花粉症や感染症対策としてマスクを着用する機会が増えるとともに、マスクの長時間着用による肌トラブルに悩む方が増えています。
マスクでなぜ肌トラブルが発生するのか、原因を理解した上で正しい対策をおこないましょう。
マスクによる肌荒れの原因
マスクによる肌トラブルの主な原因は次の3つです。
乾燥による肌荒れ
マスクを付けている時、マスクの中は湿度が保たれ、しっとりとした肌の状態になりますが、マスクを外した際に外気の湿度が低い場合、皮膚の水分が一気に蒸発して乾燥してしまいます。
皮膚が乾燥すると外部の刺激から肌を守るバリア機能が低下し、肌荒れを引き起こす危険性が高くなります。
摩擦による肌荒れ
マスクの素材と肌が擦れて摩擦が生じることによってそれが刺激となり、肌が荒れてしまうことがあります。また摩擦によって皮膚の乾燥が進み、さらに肌荒れのリスクは高くなります。
雑菌の繁殖
どれだけ綺麗にしていても、口の中には雑菌が住み着いており、呼吸する際に雑菌が口外へ放出されます。マスクを着用しているとその雑菌がマスク内にとどまります。マスク内は湿度が高く蒸れているので、雑菌が繁殖しやすく、これが肌荒れやニキビ増殖の原因になります。
マスクによる肌荒れに効く市販薬
マスクによる肌荒れの大きな原因である「乾燥」の対策は保湿剤でおこないましょう。
マスクによる肌荒れにはヘパリン類似物質がおすすめ
一般的に市販されている保湿系のクリームは、肌の保湿がメインとなり、抗炎症成分が含まれていないものも多いですが、ヘパリン類似物質には保湿効果だけでなく、血行促進・抗炎症作用があります。
肌を保湿しながら乾燥や肌荒れを修復する働きをもっているため、マスクによる肌荒れ対策として大変おすすめです。
乳液タイプ・クリームタイプ・ローションタイプの3つ剤形の特徴と商品を紹介します。
剤形 | 特徴 |
乳液 |
・クリームタイプよりさらっとした使い心地 ・広い範囲の患部をカバー |
クリーム |
・水に溶けにくく、洗い流されにくい |
ローション |
・広い範囲の患部をカバー |
乾燥肌の保湿や肌トラブルの改善に使われる市販薬です。有効成分のヘパリン類似物質が皮膚科で処方される薬と同量配合されています。
乳状液タイプの塗り薬なのでクリームタイプよりべとつきにくく、日中も使いやすいです。
マスクの下に塗布するにあたっては使用感も重要な要素であるため、塗っても気になりにくい乳液は使いやすくおすすめです。
また、購入後は、QRコードでLineに登録するだけで、無料で薬剤師に相談することができます。薬の使い方以外にも症状でお困りのことがあれば安心して問い合わせることができます。
ヘパリン類似物質を配合した市販薬では初めてのW/O(ダブリューオー)型といわれるクリームタイプの塗り薬です。
W/O型クリームは、油分に水分を混ぜて作られており、水に溶けにくいという性質があります。
有効成分のヘパリン類似物質が皮膚科で処方される薬と同量配合されています。
HPローションはアルコール無配合なので刺激も少なく、汗をかくとヒリヒリするような敏感肌の方でも使いやすい商品です。ローションタイプなのでするっと広げることができ、広範囲の患部への使用におすすめです。
※ヘパリン類似物質には血行促進作用があるため、皮膚が赤くなる可能性があります。血行促進による皮膚の赤みは副作用ではないため心配する必要はありません。
マスクによる肌荒れの予防・対策方法
市販薬による皮膚の保湿対策以外にも、マスクによる肌荒れ対策は次のことに気をつけましょう。
ワセリンを塗る
マスクによる肌荒れ予防方法として、マスクが皮膚に触れる部分にワセリンを塗ることが有効です。ワセリンには皮膚の保護作用があるため、摩擦による肌トラブルを最小限におさえてくれます。
また、市販されているワセリンにはプロペトや白色ワセリンといった種類があり、2つの間には以下のような特徴があります。
特徴 | |
白色ワセリン |
・プロペトに比べ安価 ・デリケートな部位にも使用可能 |
プロペト |
・白色ワセリンをさらに精製し、純度が高い ・デリケートな部位にも使用可能 |
プロペト ピュアベールは白色ワセリンをさらに精製することで不純物を極力カットし、医薬品として効能効果が認められています。
防腐剤などの添加物を一切加えておらず、目元や唇など顔のデリケートな部分にもご使用いただけます。
チューブタイプで携帯にも便利です。初めて使うのであれば、容量が少ないチューブタイプを試してみることがおすすめです。
無添加・低刺激の白色ワセリンです。
保存料を使っていないので、赤ちゃんから大人までデリケートな肌にも安心して使用できます。
チューブタイプでコンパクトなので持ち運びにも便利です。
※ワセリンには皮膚の保護作用がありますが、抗炎症作用などのすでに起きてしまっている肌荒れを治す効果はありません。あくまで予防として使用してください。
マスクにガーゼを挟む
一般的に、不織布マスクよりもガーゼ素材の方が肌に優しく、通気性が良いため、肌荒れを避けるためにはおすすめですが、現在マスクが入手困難の状態であるため、素材を選ぶことが難しいかもしれません。
その場合は、マスクと顔の間にガーゼを挟む方法が肌荒れ対策としておすすめです。ガーゼを挟むことにより、呼吸から排出される水分がガーゼに吸収されて、マスク内のムレがやわらぎます。また、ガーゼがマスクと肌の摩擦も防いでくれるため、肌荒れ対策として有効です。
間に挟むガーゼはマスクと同じくらいのサイズがベストです。ガーゼが湿ってきたら交換できるよう、複数枚所持しているのが望ましいです。
長時間の着用を避ける
マスクの着用時間をなるべく減らし、肌への負担を少なくすることも重要です。外に出ている間はマスクを外すことが難しくても、お家にいるときはなるべく外すなどの対策を行いましょう。
また、マスクを外さなくとも、マスク内がムレている場合は、ハンカチ等で水分を拭き取るなどして、マスク内を清潔に保つことを心がけましょう。