かゆみ予防の基本
不快な皮膚のかゆみを繰り返さないためには、日常生活において皮膚を清潔に保つことや、保湿をすることが重要となります。薬を使用して一時的にかゆみをおさえても、日々のケアがおろそかになっていると、かゆみの症状はすぐに再発します。
皮膚のかゆみを繰り返さないためにも、次の3つをしっかり理解し、清潔できれいな、かゆみのない肌を目指しましょう。
皮膚の清潔を保つ
皮膚のかゆみを予防するためには、常に皮膚を清潔な状態に保つことが重要です。
汗をかいたらかきっぱなしにせず、シャワーや入浴で皮膚の汚れを落としましょう。皮膚への刺激となる物質を取り除くために大切なことです。
注意するポイントは皮膚を傷付けないようにすることです。
陰部などの皮膚の薄い部分は特にかぶれやすいため、ボディーソープをしっかり泡立ててやさしく手で洗いましょう。
皮膚を保湿する
汚れを洗い流した後は、皮膚を保湿しましょう。
シャワーなどで汚れを落とすと、バリア機能を持つ皮脂も一緒に流れます。
皮脂がなくなると、皮膚の水を保つ力が低下するため、皮膚のうるおいを保つために保湿が必要になります。
皮膚の保湿には保湿剤が有効です。クリームやローション、乳液などのタイプから、自分に合ったものを使用してください。
皮膚を刺激から守る
摩擦や紫外線などの外部からの刺激は、かゆみやかぶれの原因となります。
汗を拭くときはこすらないようにやさしく拭く、かゆくてもかきむしらないことなどが大切です。
さらに日焼け止めやアームカバーなどの日焼け対策も忘れないようにしてください。日焼けによるダメージもかゆみの原因になります。
陰部のかゆみ予防
陰部のかゆみの原因のひとつはかぶれです。
ここでは陰部のかぶれを防ぐための具体的な方法を紹介します。
通気性の良い下着を選ぶ
下着が通気性の悪い素材だと、陰部が蒸れてかぶれる原因となります。また、化学繊維でできている下着でアレルギー反応を起こしてしまったり、きつい下着をつけていると締め付けが強く摩擦が起きやすいため、かぶれの原因となることがあります。
下着は通気性や吸湿性のよい綿素材などを選び、汗をかいたらこまめに変えるようにしましょう。
生理中の注意点
生理中に陰部のかぶれが起きる主な原因は、ナプキンを長時間つけることによって蒸れた状態が続き、ナプキンに残った経血や汗が皮膚を刺激するためです。
生理のときはナプキンをこまめに替えるように心がけ、汗や経血で汚れた場合はシャワーで洗い流しましょう。
デリケートゾーンを常に清潔な状態に保つことが陰部のかゆみ予防につながります。
ただし、女性の場合、膣の中にいる常在菌が膣内を清潔に保つ働きをしているため、膣の中までは洗い流さないようにしてください。
子供の皮膚のかゆみ予防
子供は大人に比べて皮膚面積に対する汗腺の数が多く、汗っかきな状態になりやすいです。汗をかいたまま放置すると、あせもやかぶれが再発する原因となります。
皮膚のかゆみの再発を防ぐために、以下のことに注意しましょう。
かかないように教える
子供にとって皮膚のかゆみを我慢することは、とても難しいことではありますが、なるべく皮膚をかきむしらないようにしましょう。
患部をかきむしってしまうと、さらに炎症を起こしかゆみのもとになります。
化膿してしまうと、とびひなどの感染症を引き起こすこともあるため、かきむしることによってさらに症状が酷くなる恐れがあることをしっかり伝えてあげてください。
外出時はタオルを持たせる
汗をかいたら肌をこまめに拭けるように、外出時はタオルを持たせることを習慣にしましょう。やわらかいタオルを使い、肌をごしごし拭かないように指導してください。なるべく自分で汗を拭けるように習慣づけていきましょう。
赤ちゃんの皮膚のかゆみ予防
赤ちゃんは自分で行動を起こすことができないため、保護者がより注意をすることが大切です。
赤ちゃんの場合は、皮膚のトラブルが原因で他の疾患につながってしまうこともあります。毎日のケアを大切にしましょう。
おむつはこまめに取り換える
おむつの中は体温であたたかく、汗や尿などでいつも湿った状態のため、蒸れやすくなっています。便の後はシャワーで洗い流し、少しでも清潔な状態を保てるように注意しましょう。また、おしりふきを使用する際は、皮膚をこすらないように注意してください。摩擦が刺激となっておむつかぶれの原因となります。
汗をかいてないか定期的に確認
赤ちゃんの汗がかきっぱなしにならないように、定期的に確認しましょう。
汗をかいている場合はやわらかいタオルで拭き、可能であればシャワーで汗を洗い流しましょう。服が汗で濡れている場合もそのままにせず、着替えさせてあげましょう。
定期的に確認し、こまめに汗を拭いてあげることで清潔な状態を保ちましょう。
快適な室温に調整する
エアコンによる室温の設定は大人が快適と思う温度に設定すれば問題ありません。
ただそれだけではなく、手足は冷えていないか、汗をかいてないかをみてあげることが大切です。日当たりや床との近さなどによって感じ方も変わるので、ブランケットや薄いカーディガンなどで調整しましょう。
気温に適した衣服を着せる
赤ちゃんは体温調整が苦手なため、気温にあった服選びが大切です。
夏などの暑い季節は通気性のいい素材を選ぶ、冬などの寒い季節は保温性の高い素材を選ぶなどの工夫をしましょう。
特に肌着は汗を吸収しやすい綿素材がおすすめです。