痛い虫刺されの対処方法
虫刺されによる皮膚の炎症症状は「かゆみ」が出るケースが多いですが、虫の種類によっては「痛み」の症状が出る場合があります。
痛みの症状が広範囲にわたっていたり、めまいや呼吸障害等の刺された部位以外の症状が出ていない限りは、虫刺されによる痛みも市販薬での対処が可能です。
痛みが出やすい虫刺されの種類
虫刺されは蚊のように針で皮膚を刺すタイプと、ムカデやアリのように皮膚を噛みちぎるタイプがあります。後者のタイプは噛まれた瞬間に強烈な痛みが生じ、その後患部が腫れることが多いです。
また、ハチや毛虫などの毒性が強いタイプの虫刺されにも痛みが生じることがあります。
アナフィラキシーショックに注意
虫刺されの症状が刺された部位のみであれば市販薬での治療ができますが、身体全体に症状が出るアナフィラキシーショックが出た場合は、すぐに病院を受診してください。
◆ショック症状(体温の低下、血圧の低下、顔面蒼白など)が現れたとき
◆刺されてから15分以内にめまい、吐き気、呼吸困難などの症状が現れたとき
◆全身に蕁麻疹症状が現れたとき
特にハチに刺された場合はアナフィラキシーショックを起こす危険性が高いため、注意してください。
痛い虫刺されの対処方法
虫に刺されたらまずは患部を洗い流してください。流血している場合は血が止まるまで待ち、患部が綺麗になったら虫刺されの市販薬を塗りましょう。
痛みを感じるほどの強い炎症がおこっている場合は、炎症を鎮める効果が高いステロイド薬を使用しましょう。痛みがどうしても我慢できないときは、塗り薬とは別に痛み止めの薬を内服しても良いです。
また、虫に噛まれた際に皮膚に傷ができてしまい、そこから細菌に感染して化膿する危険性があります。化膿が心配な方は、細菌による二次感染を防ぐ殺菌成分が配合されたステロイド薬を使用すると良いでしょう。
痛い虫刺されに効く市販薬の成分
虫刺されによる痛みは、虫が噛んだ時の皮膚の損傷や、強い炎症によって引き起こされます。痛みを鎮める為には、根本原因となる炎症をおさえることが重要となりますが、炎症を素早く鎮めることに優れた効果を発揮するのがステロイド成分です。
虫刺されの痛みに効くステロイド成分
成分名 | |
---|---|
ストロング (強い) |
・ベタメタゾン吉草酸エステル酢酸エステル ・フルオシノロンアセトニド |
ミディアム (普通) |
・ヒドロコルチゾン酪酸エステル |
ウィーク (弱い) |
・デキサメタゾン酢酸エステル ・ヒドロコルチゾン酢酸エステル ・ヒドロコルチゾン |
ステロイドは強さによってランクが分かれており、市販薬で販売されているのはストロング、ミディアム、ウィークの3種類となります。
痛みが出るほどの虫刺されには、ある程度の薬の強さが必要となるため、ミディアムかストロングのステロイドがおすすめです。虫刺され症状を素早く治したい方はこの2つのランクの成分が配合されている市販薬を選ぶと良いでしょう。
化膿・炎症をおさえる成分
皮膚を噛みちぎって刺すタイプの虫刺されは、皮膚に傷口ができてしまうため、そこから細菌に感染して化膿してしまうケースがあります。市販のステロイド薬には補助成分として、化膿を防ぐ殺菌成分や、化膿してしまった患部を殺菌する抗菌成分が配合されているものがあります。
分類 | 成分 | 効果 |
---|---|---|
殺菌成分 |
・ベンゼトニウム |
・細菌感染を予防する |
抗菌成分 |
・オキシテトラサイクリン塩酸塩 ・フラジオマイシン硫酸塩 |
・化膿した患部を殺菌する |
抗炎症成分 |
・グリチルレチン酸類 |
・炎症をおさえる |
修復成分 |
・トコフェロール酢酸エステル ・アラントイン |
・荒れた皮膚の修復を助ける |
また、炎症をおさえる成分や、皮膚の修復を助ける成分が配合されている薬もあります。虫に刺された患部に痛みがある場合は、悪化を防ぐためにもこれらの成分が配合されたステロイド薬がおすすめです。
ステロイド無配合の市販薬は使える?
炎症の程度が軽い虫刺されであればステロイド無配合の抗ヒスタミン薬でも治療が可能ですが、痛みが出るほどの強い炎症はステロイド無配合の薬では効果が足りないことがあります。
特に以下の虫刺されは炎症症状が強く出るケースが多いため、ミディアム以上のステロイド薬の使用が推奨されています。
・蜂、アブ、ブヨ、ダニ、毛虫、ムカデ、クラゲ
肌が弱い等の理由でどうしてもステロイド薬を使用できない方は、病院で診察を受けることをおすすめします。
【薬剤師おすすめ】虫刺されの痛みに効く市販薬
虫刺されの痛みに効果のあるステロイド薬を紹介します。
虫に噛まれることでできる虫刺されは痛みがあるのと同時に、噛まれた傷を放っておくと細菌が感染し、化膿するおそれもあります。また、強いかゆみをともなうと掻き壊して重症化するケースも考えられるため、殺菌成分やかゆみ止め成分などの補助成分が含まれるものがおすすめです。
ミディアム:大人の顔・身体、子供の身体用ステロイド薬
ストロングよりも副作用のリスクが低く、ウィークよりも効果が強い点で、とても使いやすいランクのステロイド薬です。大人の方はもちろん、お子様の身体が虫に刺された場合にも使用でき、炎症による痛みを迅速に鎮めます。
有効成分 | 特徴 |
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル リドカイン イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル |
・日本初!※薬剤師に無料相談ができるシステム ・かゆみに効く ・細菌感染を防ぐ ・皮膚の修復を助ける |
ラシュリアPEクリームは、かゆみ止め成分により虫に刺された時の強いかゆみを鎮めたり、殺菌成分により細菌が傷口から感染するのをブロックします。
また、ビタミン成分であるトコフェロール酢酸エステルによって皮膚の修復を助け、ただれた虫刺され跡の改善に効果を発揮するなど、強い痛みやかゆみをともなう虫刺されにさまざまな成分で対応する商品です。
クリームタイプなので液体タイプと比べると比較的刺激も少なく、傷口をソフトにカバーします。
ステロイドを使用する上で「副作用は大丈夫?」「どれくらい使い続ければいい?」といった点にお困りの方も多いでしょう。ラシュリアは薬剤師に無料相談ができるのもポイント。商品に添付してあるQRコードを読み取り、チャットで薬剤師に相談ができます。
※当社調べ
有効成分 | 特徴 |
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル ジフェンヒドラミン塩酸塩 l−メントール dl−カンフル クロタミトン イソプロピルメチルフェノール |
・強いかゆみに効く ・細菌感染を防ぐ ・清涼感ある使い心地 |
ステロイドに加えて2種のかゆみ止め成分や殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールを配合し、強いかゆみを鎮め、搔き壊しによる化膿を予防します。清涼成分であるl-メントール、dl-カンフルを含んでいるため、スーッと強い清涼感で使いやすい商品です。
ストロング:大人の身体用ステロイド薬
主に大人の方の身体にできた痛みをともなう虫刺されに適したステロイド薬です。ただし、強い効果があるので顔への使用や、長期間の使用はしないでください。また、2才未満の子供は使用できません。
有効成分 | 特徴 |
ベタメタゾン吉草酸エステル |
・ステロイド単一成分 |
ベトネベートクリームSはステロイド以外の成分を含まないシンプルな薬です。市販薬で最も強いストロングランクのステロイドを配合しており、大人の強い皮膚の炎症症状に効果を発揮します。
有効成分 | 特徴 |
フルオシノロンアセトニド フラジオマイシン硫酸塩 |
・掻き壊して化膿した患部に使用可能 |
ステロイドに加えて抗菌成分であるフラジオマイシン硫酸塩を配合しています。噛まれることで痛みが生じる虫刺されは傷口から細菌が感染して患部が化膿してしまうことがあります。抗菌成分は傷口から入り込んだ細菌の増殖をおさえ、症状緩和を助けます。
ウィーク:大人も子供も顔に使えるステロイド薬
大人・子供問わず使えるステロイド薬です。
大人にとっては比較的効果は弱いため、痛みが軽度の虫刺されに適しています。
有効成分 | 特徴 |
ヒドロコルチゾン オキシテトラサイクリン塩酸塩 |
・掻き壊して化膿した患部を殺菌する |
ステロイドに加えて抗菌成分であるオキシテトラサイクリン塩酸塩を配合。虫刺されは掻きこわして膿んだり、グジュグジュになると目につきやすく心配です。抗菌成分は掻き壊してしまった患部を殺菌し、化膿をおさえます。抗菌成分が入っている虫刺され市販薬は少ないので大人の方にもおすすめです。
有効成分 | 特徴 |
ヒドロコルチゾン酢酸エステル クロタミトン ジフェンヒドラミン塩酸塩 グリチルレチン酸 アラントイン イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル |
・強いかゆみに効く ・皮膚の修復を助ける ・細菌感染を防ぐ |
2種のかゆみ止め成分や抗炎症成分を配合し、痛みやかゆみをともなう虫刺されに対応しています。小さいお子様だと汚れた手で掻いてしまうことが多いので、殺菌成分により細菌感染を予防しておくことも重要です。また、アラントインやトコフェロール酢酸エステルにより皮膚の修復を助け、荒れた皮膚にダブルで効果的です。
ステロイドの強さ:使用できる部位・年齢
市販のステロイド薬を使用する際は薬のランクの強さに注意が必要です。
ステロイド外用剤の強さは、体内への吸収度の違いにより、5段階にランク分けされます。
5段階中上の2つのランクに該当するストロンゲストとベリーストロングは効果が非常に強いため、医師・薬剤師の指導が必要な処方薬のみに配合される成分となっています。
市販のステロイド薬に配合される成分はストロング・ミディアム・ウィークの3つです。
大人 (身体) |
大人 (顔・首) |
子供※ (身体) |
子供※ (顔・首) |
|
---|---|---|---|---|
ストロング |
◯ |
× | × |
× |
ミディアム | ◯ | ◯ | ◯ |
× |
ウィーク | ◯ | ◯ | ◯ |
◯ |
※2才未満の子供
ステロイドはランクによって使用できる年齢や部位が異なります。特に顔や首は皮膚が薄く、成分の吸収率が大きいので強いステロイドは副作用のリスクが高くなります。ステロイドのランクと使用する部位や年齢が適しているか、必ず確認するようにしましょう。
ステロイドの副作用について
副作用の観点からステロイドを使用することを避けたい、という方もいらっしゃいます。
ステロイドには主に次の副作用があります。
・皮膚刺激感、潮紅、皮膚炎、発疹、接触性皮膚炎、皮膚の感染症など
確かに皮膚外用薬の中でステロイドは副作用が出やすい薬に分類されますが、用法用量を正しく守れば、ステロイドは皮膚の炎症をおさえる効果が高い優れた薬です。
特に強いかゆみが出る皮膚症状は、かゆみで皮膚を掻き壊すことによって症状が悪化しやすいため、ステロイドを使用して素早く炎症をしずめた方が良いでしょう。
ただし、ステロイドは長期の使用が禁止されているため、薬を使用して5〜6日間たっても治らない場合は病院を受診するようにしましょう。