マスクによる肌荒れにワセリンは使える?
マスクによる肌荒れには、既にできてしまった肌荒れだけでなく、予防にも効果のあるワセリンと、予防にのみ使えるワセリンがあります。
ワセリンは、石油から抽出された油脂を利用して作られており、油分が皮膜となって外側からの刺激を防ぐとともに、水分を皮膚の内部にとどめることで、皮膚を保護します。
ワセリンの種類
ワセリンの中には、石油由来の不純物が含まれておりますが、不純物を取り除いて精製することによって黄色から白色へと色が変わります。
ワセリンの種類のなかでも純度の高い白色ワセリンやプロペトは、病院でアトピー性皮膚炎や湿疹、乾燥肌の方などに皮膚の保護剤、保湿剤として処方されることがあります。
ワセリンの主な種類 | 特徴 |
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黄色ワセリン | 石油から最初に得られるワセリンで、 白色ワセリンよりも不純物が多く含まれている。 |
白色ワセリン | 黄色ワセリンを精製して、できるだけ不純物を取り除いたもの。 |
プロペト | 白色ワセリンをさらに精製し、さらに不純物を取り除いたもの。 |
ワセリンを顔に塗っても大丈夫?
ワセリンの原料は石油と聞いて、肌に悪いような印象を受けるかもしれません。しかしワセリンは、精製の段階で肌に刺激の強い不純物はほとんど取り除かれているため、純度が高いものほど肌への刺激も少なくなります。
ワセリンは、目元や唇など顔を含む全身に使うことができますが、顔に使用するときは純度の高い白色ワセリンもしくはプロペトを選ぶようにしましょう。
白色ワセリンとプロペトはどっちがいい?
白色ワセリンは、マスクによる肌荒れの予防にのみ効果がある一方、プロペトは既にできてしまった肌荒れと予防の両方に効果を発揮します。
ただし、ニキビやかゆみ・かぶれ・ぶつぶつ、マスクのゴムが当たる耳の痛みなど、具体的な症状がある方はそれぞれの症状に合った薬を使いましょう。
特にニキビが出ている場合、ワセリンの使用には注意が必要です。赤くぷっくりと腫れ、炎症を起こしたニキビの上に塗ってしまうと、毛穴をふさいでニキビを悪化させることもあるため、使用を控えておきましょう。
特徴 | |
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白色ワセリン | ・皮膚や唇を保護し、乾燥を防ぐため、マスク荒れの予防に使える ・チューブタイプだけでなく、リップのタイプもある |
プロペト | ・皮膚の荒れを改善する効果があり、乾燥などで既に荒れてしまった肌に使える ・皮膚を保護する効果もあるため、マスク荒れの予防にも使える |
白色ワセリン|マスクによる肌荒れの予防に
唇を含めた顔全体に塗れるチューブ型の白色ワセリンと、唇に使いやすいリップ型の白色ワセリンを紹介します。
商品画像 | 特徴 |
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・白色ワセリンのみ配合 ・チューブタイプ ・無香料・無着色・パラベン(防腐剤)フリー ・従来の白色ワセリンと比べ不純物が少なく、やわらかな塗り心地 |
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・白色ワセリンのみ配合 ・斜めカットで塗りやすいリップクリーム ・無香料・無着色・低刺激 ・唇が乾燥しやすい方に |
ベビーワセリン
ベビーワセリン60g
特徴 |
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・白色ワセリンのみ配合 ・チューブタイプ ・無香料・無着色・パラベン(防腐剤)フリー ・従来の白色ワセリンと比べ不純物が少なく、やわらかな塗り心地 |
ベビーワセリンは、従来の白色ワセリンと比べ不純物が少なく、やわらかくて伸びがよいという特徴があります。
赤ちゃんから大人までデリケートな肌にも使用できます。
頬や唇などのマスク荒れを防ぎたい方におすすめです。
メンターム ワセリンリップ
メンターム ワセリンリップ 10g
特徴 |
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・白色ワセリンのみ配合 ・斜めカットで塗りやすいリップ ・無香料・無着色・低刺激 ・唇が乾燥しやすい方に |
白色ワセリン100%のリップです。
斜めカットのソフトな塗り口で、唇にやさしくフィットし、敏感な唇にもお使いいただけます。
手を汚さずに塗りたい方におすすめです。
プロペト ピュアベール|マスクによる肌荒れケア&予防に
プロペト ピュアベール【第三類医薬品】
特徴 |
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・べたつきが少なく、伸びがよいタイプ ・無香料・無着色・低刺激 ・唇にも使える |
プロペト ピュアベールは、白色ワセリンをさらに精製することで不純物を極力取り除いており、添加物を一切配合していないワセリン製剤です。
チューブに入っており、必要な分だけサッと出しやすくなっています。
肌の表面に油分の膜を張り、肌の水分を外に逃がさないようにすることで、乾燥などによる皮膚の荒れに効果を示し、うるおいを保ちます。
マスク着用で顔まわりにカサつきを感じている方におすすめです。
マスク荒れを防ぐワセリンの使い方
ワセリンは、マスクが触れる部位に次のように塗るとよいでしょう。
①洗顔後、または化粧水などのスキンケア用品で肌を整えた後、指先で米粒2つ分程度の適量をとり、両ほほ・あごと、3か所にのせます。
②ほほの広い部分から先に、顔の中心から外側に向かって、指の腹でやさしくのばします。
③マスクのゴムが当たる耳にも塗っておくことで、マスクとの摩擦による刺激をやわらげることができます。また、口元などの特に乾燥が気になる部分には、重ねづけしていただくとより効果的です。
マスクによる肌荒れの対処法
マスクによる肌荒れは、具体的に次のような症状が挙げられます。
マスクによる肌荒れで、次のような症状がある方は、それぞれの症状に適した成分が含まれた市販薬で改善を目指しましょう。
ただし、市販薬を使っても効果が得られない場合は、皮膚科を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。
マスク荒れの症状 | ・顎などにニキビができる ・肌がかゆい ・かぶれている ・ぶつぶつがある ・マスクのゴムが当たる耳に赤み・痛み・かぶれが出ている など |
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ペアアクネクリームW|ニキビに
ペアアクネクリームW 24g【第二類医薬品】
炎症や赤みがあるニキビに効く塗り薬です。
有効成分イソプロピルメチルフェノールがニキビの原因菌であるアクネ菌を殺菌、イブプロフェンピコノールが赤ニキビの炎症をおさえます。
肌にのばすと透明になるクリームのため、塗った上からメイクをすることもできます。
赤ニキビ以外の、ニキビの種類別に使える市販薬については、別記事をご覧ください。
オイラックスソフト|かゆみ・かぶれ・ぶつぶつに
オイラックスソフト 16g【第三類医薬品】
2種類のかゆみ止め成分のほかに、皮膚の炎症を鎮める成分や荒れた皮膚の組織修復を助ける成分、雑菌の繁殖をおさえる殺菌成分、血流を改善することで症状の回復を助ける成分が含まれた塗り薬です。
ステロイドは入っておらず、顔などの敏感な部位のかゆみやかぶれ、ぶつぶつなどにお使いいただけます。
のびがよく、白残りしにくいクリームタイプです。
オイラックスソフト以外にかぶれの症状に使える市販薬については、こちらの記事で詳しく解説しています。
リンデロンVs軟膏|耳の赤み・痛み・かぶれに
リンデロンVs軟膏 10g【指定第二類医薬品】
ステロイド成分ベタメタゾン吉草酸エステルのみを配合する塗り薬です。
ステロイドの強さは、市販薬で最も作用の強いストロング(強い)に該当し、顔への広範囲の使用(およそ500円玉大を超える範囲)はできません。
比較的刺激が少なく患部を保護する力が高い軟膏タイプのため、耳の赤み・痛み・かぶれなどの症状に適しています。
マスクによる肌荒れの原因
マスクによる肌荒れには、主に3つの原因があります。
摩擦による刺激
マスクの素材と肌が擦れることが刺激となり、かゆみやかぶれの症状を引き起こします。
また、摩擦によって皮膚の乾燥が進み、さらに肌荒れのリスクは高くなります。
マスク内の蒸れ
マスクの内側は、吐く息で蒸れて高温多湿な状態です。蒸れた状態では、肌がふやけてしまい、ニキビを引き起こすアクネ菌などの雑菌が繁殖しやすくなっています。
特に夏場のマスクは、汗や皮脂の過剰な分泌を引き起こすことで、かゆみの原因にもなります。
マスクを外したときの乾燥
マスク着用時は吐く息がこもっているため、肌が潤っているように感じますが、マスクを外すと内側にたまっていた水分が蒸発し、乾燥が進行します。
乾燥が進行すると、肌の中の水分までうばわれることもあり、バリア機能が正常に働かなくなることで、肌トラブルを招いてしまいます。特に肌が乾燥しやすい秋冬の季節は、肌のかゆみを感じやすくなります。
マスクによる肌荒れの予防・対策方法
マスクによる肌荒れは、ワセリンや症状に適した市販薬の使用以外にも、次のことに気をつけましょう。
マスクにガーゼを挟む|不織布マスクによる肌荒れに
肌荒れ対策として選ぶマスクは、かぶれない素材で肌当たりの優しい、通気性の良いガーゼ素材などのマスクがおすすめですが、感染拡大を防ぐ上では不織布マスクの方がいいという方もいるでしょう。
不織布マスクを使う場合でも、マスクと同じくらいの大きさのガーゼを肌との間に挟むと刺激がやわらぎます。ガーゼが湿ってきたら新しいものに交換します。
また、最近では、不織布マスクでも肌に優しい工夫がされているものや通気性に優れたものもあるため、ご自身に合う不織布マスクを探してみてもよいでしょう。
マスク内の水分をこまめに拭く
マスクによる肌荒れは、マスク内の雑菌が増殖することによっても引き起こされます。
口内はどれだけ清潔に保っていても雑菌が存在しており、呼吸によって雑菌が外へ排出されます。マスク内は湿度が高いため、雑菌が増殖しやすく、肌荒れやニキビの原因となります。
マスクによる蒸れを解消するために、マスク内が息や汗で湿ってきたら、ハンカチなどで拭き取るか、新しいものに交換することをおすすめします。
マスクを外した後のスキンケアを欠かさない
マスクによる肌荒れを防ぐには、マスクを外した後のスキンケアで皮膚のバリア機能を保つことが大切です。加えて、肌のバリア機能をきちんと働かせるためにも、十分な保湿を忘れないようにしましょう。
帰宅後は手を洗い、清潔な手で洗顔料をしっかり泡立てて顔を洗いましょう。洗顔は、手でゴシゴシこするのではなく、泡でやさしく洗うことがポイントです。
洗顔が終わったら、すぐに化粧水や乳液などで保湿します。
夏場の暑い時期は、汗や皮脂で肌がべたつくため、乳液などの油分によるケアを控えている方もいらっしゃるかもしれませんが、肌の潤いには水分だけでなく油分も欠かせません。油分がクッションとなって、うるおいを肌に閉じ込めてくれることで、マスクの刺激もやわらげてくれます。