目の疲れ・眼精疲労の原因はなに?
目の疲れや痛みが長期間続くことを眼疲労と呼びます。眼疲労の症状が進行すると、目の症状だけでなく、頭痛や肩こりなど、体にも不調が現れるケースがあります。これを眼精疲労と呼びます。
症状 | |
---|---|
目の症状 |
・目の疲れ、かすみ、ぼやける ・目の痛み、充血 ・目が重い、しょぼしょぼする ・眩しい、涙が出る |
体の症状 |
・頭痛、倦怠感 ・肩こり ・めまい ・吐き気 |
眼疲労や眼精疲労は、何らかの対策を取らない限り自然に症状が改善していくことは基本的にありません。症状を放置しているとどんどん悪化していくため、早めの対処が重要となります。
目の疲れ・眼精疲労の原因
目の疲れや眼精疲労の原因は様々ありますが、日常生活で考えられる原因は次のものがあげられます。
●目の酷使(パソコンやスマートフォンなど電子機器の長時間使用)
●メガネやコンタクトの度数が合っていない
●ドライアイ
近年スマートフォンやPCが普及したことにより、目をかなり酷使する環境が進んでいます。長時間同じ画面を見続けると、目の筋肉が緊張して疲れ目の原因となります。
また、電子機器の長時間使用は瞬きの減少にも繋がり、ドライアイを引き起こします。目が乾くことによって目への負担が大きくなり、疲れ目の原因となります。
どうやって治療すれば良い?
眼疲労や眼精疲労を治すためには、まずは目を酷使する時間をなるべく減らすことが重要となります。
これに合わせて、目の疲労や炎症に効果のある目薬で目のケアしてあげることも大切です。
市販の目薬の選び方
市販の目薬は様々な種類があり、商品によって配合されている成分が異なります。
眼疲労や眼精疲労に効く目薬を購入する場合は、ご自身の症状に合わせて次の成分が配合されたものを選ぶと良いでしょう。
目の疲れに効く成分
目を酷使すると目のピント調節を行う筋肉が緊張し、目に疲労感を感じるようになります。スマホやモニターを長時間見続けることによる目の疲労に悩んでいる方は、目薬の成分の中でも目のピント調節機能を改善する成分を選びましょう。
成分名 | 効果 |
---|---|
ネオスチグミンメチル硫酸塩 |
目のピント機能を改善して疲れ目の症状を緩和 |
シアノコバラミン(ビタミンB12) |
また、目の新陳代謝を活発にしたり、血行を促進させることによって目の疲労を解消する成分が次のものです。上記の成分と合わせて次の成分が配合されている目薬も目の疲労にはおすすめの成分です。
成分 | 効果 |
---|---|
ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6) |
目の新陳代謝を活発にし、疲れた目の機能を回復 |
酢酸d-α-トコフェロール(ビタミンE) |
血行促進作用により、目に栄養を送って疲れを回復 |
L-アスパラギン酸カリウム |
目の新陳代謝を活発にし、目の疲れを改善 |
タウリン |
目の痛み・充血に効く成分
目の酷使が原因で、目に痛みを感じたり充血の症状がある場合は、目の炎症をおさえる成分が配合されている目薬を選びましょう。
成分 | 効果 |
---|---|
イプシロン-アミノカプロン酸 |
目の炎症をおさえる |
グリチルリチン酸二カリウム |
目の潤いを補う成分
目が乾燥してドライアイが気になる方は、目に潤いを与える成分が配合されている目薬を選びましょう。
成分 | 効果 |
---|---|
コンドロイチン硫酸エステルナトリウム |
涙の蒸発を防止し、目にうるおいを与える |
血管収縮剤は避けるべき成分?
目薬を選ぶときに「血管収縮剤は避けたほうが良い」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。
血管収縮剤は目の血管を無理やり収縮させることによって、充血を素早くおさえる効果がありますが、根本原因となっている炎症に対する治療効果はありません。また、長期連用することによって次第に薬が効かなくなったり、薬の効果が切れた時にリバウンドで充血が酷くなる、というリスクがあります。
緊急で一時的に使用するのであればOK
ただし、血管収縮剤は充血の症状を一時的に素早くおさえるという効果には優れています。そのため、人に会う約束があったり、撮影があるなど、緊急で目の充血を解消する時に一時的に使用する分には問題ありません。ただし、長期的に使用することは避けた方が良いでしょう。根本から目の充血を治療するためには、目の炎症をおさえる成分が配合されている目薬を選んでください。
血管収縮剤の主な成分
成分 | 効果 |
---|---|
塩酸テトラヒドロゾリン 塩酸ナファゾリン 塩酸フェニレフリン |
充血をおさえる |
目の疲れ・眼精疲労に効く市販の目薬
目の痛みや疲れに効く市販薬をご紹介します。商品によって配合されている成分が異なるため、ご自身に合ったものを選びましょう。
目のトラブルに広く効く!有効成分多種配合
配合成分 | 清涼感 | コンタクト |
---|---|---|
ネオスチグミンメチル硫酸塩 イプシロン-アミノカプロン酸 シアノコバラミン ピリドキシン塩酸塩 L-アスパラギン酸カリウム タウリン グリチルリチン酸二カリウム クロルフェニラミンマレイン酸塩 |
あり |
ハード:◯ ソフト:× カラー:× |
主成分となるネオスチグミン硫酸塩が疲れ目症状を改善するほか、抗炎症成分であるイプシロン-アミノカプロン酸が炎症を鎮めます。
また、アレルギーによる炎症に効く成分も配合されているため、花粉症やハウスダストによる目のかゆみ等にも使用することが可能です。
オパールアイαは商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師に無料で相談ができます。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談できるため、安心して薬を使用することができます。
目の疲れに効く成分のみ配合
配合成分 | 清涼感 | コンタクト |
---|---|---|
ネオスチグミンメチル硫酸塩 シアノコバラミン ピリドキシン塩酸塩 |
なし |
ハード:◯ ソフト:◯ カラー:× |
目の疲れに特化した成分のみを配合した目薬です。炎症症状などはなく、シンプルな成分構成の市販薬をお探しの方におすすめです。
コンタクト(カラーコンタクトを除く)を装着したまま使用ができるため、外出の際の持ち歩きにも便利。清涼剤無添加のため、スーっとした使い心地が苦手な方にもおすすめです。
配合成分 | 清涼感 | コンタクト |
---|---|---|
ネオスチグミンメチル硫酸塩 シアノコバラミン ピリドキシン塩酸塩 |
あり |
ハード:◯ ソフト:◯ カラー:× |
こちらも目の疲れに特化した成分のみ配合した目薬です。l-メントールが配合されているので、スーッとした使い心地を求める方はこちらの目薬を選ぶと良いでしょう。
目の乾きが気になる方に
配合成分 | 清涼感 | コンタクト |
---|---|---|
シアノコバラミン ネオスチグミンメチル硫酸塩 タウリン グリチルリチン酸二カリウム クロルフェニラミンマレイン酸塩 塩酸テトラヒドロゾリン コンドロイチン硫酸エステルナトリウム ピリドキシン塩酸塩 |
あり |
ハード:◯ ソフト:× カラー:× |
目のピント機能を調節するシアノコバラミンを主成分とする目薬です。
さらにアミノ酸やビタミン成分が目の代謝を活発にし機能を改善します。コンドロイチン硫酸エステルナトリウムが涙の蒸発を防ぎ、目のうるおいを保ちます。血管収縮剤が配合されているため、この成分を避けたい方にはおすすめできません。
20mlの大容量目薬
配合成分 | 清涼感 | コンタクト |
---|---|---|
ネオスチグミンメチル硫酸塩 タウリン クロルフェニラミンマレイン酸塩 ピリドキシン塩酸塩 酢酸d-α-トコフェロール L-アスパラギン酸カリウム |
あり |
ハード:◯ ソフト:× カラー:× |
目の機能改善に効果的なネオスチグミン硫酸塩やビタミン成分など、6種類の有効成分をすべて最大濃度配合しています。20mlと大容量のためこまめに買い替える必要がなく、定期的に使いたい方におすすめです。
目の疲れからくる頭痛の対処法
目の疲れが進行すると頭痛を感じるケースがあります。基本的には原因となっている目を休ませたり、上記で紹介した目薬でケアしてあげることが一番の根本治療になりますが、頭痛がつらい場合は、鎮痛薬で痛みをおさえるのも1つの方法です。
鎮痛薬で痛みをおさえる
鎮痛薬に関しては以下の記事で詳しく解説しているため、頭痛の対処として鎮痛薬を考えている方はご参照ください。
目を温める
眼精疲労による頭痛に悩んでいる場合は、目を温めることで目の周りの血行を改善しましょう。
市販の目のまわりを温めるアイマスクや、蒸しタオルがおすすめです。
ちなみに眼精疲労の症状によって、目を温めるべきか、冷やすべきかが変わります。症状とその対応方法は以下の表を参考にしてください。
対応方法 | 症状 |
---|---|
温める | ショボショボする、頭痛・肩こりがある |
冷やす | 目の赤み、充血、痛みがある |
目が赤く充血していたり、痛みがあったりする場合は、目を冷やすことで、目の充血をおさえましょう。濡らしたタオルや、保冷剤をタオルで巻くなど行いやすい方法で冷やしてください。
目の疲れを溜めないために注意すること
疲れ目や眼精疲労を解消するためには、目薬の使用と合わせて、日常生活で次のことに注意しましょう。
●目を使う長時間の作業は1時間につき約15分間休憩を挟む
●意識的にまばたきをする
●電子機器使用時は画面との距離を40cm以上とる
●メガネやコンタクトの度数が合っているか定期的に検査をする
日常生活における疲れ目のケア方法については次の記事でも詳しく解説しているので、ぜひご参照ください。
病院に行くべきケース
目の痛みや疲れの中でも次のような重い症状が出ている場合は、別の病気が潜んでいる恐れもあります。該当する症状がある方は必ず病院を受診しましょう。
●目が開けられないほど痛い
●発熱や目やになどの痛み以外の症状がある
●まぶたや顔面など別の部位にも違和感がある
●何か入っているようなチクチクする痛み(異物感)
●ズキンズキンとした痛み(目の深部に感じる痛み)