虫刺されにリンデロンを使っても良いのか?
虫刺されはかゆみが出ることが多く、皮膚を掻きむしって症状が悪化するケースが多いです。
強い炎症やかゆみに効果を発揮するのがステロイド薬ですが、その中に1つにリンデロンという処方薬があります。
虫刺されにリンデロンは使用可能
虫刺されはステロイドを使用してなるべく早く治療することが重要です。かゆみや腫れが強い場合はもちろんステロイドを使用することが推奨されますが、皮膚症状が軽くても症状が悪化する前にステロイドを使用して早く治すことをおすすめします。
リンデロンもステロイド薬の1つなので、虫刺されの治療に使用することが可能です。ただし、ステロイドには強さのランクがあり、ランクによって使用できる年齢と部位が決められています。
リンデロンの種類と強さ:使用できる年齢と部位
リンデロンには主に4種類の塗り薬があり、それぞれ成分と薬の強さが異なります。
処方薬名 | 成分 | |
---|---|---|
ストロンゲスト (最も強い) |
なし |
- |
ベリーストロング (非常に強い) |
・リンデロンDP |
ベタメタゾンジプロピオン酸エステル |
ストロング (強い) |
・リンデロンV ・リンデロンVG |
ベタメタゾン吉草酸エステル |
ミディアム (普通) |
なし |
- |
ウィーク (弱い) |
・リンデロンA |
ベタメタゾン酸エステルナトリウム |
●リンデロンDP
リンデロンの中でも最も効果が強いのがリンデロンDPです。5段階中上の2つのランクに該当するストロンゲストとベリーストロングは効果が非常に強いため、医師・薬剤師の指導が必要な処方薬のみに配合される成分となっています。主に手足や体幹といった部位に使用し、顔には使用しません。
●リンデロンV
リンデロンVはストロングランクに分類されるステロイド薬です。リンデロンDPは皮膚が薄い部位には使用できませんが、リンデロンVは強さのランクが1つ下がるため、顔を覗く部位であれば、腹部など皮膚の薄い部分にも使用できます。
●リンデロンVG
ステロイド成分と一緒に抗生物質であるゲンタマイシン硫酸塩が配合されている薬です。細菌に対しても効果があるため化膿をともなう皮膚炎によく処方されます。虫刺されは強いかゆみが原因で皮膚を搔き壊して悪化するケースが多いため、抗生物質が一緒に配合されているステロイド薬はおすすめです。
●リンデロンA
リンデロンAは正式には作用の強さのランク分けがされていませんが、子供の顔周りにも使用できることからウィークタイプのステロイドと同等の強さがあることが推測できます。抗生物質であるフラジオマイシン硫酸塩も一緒に配合されているため、掻き壊して化膿している患部に使用します。
リンデロンが使用できる部位と年齢
ステロイドは強さのランクによって使用できる年齢や部位が異なります。
大人 (身体) |
大人 (顔・首) |
子供※ (身体) |
子供※ (顔・首) |
|
---|---|---|---|---|
ベリーストロング | ◯(皮膚が薄い部分はNG) | × | × |
× |
ストロング |
◯ |
× | × |
× |
ミディアム | ◯ | ◯ | ◯ |
× |
ウィーク | ◯ | ◯ | ◯ |
◯ |
※2才未満の子供
リンデロンにはミディアムランクの薬がないため、子供が使用できるのはウィークランクのリンデロンAのみとなります。大人の顔への使用もリンデロンAのみとなり、それ以外のリンデロンの薬は全て大人の身体への使用しかできないため注意してください。
ミディアムランクのステロイド薬のすすめ
ミディアムランクのステロイド薬は、大人も子供(顔を除く)も使用することができるステロイド薬です。ストロングよりも副作用リスクが低く、ウィークよりも効果が強い点で最も使いやすいランクでしょう。さまざまな症状の程度や部位に対応していることから虫刺され対策の常備薬としておすすめです。
また、次の虫刺されは皮膚の炎症症状が強く出ることが多いため、ウィークランクのステロイド薬では効果が十分に得られず対処ができません。
・蜂、アブ、ブヨ、ダニ、毛虫、ムカデ、クラゲ
子供がこれらの虫に刺された時はミディアムランクのステロイド薬を使用する必要があるため、虫刺され対策の常備薬としてはミディアムランクの薬がおすすめです。
有効成分 | 特徴 |
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル リドカイン イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル |
・日本初!※薬剤師に無料相談ができるシステム ・かゆみに効く ・細菌感染を防ぐ ・皮膚の修復を助ける |
ミディアムランクのステロイド配合市販薬であるラシュリアPEクリームは、ステロイド成分以外にもさまざまな虫刺され症状に対応した成分が含まれています。
かゆみ止め成分や抗炎症成分が虫刺され特有のかゆみやただれを鎮め、殺菌成分で掻き壊すことによる化膿を予防します。また、ビタミン成分であるトコフェロール酢酸エステルによって皮膚の修復を助け、気になる虫刺され跡をできにくくします。
また、ステロイドを使用する上で「副作用は大丈夫?」「どれくらい使い続ければいい?」といった点にお困りの方も多いでしょう。ラシュリアは薬剤師に無料相談ができるのもポイントです。商品に添付してあるQRコードを読み取り、チャットで薬剤師に相談いただけます。
※当社調べ
リンデロンと同じステロイド成分を含む市販薬
市販薬の中にはリンデロンと同じ成分を配合している薬が販売されています。以前に処方してもらったリンデロンと同成分の薬をお探しの方はこちらの薬を使用すると良いでしょう。
ランク | 有効成分 | 特徴 |
ストロング |
ベタメタゾン吉草酸エステル |
・ステロイド単一成分 |
リンデロンV・リンデロンVGと同じベタメタゾン吉草酸エステルを配合した市販薬です。ステロイド以外の成分は含まれていないため、処方薬と同等の効果が期待できます。強い炎症をともなっている虫刺されにおすすめです。小さいお子様にはいかなる部位にも使用できないので注意してください。
リンデロンと同じ強さの市販薬
リンデロンとは配合されているステロイドの成分が異なりますが、薬の強さが同じランクの市販薬をご紹介します。以下で紹介している市販薬は抗菌成分が配合されているため、化膿してしまった虫刺されにおすすめの薬です。
ストロングのステロイド薬(リンデロンV・VGと同ランク)
有効成分 | 特徴 |
フルオシノロンアセトニド フラジオマイシン硫酸塩 |
・掻き壊して化膿した患部に使用可能 |
ステロイドに加えて抗菌成分であるフラジオマイシン硫酸塩を配合しているため、リンデロンVGと同じように掻き壊して化膿した患部に効果を発揮します。市販薬の中で最も強いストロングランクのステロイドであるため、大人の方の身体にできた化膿している虫刺されに使用ができます。
ウィークのステロイド薬(リンデロンAと同ランク)
有効成分 | 特徴 |
ヒドロコルチゾン オキシテトラサイクリン塩酸塩 |
・掻き壊して化膿した患部を殺菌する |
ステロイドに加えて抗菌成分であるオキシテトラサイクリン塩酸塩を配合。ウィークランクのステロイドなので大人から子供まであらゆる部位に使用できます。軟膏タイプなので患部をしっかりカバーし、刺激が少ないのもポイントです。
過去に処方された薬を使用してもOK?
過去に別の皮膚疾患で処方されたリンデロンが家にある場合、処方された人が使用するのであれば虫刺されにそのまま使用しても問題ありません。しかし次の場合は使用はできないので注意してください。
◆処方された人と別の人が使用する
◆強さのランクで使用できない部位に使用する
◆使用期限が過ぎている
病院を受診した方が良いケース
虫刺されは基本的に市販薬での治療が可能ですが、虫に刺された時に次の症状が出た場合はすぐに病院を受診してください。
◆ショック症状(体温の低下、血圧の低下、顔面蒼白など)が現れたとき
◆刺されてから15分以内にめまい、吐き気、呼吸困難などの症状が現れたとき
◆全身に蕁麻疹症状が現れたとき
その他、症状に違和感があったり、不安が残る場合も皮膚科を受診し、虫に刺されたときの状況や詳しい症状などを医師に伝えましょう。
またステロイドは長期の使用が禁止されているため、薬を使用して5〜6日間たっても治らない場合は病院を受診するようにしましょう。