子供の便秘のサイン|市販薬で治る?
便秘とは、排便が遅れたり困難になったりする状態をさします。排便回数が3回より少なかったり、5日以上便が出ていない場合は、便秘になっている可能性があります。また、便が出ていても排便時に痛がったり、苦しそうにしている場合も便秘が考えれられます。
子供の便秘は放置厳禁
「便秘は大した病気ではない」と考える方がいるかもしれませんが、子供にとっては辛く苦しい症状です。便秘を放置していると慢性化し、さらには巨大結腸症という腸が異常に膨らんでしまう大きな病気に繋がる危険性もあります。子供が便秘になったら、すぐに治療を開始することが重要です。
子供の便秘のサイン・症状
子供に次のような症状が見られる場合は、便秘になっている恐れがあります。
- 週の排便回数が3回より少ない
- 排便時に痛がったり苦しむ
- お腹が張っている
- 小さなコロコロ便や軟らかい便が1日に何度も出る
子供の便秘は決して珍しい病気ではなく、10人に1人か、それ以上の割合でいると考えられています。離乳食やトイレトレーニングを始めた時期、学校へ通い出した時期など、環境の変化がある時に便秘になりやすいです。保護者が子供の排便状況をしっかりと観察し、体調の変化にすぐに気づけるようにしましょう。
子供の便秘は市販薬で治療が可能
子供の便秘は市販薬で治療をすることが可能です。水分や食物繊維を多く摂取し、規則正しい生活習慣を心がけることも重要ですが、薬を使用して早くうんちを出してあげることもとても大事です。
ただし、便秘の症状がかなり重く、血便や嘔吐、発熱などの症状が見られる場合はすぐに病院を受診するようにしてください。
子供の便秘薬の選び方
便秘の薬は主に非刺激性下剤、刺激性下剤、浣腸・坐薬、整腸剤の4つに分けらます。それぞれ特徴や使用すべき便秘の症状が異なります。
こんな症状におすすめ | |
---|---|
非刺激性剤下剤 |
・便秘の初期症状に ・慢性的な便秘に |
刺激性下剤 |
・非刺激性下剤や整腸剤を飲んでも効果がなかった時に ・長期連用は不可 ・腹痛が起こる可能性あり |
浣腸・坐薬 |
・どうしても出したい緊急時に ・即効性あり ・長期連用は不可 |
整腸剤 |
・比較的症状が軽い便秘に ・長期連用OK ・子供や妊婦、高齢者も服用可 |
子供が飲める市販の便秘薬は限られる
市販の便秘薬の中でも非刺激性下剤と刺激性下剤は、成分によっては子供が服用できないものがあります。また、この2種の便秘薬は市販で販売されているものに関しては全て錠剤となります。小さな子供は錠剤を飲み込むことが難しいことも多いため、服用できる年齢に限りがあります。
子供の服用可否 | |
---|---|
非刺激性剤下剤 |
△ |
刺激性下剤 |
△ |
浣腸・坐薬 |
◯ |
整腸剤 |
◯ |
浣腸や整腸剤に関しては子供でも問題なく服用ができますが、浣腸はクセになる恐れがあるため、どうしても出したい!という時にのみ使用するようにしましょう。
整腸剤に関しても、錠剤を飲み込めない小さなお子様は、粉薬を選ぶようにしましょう。
子供の便秘に効くおすすめ市販薬
子供も使える便秘のに効く市販薬をご紹介します。
お子様の症状や年齢に合わせて適した市販薬を購入しましょう。
整腸剤:自然な便通をうながす
年齢 | 1回量 |
1日服用回数 |
15歳以上 |
1包 |
1日3回 |
3ヶ月〜15歳 |
1/2包 | |
3ヶ月未満 |
服用しないでください |
腸内は主に善玉菌と悪玉菌と呼ばれる細菌群が生息し、両者のバランスが崩れると腸の健康を維持する機能が損なわれてしまいます。
ビオスリーHは善玉菌であるラクトミン(乳酸菌)、酪酸菌、糖化菌の3種を配合し、腸内環境を整え、自然な排便が期待できます。
副作用が少なく比較的安全に使用することができ、粉薬のため錠剤が飲めないお子様でも服用できます。
浣腸・坐薬:どうしても出したい緊急時に
年齢 | 使用個数 |
12歳以上 | 1個(効果のない場合はさらに1個) |
12歳未満 | 使用しないでください |
医療用の新レシカルボン坐剤と同じ炭酸水素ナトリウムを有効成分とした坐薬タイプの便秘薬です。
腸内で炭酸ガスを発生させて腸を刺激し、動きを活発化させます。
使用してから約20分ほどで効果があり、速やかに排便を促したい場合におすすめです。
ただし、刺激性に分類されるため長期的もしくは頻繁に使用しないでください。
年齢 | 1回量 | 使用本数 |
1〜5才 | 1個 | 1日2本まで |
3ヶ月〜1才 | 1/2個 | 1日2本まで |
3ヶ月未満 | 医師に相談してください |
イチジク浣腸シリーズは主にグリセリンと精製水の2つを含んでいます。
薬液を入れてから効果が現れるまで3分から10分と、便意の促進が速やかであるところが浣腸ならではの特徴です。即効性があり排便のタイミングを計りやすいというメリットがありますが、長期間使用するとクセになってしまうので緊急時のみ使用してください。
また、イチジク浣腸シリーズは使用する方の年齢に合わせて商品を選ぶことができます。(イチジク浣腸シリーズに関する詳細はこちら)
非刺激性下剤:便秘の初期症状に
年齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
15歳以上 |
3~6錠 |
1日1回 |
11歳以上15歳未満 |
2~4錠 | |
7歳以上11歳未満 | 2~3錠 | |
5歳以上7歳未満 | 1~2錠 | |
5歳未満 |
服用しないでください |
医療用のマグミットと同じ成分で、便秘に対する第一選択薬として使われている下剤です。
排便の調子がいいときは、錠数を少なくするなど服用量を調節できます。
腸を刺激しないため腹痛や腹部の不快感を起こしにくく、子供でも比較的安全に使うことのできる商品です。
刺激性下剤:なかなか治らない便秘に
年齢 | 1回量 |
1日服用回数 |
15歳以上 |
3~5錠 |
1日1回 |
11~14歳 | 2~3錠 | |
11歳未満 |
服用しないこと |
医療用のラキソベロンと同じ成分のピコスルファートが含まれた便秘薬です。腸を刺激し、活発な動きを促進します。
また、善玉菌であるビフィズス菌とラクトミンの2種を配合しているため、腸内環境を整えながら便秘症状を改善します。
年齢 | 1回量 |
1日服用回数 |
15歳以上 |
1~3錠 |
1日1回 |
11~14歳 | 1~2錠 | |
11歳未満 |
服用しないこと |
医療用のテレミンソフトと同じ成分のビサコジルを配合し、錠剤がコーティングされているため胃で溶けずに腸でしっかり効果を発揮します。
また、DSSによって硬くなった便に水分が浸透し、排便しやすくなります。
子供の便秘解消方法|生活習慣の改善
便秘は生活習慣が起因していることも多いため、薬での治療に合わせて日々の生活を規則正しく過ごす必要があります。毎日早寝早起きや適度な運動をさせることを心がけてください。
また、次のことにも注意しましょう。
水分補給をたっぷりと
体内の水分が不足すると便が硬くなり、腸内で移動しにくくなってしまいます。便を柔らかくするために水分補給をしっかり取らせましょう。また、幼児が多量の寝汗をかいているようであれば、寝巻きを1枚分少なくしたり、エアコンなどで室内温度の調整をしてください。
食物繊維・乳酸菌入った食べ物を
食物繊維には水分を吸収する性質があるため、便を柔らかくしたり、便のかさ増しをして腸を刺激する作用があります。また、乳酸菌は腸内環境を良くして自然な便通をうながす効果があるため、どちらも積極的に摂取したい成分です。
食物繊維を多く含む食べ物 |
海藻類、きのこ類、根菜類、緑黄色野菜類、豆類、果物など |
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乳酸菌を多く含む食べ物 |
ヨーグルト、みそ、古漬け、キムチ、納豆、チーズなど |
食物繊維は大きく分けて水に溶ける水溶性と、溶けにくい不溶性があります。どちらもバランス良く摂取する必要がありますが、不溶性に比べて水溶性の食物繊維は食材に含まれる量が少ないことが多く、水溶性食物繊維の摂取が不足しているケースが多いです。
毎日の水溶性食物繊維が不足している場合は、飲み物によって栄養を補充することも可能です。
コレカットは水溶性食物繊維(低分子化アルギン酸ナトリウム)を4g配合し、1本でレタス中玉1個分の食物繊維を摂取することができます。
グレープフルーツ味の「コレカットゼロ(0kcal)」とレモン味の「コレカットレモン(27kcal)」の2種類から選ぶことができ、どちらもさわやかな味で飲みやすいドリンクです。
トイレトレーニングについて
トイレトレーニング時にむやみに怒ってしまうと、怒られることを避けるためにトイレを我慢し、便秘の原因となってしまうケースがあります。トイレトレーニングはお子様の発達段階に合わせて開始するようにしましょう。また、上手にトイレができたときは思い切り褒めてあげるようにしましょう。
便秘症状がある幼児は、まずは便秘の治療をし、習慣的な排便ができるようになったらトイレトレーニングを開始してください。
決まった時間にトイレに入る
トイレトレーニングが完了している子供の場合は、食後などの毎日決まった時間にトイレに入る習慣をつけてください。小さなお子様であればトイレに絵本やおもちゃを持ち込んで「トイレ=楽しい」というイメージを植え付けさせることも大切です。
排便日誌をつける
子供の排便回数や、便がどのような状態だったのかを聞き、毎日記録をつけましょう。
毎日記録をつけることで体調の変化に気づくことができ、治療にも役立ちます。