今までの抗インフルエンザ薬であるタミフル・リレンザ・イナビルは、細胞に感染したウイルスが細胞外に出るために必要な「ノイラミニダーゼ」という酵素の働きを邪魔することでインフルエンザの増殖を抑える薬です。

ゾフルーザ錠の有効成分は「バロキサビル マルボキシル」です。

インフルエンザウイルスが体内で増えるために持っている酵素の働きを邪魔することで、インフルエンザウイルスの増殖をおさえることができます。

ゾフルーザ錠は今までにない新しい作用の抗インフルエンザ薬であり、今までの薬にはない効果が期待されています。

抗インフルエンザ治療薬タミフル、リレンザ、イナビルの特徴については、関連記事をごらんください。

1回使用するだけの飲み薬

ゾフルーザの一番の特徴は、1回だけの使用で治療が完結することです。

今までにも1回の使用で治療が完結する薬には吸入タイプの「イナビル」がありましたが、飲み薬ではゾフルーザが初めてとなります。

吸入薬は吸入器の使い方が少し難しく、家で使おうとすると手間取ってしまうことも多くありました。また、吸入薬は吸うときにむせる方もおり、粉薬をふき出してしまうこともあります。

ゾフルーザ錠は1回飲むだけなので、抗インフルエンザ薬の中では最も使い方が簡単な薬と考えられます。

【抗インフルエンザ薬の比較表】

  ゾルフーザ タミフル リレンザ イナビル
剤形 錠剤 ・カプセル
・ドライシロップ(粉薬)
吸入 吸入
使用回数(治療) 1回 1日2回、5日間 1日2回、5日間 1回
使い方の難しさ 簡単 簡単 難しい 難しい
(病院・薬局で吸入させてもらうと簡単)
予防使用 不可 可能 可能 可能

効果はタミフルと同等

臨床試験でゾフルーザ錠とタミフルを使ったグループに分け、インフルエンザによる発熱や症状が改善するまでの時間を比べたところ、ほとんど差が見られなかったとの報告があります。

ゾフルーザ錠は1回の使用でタミフルを5日間使用するのと同等の抗インフルエンザ効果があるといえます。

さらにゾフルーザ錠はタミフルに比べ、ウイルス排出停止までの時間が有意に短いという報告もあります。

今までの薬に耐性を持つインフルエンザにも有効

タミフル、リレンザ、イナビルなどは「ノイラミニダーゼ阻害薬」という種類の抗インフルエンザ薬ですが、近年、ノイラミニダーゼ阻害薬が効かないような耐性を持ったインフルエンザが出現しています。

ゾフルーザ錠はノイラミニダーゼ阻害薬に耐性を持つインフルエンザにも抗ウイルス作用が確認されています。

ゾフルーザ錠の効能・効果

ゾルフーザ錠はA型またはB型インフルエンザに有効な、いわゆる抗インフルエンザ薬です。

【効能・効果】
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症

ゾフルーザ錠10mg ゾフルーザ錠20mg 添付文書 2018年2月作成(第1版)

他の抗インフルエンザ薬と同じく、インフルエンザの症状が発症してから48時間を経過してしまうと、有効性が保証されないので注意が必要です。

予防効果はない

2018年3月現在、ゾルフーザ錠はインフルエンザの予防薬としての有効性や安全性が確立していません。

他の抗インフルエンザ薬であるタミフル、リレンザ、イナビルはインフルエンザの予防にも使える点で違いがあります。

用法・用量|子どもにも使える?

12歳以上

通常、12歳以上ではゾフルーザ錠20mgを2錠、1回使用します。

ただし、体重が80kg以上の方ではゾフルーザ錠20mgを4錠、1回使用します。

12歳未満の子ども

ゾフルーザ錠は12歳未満の子どもでも使用できます。

小さな子どもの使用は、抗インフルエンザ薬が必要で錠剤がきちんと飲めると医師が判断した場合に限ります。

通常、12歳未満の子どもの用法・用量は体重によって変わります。 すべて1回の使用で治療が完結します。

体重 用法・用量
40kg以上 ゾフルーザ錠20mgを2錠
20kg以上〜40kg未満 ゾフルーザ錠20mgを1錠
10kg以上〜20kg未満 ゾフルーザ錠10mgを1錠

ゾフルーザ錠の副作用

副作用が少ない

ゾフルーザ錠の特徴として副作用の報告が少ないことがあげられます。

主な副作用には「下痢」がありますが、臨床試験ではゾルフーザ錠、有効成分の入っていない偽薬(プラセボ)、オセルタミビル(タミフル)をそれぞれ使用したグループで比較したところ、ゾフルーザ錠を使ったグループは他よりも下痢の発現が低いという結果が出ました。

他には「頭痛」や「肝機能の検査値異常」が報告されていますが、他の抗インフルエンザ薬に比べて副作用の少ない薬といえます。

未成年者の異常行動について

メーカーの臨床試験では、異常行動につながる副作用は確認されていません。

ただし、インフルエンザのときの異常行動は抗インフルエンザ薬のせいではなく、インフルエンザそのものによる症状ではないかと考えられています。

子ども・未成年者がインフルエンザになった場合は、ゾフルーザの使用に関わらず、少なくとも治療開始後2日間は子ども・未成年者が一人にならないように家族が配慮するようにしましょう。

ゾフルーザ錠の飲み合わせ・食事の影響

解熱鎮痛薬

基本的に使い合わせに問題はありません。

インフルエンザのときに頭痛や発熱があり、つらい場合は解熱鎮痛薬と飲み合せることもできます。

ただし、インフルエンザのときには避けた方がよい解熱鎮痛薬もあるため注意が必要です。

インフルエンザのときに市販の解熱鎮痛剤を使用したい場合は、医師・薬剤師・登録販売者に相談するとよいでしょう。

インフルエンザのときにも使える解熱鎮痛薬については、関連記事をごらんください。

咳やくしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの薬

使い合わせに問題はありません。

インフルエンザのときの咳や鼻水・鼻づまりに薬を使いたい場合も、飲み合せに問題はありません。

できるなら診察のときに詳しい症状を伝え、ゾフルーザ錠と一緒に処方してもらうことをおすすめいたします。

市販薬を使う場合は医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

食事との影響は?

ゾフルーザ錠は食事の影響を受けます。

メーカーが健康成人男性を対象に血漿中濃度の推移を調べたところ、空腹時の使用と比べ食後の使用では血漿中の濃度が大きく減少したとの報告があります。

空腹時に使用した方が血漿中の濃度が高いということになりますが、空腹時・食後に関わらず抗インフルエンザ効果はあります。

ゾフルーザ錠は医師の指示通り飲むようにしましょう。

なお空腹時・食後どちらの使用に関係なく、使用後4時間あたりで最高血中濃度に達します。

妊婦・授乳婦の使用

妊婦

添付文書上では「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。」となっています。

妊娠中は免疫機能の低下、心血管系や呼吸器系の変化があり、インフルエンザが重症化するおそれが高くなっています。

妊婦はインフルエンザの予防や早期の治療が推奨されており、医師が治療上の有益性とリスクを検討した上で処方されることがある薬です。

授乳婦

添付文書上では「 授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。」となっています。

人間の乳汁中に移行するかどうかのデータはありませんが、ラットを使った動物試験では乳汁中への移行が報告されています。

おわりに

ゾフルーザ錠は効果・使い勝手において非常に優秀な抗インフルエンザ薬といえます。

まだまだ新しい薬ですが、性能面から見て、これから大きく普及していく事が予想されます。

吸入薬は使いづらい、むせてしまうという方、薬はできれば1回飲むだけで済ませたいという方は医師に相談してはいかがでしょうか。

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