汗かぶれ・汗あれはあせもとは別物
夏に良く見られる皮膚疾患といえばあせもですが、あせもと良く似た症状に汗かぶれや汗あれがあります。
あせもは汗管が詰まることによって血管に刺激を与え、組織を傷つけるような炎症を生じますが、汗かぶれは汗に含まれる塩分やミネラルが肌の刺激となってアレルギー反応を起こすことによるものです。
汗かぶれ・汗あれの原因
汗には水分以外にも塩分が含まれており、ほこりなどが汗に混じることがあります。元気な肌であればこの程度の外的刺激は問題になりませんが、肌のバリア機能が衰えていると刺激に耐えられず赤みやかゆみ、痛みなどの炎症を引き起こします。これが汗かぶれ・汗あれの原因です。
肌のバリア機能が衰える原因には、以下のようなものがあります。
・乾燥
・紫外線によるダメージ
・加齢による肌のターンオーバーの乱れ
・強い摩擦による肌へのダメージ
衣服の摩擦にも注意が必要
また、汗かぶれは汗によってふやけた皮膚と、衣服や下着がこすれ合い、これが外的刺激となって炎症症状が出るケースもあります。これを接触皮膚炎といいます。シャツの襟が密着する首回りや、女性の下着で締め付けられる脇の下や胸の下、パンツやズボンで締め付けられるウエスト周りなどに汗かぶれの症状が出るケースが多いです。
あせもとの違いは?
汗かぶれはあせもと症状が非常に似ているため、見分けるのが難しいですが、一番分かりやすいのが「皮膚にブツブツがあるかどうか」です。あせもの代表的な種類に水晶様汗疹と紅色汗疹がありますが、どちらも小さな水ぶくれや水疱などのブツブツ症状が出るのが特徴です。
水晶様汗疹 | ・白っぽい透明に近い小さな水ぶくれができるあせも ・かゆみや痛みはない |
---|---|
紅色汗疹 | ・1〜3ミリ程度の湿疹や水泡ができ、赤くかゆみや痛みをともなう |
これに対し汗かぶれは皮膚が全体的に赤くなり、患部が広くなりやすいのが特徴です。患部にブツブツの症状が無い場合は汗かぶれである可能性が高いと判断しましょう。
汗かぶれ・汗あれの治し方:ステロイド外用薬について
汗かぶれは患部に痛みがあったり、化膿してただれるなどの重い症状が無い限りは市販薬での治療が可能です。
汗かぶれ・汗あれにはステロイド外用薬を
汗かぶれによって出る皮膚症状は、刺激のある成分や衣服との摩擦などに対するアレルギー反応です。皮膚のアレルギー反応をおさえる薬がステロイド外用薬です。ステロイドは皮膚の抗炎症作用が強く、アレルギー反応によって起こる症状を素早くおさえます。
ステロイドの副作用は大丈夫?
ステロイドは強さのランクによって使用する部位や年齢が決められています。ステロイドに対して副作用の面で不安を感じる方もいますが、用法用量を守って使用すれば、他の薬と同様に安全な薬となっています。
ステロイドの強さと使用可能部位
ステロイドの強さは、体内への吸収度の違いにより、5段階にランク分けされており、市販のステロイド薬に配合される成分はストロング・ミディアム・ウィークの3つです。
大人 (身体) |
大人 (顔・首) |
子供※ (身体) |
子供※ (顔・首) |
|
---|---|---|---|---|
ストロング |
◯ |
× | × |
× |
ミディアム | ◯ | ◯ | ◯ |
× |
ウィーク | ◯ | ◯ | ◯ |
◯ |
※2才未満の子供
皮膚の炎症がかなり強く、肌が真っ赤になり痛みが強い場合はストロングを使用する場合がありますが、それ以外の場合はミディアムやウィークタイプのステロイドでも十分治療が可能です。
使用する年齢と部位が、薬のランクに適しているかどうか、必ず確認をするようにしましょう。
かゆみ・赤みの症状に効く成分
皮膚のアレルギー反応をおさえる効果があるのがステロイドですが、汗かぶれに効く市販薬を選ぶ際は、ステロイドに合わせてかゆみや赤みなどの炎症症状をおさえる成分が配合されている薬がおすすめです。
分類 | 成分 |
---|---|
かゆみ止め成分 |
・クロルフェニラミン ・リドカイン ・ジブカイン ・クロタミトン |
抗炎症成分 |
・グリチルレチン酸類 |
汗かぶれ・汗あれに効くおすすめ市販薬
汗かぶれは汗よくかいたり、衣服や皮膚が擦れる部位にあらわれやすい症状です。
部位によっては皮膚が薄く、強いステロイド薬を使用できないことがあるため、お使いになる方の年齢や症状のある部位を確認し、適切な商品を選びましょう。
日本初!※購入後に薬剤師に相談できる薬
ステロイドランク | ミディアム |
かゆみ | ◯ |
化膿予防 |
◯ |
傷ついた皮膚の修復 |
◯ |
アフターフォロー |
◯ |
有効成分 |
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル リドカイン イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル |
ラシュリアPEクリームはかゆみ止め成分や搔き壊しによる化膿を防ぐ殺菌成分を配合しています。さらに、ビタミン成分であるトコフェロール酢酸エステルによって皮膚の修復を助け、汗かぶれや汗あれによるかゆみで傷ついた患部の改善に効果を発揮します。
しっとりとしたクリームタイプで肌に馴染みやすく、塗った後すぐに衣服を着ても違和感なく過ごせます。大人の方の顔や身体はもちろん、お子様の顔にも使用できるため肌トラブルの常備薬としておすすめです。
また、ラシュリアは購入後に商品に添付してあるQRコードを読み込んで薬剤師に相談をすることが可能です。薬を使用する上で「この部位に使って大丈夫?」などの心配事や不安などをすぐに薬剤師に相談できます。
※当社調べ
顔・首・腹部の汗かぶれにおすすめの市販薬
ステロイドランク | ウィーク |
かゆみ |
◯ |
化膿予防 |
◯ |
傷ついた皮膚の修復 |
◯ |
アフターフォロー | - |
有効成分 |
ヒドロコルチゾン酢酸エステル クロタミトン ジフェンヒドラミン塩酸塩 グリチルレチン酸 アラントイン イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル |
2種のかゆみ止め成分や抗炎症成分を配合し、強いかゆみをともなう汗かぶれ・汗あれに対応しています。
抗炎症成分であるグリチルレチン酸がステロイド成分とともに炎症をおさえるため、赤みをおびた患部にダブルで効果を発揮します。
また、殺菌成分で掻いてしまうことによる細菌感染を予防しておくことも重要です。ウィークランクなので年齢問わず顔や首、腹部などの皮膚が薄い部位にも使用できます。
ステロイドランク | ウィーク |
かゆみ |
◯ |
化膿予防 |
◯ |
傷ついた皮膚の修復 | - |
アフターフォロー | - |
有効成分 |
デキサメタゾン酢酸エステル ジフェンヒドラミン塩酸塩 L-メントール Dl-カンフル グリチルレチン酸 イソプロピルメチルフェノール |
液体タイプのステロイド薬である液体ムヒS2aは野外でも持ち運びやすく、薬剤を手に取る必要がないのでそのまま使用することができます。
かゆみ止めや抗炎症成分を配合しており、スーッとした清涼感で夏場の汗かぶれ・汗あれにおすすめの商品です。
背中・わきの汗かぶれにおすすめの市販薬
ステロイドランク | ストロング |
かゆみ | - |
化膿予防 |
- |
傷ついた皮膚の修復 | - |
アフターフォロー | - |
有効成分 |
ベタメタゾン吉草酸エステル |
ストロングランクのステロイド成分を配合したベトネベートクリームSはかゆみ止めなどの補助成分は配合していませんが、アレルギー反応による炎症を根本から素早く改善することにより汗かぶれや汗あれによって引き起こされる諸症状を鎮めます。
ストロングのステロイドを使用することで大人の背中やわきなどにできた強い炎症症状を効率的に治療することができます。
ステロイドランク | ミディアム |
かゆみ | ◯ |
化膿予防 |
◯ |
傷ついた皮膚の修復 | - |
アフターフォロー | - |
有効成分 |
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル ジフェンヒドラミン塩酸塩 クロタミトン dl−カンフル l−メントール イソプロピルメチルフェノール |
ローションタイプのステロイド薬です。
2種のかゆみ止め成分により強いかゆみを鎮め、dl-カンフルやl-メントールといった清涼成分によりスーッと爽やかな使い心地の商品となっています。
伸びやすいローションは速乾性に優れ、高容量であるため背中やわきなどに使っても気にならず、広範囲の部位にも使用しやすくなっています。
汗かぶれ・汗あれの予防対策方法
汗かぶれの予防・対策に重要なのは、皮膚のバリア機能を高めることと、汗をかいたままにしないことです。
自宅で市販薬を使用して治療する場合や、汗かぶれを予防したい場合は、日常生活で次のことに注意することが重要です。
お風呂上がりに保湿剤を塗る
肌が乾燥していると皮膚を外的刺激から守るバリア機能が低下し、汗かぶれになりやすくなったり、症状が悪化するおそれがあります。お風呂上がりには保湿剤を塗って肌を守りましょう。
シャワーの温度はぬるめ
シャワーの温度やお風呂の温度が熱いと、皮膚に必要な皮脂が落ちていき、乾燥肌になるおそれがあります。シャワーやお風呂の温度は38℃〜40℃のぬるめに設定しましょう。
また、汗をかいたらシャワーで洗い流し、皮膚を常に清潔に保つことも忘れないでください。
お風呂から上がったらタオルでゴシゴシと水分を拭くのではなく、優しくポンポンと拭き取ってください。
通気性・速乾性の良い衣服を着る
汗かぶれは衣服で身体が締め付けらて、汗がたまりやすい部位に出ることが多いです。そのため個人のサイズに合った通気性の良い衣服を着るようにしましょう。通気性が良い素材には、綿や麻などの天然繊維のものがあります。吸湿性があり、日常の中で発生する汗を吸収するのに適しています。
ただし、運動など大量に汗をかく場合は、綿や麻ではなくポリエステルやナイロンなどの合成繊維などが適していることもあります。綿や朝は速乾性が少なく大量の汗を吸ってしまうと重くなってしまうのに対し、ポリエステルやナイロンなどは軽量かつ速乾性に優れています。
日焼け対策をする
紫外線によるダメージは皮膚のバリア機能を低下させる要因となります。アームカバーや日焼け止めなどの日焼け対策をして、皮膚へのダメージを軽減させるようにしましょう。