女性の頻尿・尿もれの原因

女性は男性に比べて筋力が弱く、尿道や膀胱を支える骨盤底筋が衰えやすいことから、頻尿や尿もれなどの排尿トラブルに悩む方が多いです。また出産によって骨盤底筋が傷むことも、女性に頻尿・尿もれ症状が出やすい理由の1つとしてあげられます。

頻尿の原因について

日本泌尿器学会では頻尿は「起床から就寝までに8回以上排尿回数があること」と定義しています。ただし、1日の排尿回数はかなり個人差があるため、8回以下だったとしても自身で排尿回数が多いと感じていたり、排尿回数が多くて生活に支障をきたしている場合は頻尿に当てはまります。

  原因
頻尿

・加齢

・骨盤底筋の衰え

・心因性のストレス

・過活動膀胱

・泌尿器系の病気

・糖尿病 など

頻尿の原因は様々ですが、加齢や出産による骨盤底筋の衰え、ストレスが原因となるケースや、尿が溜まっていないのに膀胱が勝手に収縮する過活動膀胱という病気が原因となるケースが多いです。原因疾患が別に隠れている場合は病院での治療が必要になりますが、筋力の低下や軽いストレスが原因の場合は、市販薬で治療をすることが可能です。

尿もれの原因について

女性の尿もれは主に腹圧性尿失禁切迫性尿失禁という2つの尿もれ症状があげられます。

  種類 原因
尿もれ 腹圧性尿失禁

・加齢

・骨盤底筋の衰え

・肥満 など

切迫性尿失禁

・加齢

・骨盤底筋の衰え

・心因的ストレス

・過活動膀胱 など

腹圧性尿失禁は重いものを持ったり、くしゃみや咳をするなど、お腹にグッと力が入った時に「チョロ」っと尿が漏れてしまう症状をさします。

切迫性失禁は主に過活動膀胱が原因となる尿もれの症状で、自分の意思とは別に膀胱が勝手に収縮してトイレにいきたくなってしまい、我慢できずに漏らしてしまう症状をさします。

 

どちらの尿もれ症状も原因は様々ですが、頻尿と同様に筋力の低下や軽いストレスが原因となる場合は市販薬や自宅でのトレーニングで治療をすることができます。

病院に行くべきケースについて

女性の排尿トラブルには泌尿器系の疾患や糖尿病などが隠れているおそれがあります。症状が重かったり、おしっこが出にくい、血尿の他に気になる症状がある場合は必ず病院の診察を受けるようにしましょう。

20代や30代でも頻尿・尿もれになる?

「排尿トラブル=高齢者の病気」というイメージがあるかもしれませんが、20代や30代の若い世代でも頻尿や尿もれになるケースが十分に考えられます。

女性の場合だと、膀胱炎などの感染症や子宮筋腫などの女性器系の病気が排尿トラブルの原因となることもあります。これらの病気は年代に関係なく罹患するおそれがあるため、排尿トラブルは若い世代でも発症する可能性は十分にあります。

少し気になる程度の軽症であれば、市販薬での治療も可能ですが、症状が重い場合や症状が長期にわたる場合は原因疾患が隠れている可能性があるため、病院の診察を受けるようにしましょう。

女性の頻尿・尿もれに効く市販薬の成分

女性の頻尿や尿もれは、軽い症状であれば市販薬での治療が可能です。

  効果を発揮する成分
頻尿

・八味地黄丸

・牛車腎気丸

・フラボキサート塩酸塩

尿もれ ・八味地黄丸

頻尿に効果を発揮する市販薬の成分としては八味地黄丸牛車腎気丸、フラボキサート塩酸塩の3つがあげられます。ただし、市販薬の中で唯一効能効果に尿もれの記載がある薬は八味地黄丸のみです。ご自身の排尿症状に合わせて効果的な成分を選びましょう。

八味地黄丸

8種類の生薬が配合されている漢方薬です。体を温める効果があり、頻尿や尿もれ、残尿間、夜間頻尿などに効果を発揮します。また、冷えにともなう足腰の慢性的な痛みやしびれを取るのに用いられることもあります。

牛車腎気丸

八味地黄丸に「牛膝」と「車前子」という生薬を加えた漢方薬が牛車腎気丸です。頻尿を含む排尿障害や腰の痛み、むくみ等に効果を発揮します。

フラボキサート塩酸塩

フラボキサート塩酸塩は処方薬でも使用されている医療用成分です。処方薬だとブラダロンと呼ばれる薬がよく知られています。膀胱の収縮を抑制して、尿を貯める容量を増やす作用があり、尿意をおさえる効果があります。

男性は前立腺肥大症の症状を悪化させる危険性があるため、市販のフラボキサート塩酸塩を服用することができませんが、女性は服用することが可能です。

妊娠中・授乳中も市販薬を服用できる?

女性の場合、出産を機に頻尿や尿漏れを発症する方も多いですが、妊娠中・授乳中は服用できない薬の成分があるため注意が必要です。

  妊娠中 授乳中
八味地黄丸
牛車腎気丸
フラボキサート塩酸塩 ×

◯・・・服用しても問題なし

△・・・医師に要相談

× ・・・服用不可

妊娠中は必ず医師に相談をすること

妊娠中に関しては、尿もれや頻尿に効果を発揮する市販薬は医師への相談が必要となります。またフラボキサート塩酸塩は妊娠中の服用はできません。妊娠中に排尿トラブルに悩んでいる場合は、必ずかかりつけの医師に相談し、市販薬を服用しても問題ないか確認しましょう。

授乳中は漢方薬の服用がおすすめ

授乳中に関しては、フラボキサート塩酸塩を服用する場合のみ医師への相談が必要となります。漢方薬であれば服用は問題ないため、授乳中に頻尿や尿もれに悩んでいる方は、漢方薬の服用がおすすめです。

女性の頻尿・尿もれにおすすめの市販薬

女性の頻尿や尿もれに効くおすすめの市販薬をご紹介します。ご自身の症状や剤形の好みに合わせて、適した市販薬を選択しましょう。

八味地黄丸

年齢 剤形 頻尿 尿もれ
5才以上 錠剤

八味地黄丸料を配合した錠剤タイプの漢方薬で、頻尿や尿もれ、残尿感、夜間頻尿などの諸症状に効果を発揮します。

錠剤タイプなので薬が口の中に残る感じが少なく、漢方特有の味が苦手な方でも飲みやすい薬となっています。

また、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師へ無料相談することが可能です。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談ができるので、安心して薬を使用することができます。

 

ツムラ漢方八味地黄丸料エキス顆粒A 20包(第2類医薬品)

年齢

剤形

頻尿 尿もれ

2才以上

顆粒

カツジンEP錠と同じく八味地黄丸を配合した市販薬です。顆粒タイプの薬なので、錠剤のような固形物を飲み込むことが苦手な方にもおすすめです。2才から服用が可能で、幅広い年齢層の方が使用できる頻尿の薬です。

牛車腎気丸

【第2類医薬品】和漢箋ロート トイリズム

年齢

剤形

頻尿 尿もれ

成人(15歳以上)

錠剤

×

牛車腎気丸は水分代謝に関わる腎の働きを助けるとともに、体を温めて血行を良くします。疲れやすく冷えやすい方の頻尿、排尿困難などにおすすめの薬です。錠剤タイプの薬なので、漢方の苦味が苦手な方でも服用がしやすいです。

 

漢方ラックル顆粒 14包(第2類医薬品)

年齢

剤形

頻尿 尿もれ

成人(15歳以上)

顆粒

×

パッケージで「腰痛やしびれに効く」と書いてありますが、頻尿にも効く薬です。1日の服用量が医療用医薬品の牛車腎気丸と同量の生薬成分で作られているため、医療用と近い効果を期待できます。

フラボキサート塩酸塩

レディガードコーワ20錠

年齢

剤形

頻尿 尿もれ

成人女性(15才以上)

顆粒

×

有効成分フラボキサート塩酸塩を配合した頻尿改善薬です。尿を出そうとする筋肉の緊張を緩めることで、頻繁だったトイレの回数を少なくします。女性のみ使用できる市販薬ですが、西洋薬の成分を唯一配合しています。

お家でできる頻尿の対策・改善方法

頻尿や夜間頻尿(尿意で夜に起きてしまう)、尿もれなどの排尿トラブルは、薬の服用とあわせて日々の生活習慣での工夫や、お家でできるトレーニングによって症状が改善するケースがあります。

水分の摂取量を減らす

頻尿や夜間頻尿に悩んでいる方は、夜寝る前は水分の摂取を控えましょう。ただし、尿意を気にしすぎて水分の摂取量が少なくなると、尿路感染や尿路結石の原因となるおそれもあるため、日中に適度な量の水分を摂取することを忘れないでください。

また、アルコールの摂取は睡眠を浅くし、利尿作用が高まることで夜間頻尿を悪化させます。夜寝る前のアルコールの摂取や、過度の飲酒は避けましょう。

骨盤底筋のトレーニングをする

膀胱や尿道を支える骨盤底筋を鍛えるトレーニングです。頻尿や尿もれは骨盤底筋の筋力が弱くなることによって引き起こされます。

弱まった骨盤底筋の筋力トレーニングを行うことによって、頻尿や尿もれなどの排尿トラブルの改善が期待できます。

 

【骨盤底筋トレーニングのやり方】

①腹筋などの他の筋肉の力を抜いた状態で、肛門や膣の穴を身体の中に引き込むようにぎゅっと引き締める。

②数秒〜数十秒力を入れ続け、その後力を抜く。

③少し休んだらまた力を入れる。このサイクルを一日に何度か繰り返す。

 

最初は骨盤底筋以外の筋肉の力を入れないためにも、仰向けになってリラックスした状態で行うことがおすすめです。慣れてきたら立っている状態でも座っている状態でも行うことができるトレーニングですので、電車で立ってる時や仕事で座ってる時など、隙間時間を利用してトレーニングを行いましょう。

決まった回数はありませんが、ご自身の負担のない範囲で行うと良いでしょう。

尿もれシートを活用する

頻繁に尿もれが起こって下着が濡れてしまうという方は、尿もれシートを活用してみましょう。

尿もれシートは水分を吸収して乾燥させることによって、下着が湿ってしまう不快感を解消します。

消臭効果や抗菌効果のあるシートが多いため、衛生的にもおすすめです。ただしシートはこまめに交換するようにしましょう。

肥満体質を改善する

肥満体質の方は過剰な内臓脂肪によって膀胱が圧迫され、尿もれなどの排尿トラブルをひきおこしやすいです。肥満は他にも高血圧などの健康リスクが高まる原因となるため、日々のカロリーコントロールと適度な運動を心がけましょう。